小論文の書き方

「小論文はセンスじゃない。」

これが慶應小論文について私が書いた本のタイトルである。私は小論文指導に携わってもうすぐ7年目になるが、小論文はセンスではなく確かな方法論に基づいて執筆されるべきだという指導方針への確信はますます強くなっている。

私が小論文はセンスではない、という確信を深める背景には、本場アメリカではレポートの書き方がかなり定型化されているためである。日本でも「MBAクリティカル・シンキング」や「読む技術・書く技術」というアメリカ発のこうした書籍が話題になっているが、こうした書籍に共通する文章作法としては、論理的思考法や文章作法を定型化し、誰でも使えるものにした上で、個々の人間観に基づく思索を引き出そうとする姿勢である。そうした姿勢が、個々人の尊厳を至高のものとして扱う欧米型の健全な個人主義を支え、自らの尊厳のみを最上のものとする感情的な利己主義・自己中心主義を排除してきたと私は考えている。

私はこうした健全な個人主義を日本社会に浸透させるためにもも、欧米風のこうした文章作法を広げたいと考えている。また、慶應義塾大学の先生方とも軌を一にしたのか、近年ではこうした欧米型の文章作法に基づく問題文中の指示もまた多くなってきている。私は、こうした大学側からの要請も背景にしながら、感覚や感情に依ってではなく、論理と人間観による小論文執筆を手助けしたいと考えている。

小論文第一段階 「一文一文の書き方」

小論文における一文一文の書き方を習得するためには小論文の基本的な文法ドリルが独自教材であるので、そちらのドリルを演習していただく形になる。また、「論理力トレーニング101題」も必修で行う。

0. 一文一文の書き方について議論する理由

小論文の論理を云々する前に、一文一文の書き方が極めて稚拙であるケースが多い。

読みにくい文章の代表例としては、
・ 論理関係が不明瞭な文章
・ 主語と動詞の関係が不明瞭な文章
・ 修飾関係が不明瞭な文章

の三つが挙げられる。

1. 論理的関係が不明瞭になる原因

まず、論理的な関係が不明瞭になる原因についてだが、これは文中に接続詞を用いない姿勢から生まれる。文章を書く時は、段落の冒頭の文章を除いては必ず接続詞を付けることを原則とすべきである。できうる限り、根拠を示す接続詞である「なぜなら」・具体例を示す接続詞である「たとえば」は付けるようにしたほうが良い。その上で順接にせよ逆接にせよ、文章の論理関係に応じた接続詞を段落冒頭の文章を除いては付けるべきだろう。

2. 主語と動詞の関係が不明瞭になる原因

次に、主語と動詞の関係が不明瞭になる原因についてだが、これは一文に二つ以上の節を入れることから生じる。

そもそもこの事について説明する前に句と節について振り返ってみると、節というのは主語と動詞の固まりのことである。句というのは、主語か動詞を伴わない言葉の固まりと考えれば良い。

たとえば、

 雨が振ったので(句)、私は傘をさした。(節)

である。雨を降らせたのは空中の水蒸気と気候の変化だが、空中の水蒸気と気候の変化という主語はここでは省略されているため、「雨が振ったので」という語句は句であると判断することが正しい。一方で、私は傘をさした、という表現には主語と動詞が存在するため、これは節である。

次に、

 太郎君は傘をさしたので(節)、私も傘をさすことにしたが(節)、花子ちゃんはそうしなかった(節)。

ここで出てくる「太郎君は傘をさした」「私も傘をさすことにした」「花子ちゃんはそうしなかった」これはいずれも(節)である。主語と動詞が存在しているためである。ここでは主語が三つ出てきており、それだけで十分わかりにくいが、実際は動詞部分がそれぞれ別になることが多いから、さらにわかりにくくなることか多い。

3. 修飾関係が不明瞭になる原因

かつて村上春樹の小説で「君のことがバターが解けるほど好きだ」という表現があった。これは小説なら素晴らしい比喩表現だが、残念ながら論説文においてはそうではない。論説文は社会のことを主なテーマとして書く必要がある上、その性質上誰が読んでも同じように解釈できるものでなければいけない。よって「〜ではないだろうか?」というように複数の解釈が許される表現は小論文においては厳しく咎められるべきである。

さて、「君のことがバターが解けるほど好きだ」といったような修飾表現で、しばしば修飾関係が不明瞭になる原因は、元を正せば一つの被修飾語句に対し、複数の修飾語句が存在するためである。そのために主述の関係があいまいになったり、修飾関係が曖昧になることは極めて多い。

こうした問題を解決するためには、被修飾語句・修飾語句のいずれも一単語になるように文を書くべきである。

4. まとめ

ここまででわかるように、読みやすい一文一文を書くためには三つの法則がある。

・ 接続詞を使うこと
・ 主語と対象語と動詞は一文に一つまでとすること
・ 被修飾語句・修飾語句のいずれも一単語になるようにすること

この三つを守るだけで、一文一文は相当読みやすくなるものだ。次は、一段落全体を通じて読みやすい文章を構成するためにはどうすればよいかについて書いていきたい。

小論文 第二段階 「一段落の書き方(結論・根拠・具体例)」

これを習得するためには小論文の基本的な文法ドリルが独自教材であるので、そちらのドリルを演習していただく形になる。

0. 段落内部の書き方

一つの段落を読みやすくする際には、結論・根拠・具体例の順番で書いた方が良い。まず、冒頭に結論を書き、「なぜなら」という接続詞で根拠へと繋ぎ、「たとえば」という接続詞で具体例につなぐ。これが最も読みやすい段落内部の構成である。

1. 読み手の関心をそそる結論・根拠・具体例

なぜ、結論・根拠・具体例の構成で書かれた段落が読みやすいのかというと、まず第一にはそれが読み手の興味・関心をそそる書き方だからである。

まず、結論があることにより、なぜその結論が出たかという疑問が残る。そのすぐ後に根拠があることにより、なるほど、と納得して読むことができる。根拠と具体例の関係もこれを踏襲しており、なぜその根拠が出たのか? その根拠は具体的にどういう形で表現されているのか?という疑問に対し、すぐに具体例が提示されているため、なるほど、と納得して読むことができる。

このように、「どうして?」「なるほど!」という思考プロセスをたくさん踏んでもらうことかできるため、読み手が読んでいて快い文章を作ることが可能になる。

2. 多くの人々の共感を得る結論・根拠・具体例

多くの場合、人は総論賛成・各論反対で議論を進める傾向がある。

たとえば、医療従事者であれば、日本は歳入に対して歳出が多すぎること、そのため財政再建が必要なことは認めるだろう。だが、その手段として医療費削減が求められれば強硬に反対することは間違いない。このように、歳出過多や財政再建などの総論には賛成でも、医療費削減のような各論には強硬な反対論が出るのが人情というものだ。

よって、議論を進める際には、まず総論≒抽象的な結論を述べ、次にその根拠を述べ、最後に具体的な議論≒具体例に言及すべきである。こうすることにより、利害関係者の反発を最大限抑制することが可能なためだ。

3. 例外を議論から排除する結論・根拠・具体例

また、結論・根拠・具体例で書くことは例外を議論から排除する場合には極めて有効である。

もちろん、小論文を執筆する際においては、小異を捨てて大同についてはいけない場面もある。たとえば、マイノリティーの利害関係者に配慮する場合には、例外を議論から排除してはならないだろう。だが、一方で恣意的に議論の結論を歪めようとする例も多々ある。

そうした際に、大枠の抽象論から入ることによって、議論を恣意的に歪めることが難しくなる。たとえば、生活保護制度について論じる際に、そもそもの問題として無年金高齢者の増加があることが分かれば、生活保護費の増加の主要因が若者の無気力ではないことがわかる。

このように為にする議論を排除するためにも、結論・根拠・具体例の順番で議論を進めることは大切である。

4. まとめ

ここまで見てわかるように、
・ 読み手の興味を喚起するため
・ 多くの人々の共感を得るため
・ 議論の恣意的に歪めないため

結論・根拠・具体例で小論文を書くべきである。

小論文 第三段階 「段落の構成方法と内容(小論文の5STEPs)」

これを習得するためには小論文の基本的な文法ドリルが独自教材であるので、そちらの5STEPsドリルを演習していただく形になる。

0. アドミッション・ポリシーから見る小論文の構成

慶應SFCのアドミッション・ポリシーは「問題発見・問題解決型教育」である。この表現は、SFCのありとあらゆる公式文章に頻出する。また、大学入学時のレポートレクシャーでも、問題発見・問題解決型教育に基づくレポートの作成方法について教授を受ける。

だが、小論文を書く上で、

(2) 問題発見
(4) 問題解決

だけでは小論文の構成としては、いささか弱い。

「問題発見・問題解決」を支えるためには、それに派生した要素が必要であり、そうした要素のことを個々では大まかに「小論文の5STEPs」という。そして、5STEPsから派生する小論文を書く上で考慮に入れなければならない要素が20ほどある。

1. 派生の必要性により生まれた「小論文の5STEPs」

まず、

(2) 問題発見→優れた問題発見のためには、議論を整理する必要がある。
(4) 問題解決→優れた問題解決のためには、それが徹底的な原因分析の賜物である必要があるし、解決策については適切な吟味検討を加えなければならない。

このように、考えると小論文の構成は以下の5STEPsにまとめられる。

(1) 議論の整理
(2) 問題発見
(3) 原因分析
(4) 解決策
(5) 解決策の吟味

だが、これが分かっただけでは小論文は書けない。小論文として成り立たせるためには、このそれぞれで書く必要がある要素を検討した上で、それらの要素が長くなる場合には結論・根拠・具体例を用い展開しなければならない。

2. 小論文の5STEPsは小論文に必要なすべての要素を満たすために細分化される

小論文の5STEPsのみでは、小論文を書くことは難しいので、これをさらに細分化する必要がある。特に重要なものには、☆を付けて強調する。

(1) 議論の整理
・ 共通の前提or共通の理想☆
・ 食い違う思考回路or方法論☆
・ 事実の時系列or場所ごとの整理
・ 重要な定性的・定量的比較
・ わかりにくい言葉の言い換え

まず、議論の整理をする上で大切なのは、それぞれの課題文で共通している議論の前提や理想を見出すことである。同じ出発点から端を発した議論であることが分かれば結論へ着地させやすいため、共通部分をまず認識することは極めて大切である。

その上で、思考回路や方法論の部分でどういう食い違いが生じているかについては整理すべきだろう。こうした論点を的確に見出すためにも、事実を時系列or場所ごとに整理したり、重要な定性的比較(数字では表せない比較)・定量的比較(数字で表せる比較)に触れたり、わかりにくい言葉については言い換えることもまた重要である。

小論文を書く上で気をつけなければならないこととしては、中学一年生が読んでも理解できるように書くことである。たとえば、各設問ごとに、課題文も問題文も何も見ていない人でも理解できるように書くように工夫すべきである。なぜなら、小論文の採点は通常複数人で行われるが、問1のみ、問2のみの採点を連続して数百ページ行ったほうが作業としては効率的であるため、前後の設問で自らが書いた解答からの引用を行っても十分理解されないケースがあるからだ。

また、大学の先生はあくまでも特定分野の専門家であり、すべての領域において学識がある人間ではないということも認識しなければならない。むしろ、特定の分野に優れた人間というのは、それ以外を切り捨てながら生きてきた可能性も否定できず、それこそそれ以外の分野については中学1年生並の習熟度であることもまた多いのが事実だ。そうした点を考えると、その分野に精通している人間であれば無意識に飛ばしてしまいそうな論理的説明も十分に書く必要があることがわかる。

また、課題文中からの引用については必ず『』など簡易な引用符を付けるようにしたほうが良い。大学の先生は自らが論文を書く立場であるため、自らが考えて書いた部分と引用により掲載した部分を明確に分けることを求める。まずは、こうした基本的な論文作法に習熟することが極めて大切である。

(2) 問題発見
・ 問題の列挙
・ 問題の細分化
・ 問題の重要度整理
・ 問題の特定☆
・ 問題の今日的意義の確認

次の問題発見パートにおいては、簡易的なピラミットストラクチャーを用いる。ピラミットストラクチャーとは主な議論テーマを最上に置き、その上で問題をいくつかに分解し、それぞれの原因を探る問題解決手法のことである。アメリカの主要な大学やコンサルティング・ファームではすでに導入されている上、慶應SFCでも2010総合などで出題実績があるが、小論文で導入するにはあまりに小論文の字数が短いため、今回は簡易的な導入に留める。

ピラミットストラクチャーを簡易的に導入する段階で、まず行うべきことは考えられる問題の列挙である。それぞれの問題が単なる言葉の言い換えになってはいけない。あくまでもそれぞれの問題は漏れがなく、ダブリがないように分類されていなければいけない。まず、漏れがないというのは、そのテーマについてだいたいの網羅性を確保しているということだ。たとえば政府についての話であれば、内政と外交というふうにテーマを分けるとだいたいの網羅性は得られる。次に、ダブリがないというのは、それぞれの問題が単なる言葉の言い換えや因果関係の過程の一部ではなく、完全に独立しているということである。

その上で、この漏れがなくダブリがないということに気をつけながら問題を細分化し、
1. 深掘りできそうな問題か? (≒自分が十分な知識を持っている問題か?)
2. 根本的な原因を潰しやすそうな解決策が思い浮かぶ問題か? (≒自分が十分な知識を持っている問題か?)
3. 重要な問題か? 解決する価値のある問題か?

の三つの観点から問題を特定にするべきである。

これらの基準は本来であれば、問題設定の基準としてはふさわしくない。問題設定というのは本来問題解決時に社会に与えるインパクトをベースに設定するものだ。だが、限られた知識量で合格に値する小論文を書くという目的の上では、やはり自分がそのテーマについて十分な記述ができるかという側面から問題設定を考えなければならない。これは社会人になってからもそうで、重要な問題はたしかに大切なのだが、それ以上に自分が力を発揮できる問題を解決することが大切な場面がままある。

また、慶應の大学院入試などでも、実際に自分の持論と逆の持論を論理的に構成することが求められる場面がある。たとえば、慶應MBAの試験においては、マクドナルド派とケンタッキー派に分かれて意見を論じ、ついでその逆の意見を論理的に構成する問題が出題された実績がある。

こうしたことを考えると、やはり書きやすいかどうかで問題設定をすべきだろう。

また、意外と見過ごしがちな事実としては、問題設定をし、原因分析をし、解決策を書いた時点ですでにその問題が解決されていたということもままある。情報の非対称性の問題で、その解決策が未だ世間一般に幅広く浸透していなかっただけで、すでにその解決策があるというケースもまた多いのだ。こうした事態を招かないために大切なのは、(1)議論の整理の「事実の時系列or場所ごとの整理」である。まずこの段階で、特に答えるべき問いが指定されていない場合は、現在より少々先に起こりうる問題を解決するような形の問題設定をすべきだ。次に、(4) 解決策の「原因Cを潰すための解決策☆(四則演算アイディア、痛し痒し、技術、データーベース、学際融合)」の部分で、まだ現実化されていないアイディアの作りこみを徹底すべきだ。

この二つの原則に沿った書き方をすれば、もうすでに解決されている問題について、問題発見・原因分析・解決策を書くということは無くなるだろう。

(3) 原因分析
・ 問題についてぱっと思いつく原因Aの設定☆
・ 原因Aの原因Bの分析☆
・ 原因Bの原因Cの分析☆
・ 原因A,B,Cにおける因果関係の確認☆
・ 因果関係の恣意性についての確認☆

まず、問題についてぱっと思いつく原因Aを設定する。この原因の着想は特定の価値観に基づく恣意的かつ例外的なものでさえなければ、何であっても構わない。原因の着想は一般的なものであればあるほどよい。

なぜなら、小論文については、書く前の仮説と、書いた後の結論は全く異なっていることそのものが書き手の成長であるからだ。おおよそ、人間は小論文を書く前からそのテーマについては何かしらの持論を持っている。そのほとんどは、以前読んだ本の受け売りであったり、自分の偏見のコレクションであることが多い。よって、まず小論文において原因分析をする際には予断を持たずに行うことが極めて大切になる。その上で、論理的に思考し、今までの偏見を打ち破り、自ら考えた論理的な原因分析と解決策をストックしてほしいものだ。

その上で、原因Aの原因B、原因Bの原因Cというふうにそれぞれの問題の原因を深く分析してほしい。この原因分析の過程にはその人の人間観が表れるが、それ自体があなたの小論文をあなただけしか書けないかけがえのないものにするので、そうした部分での人間観の表出は全く問題ない。

その上で、原因A,B,Cが因果関係があり、またその因果関係に特定の解決策に誘導する意図を持つ恣意性がなければ問題ない。

あとは、なぜなぜ分析ではなく、帰納法や演繹法で書いたほうが良いケースもある。特に経済学部・文学部・法学部のような学部の場合(つまりSFC以外の場合)はそういうケースが多い。帰納法というのは、複数の具体例から法則性を導く書き方、演繹法というのはルールがあり、具体例があり、具体例にルールを当てはめる形で結論を出す書き方である。このふたつについては覚えておいてほしい。

(4) 解決策or結果
・ 原因Cを潰すための解決策or結果(四則演算アイディア、痛し痒し、技術、データーベース、学際融合)☆
・ 解決策を実行できる抽象的な根拠or結果が成り立つ抽象的な根拠
・ 解決策を実行できる根拠たりうる具体的な事例or結果が成り立つ具体的な事例
・ 解決策を実行するために必要な資源(人的資源、資産、お金、情報、技術、データーベース)or結果が成り立つ上で必要な条件
・ 他の解決策or結果の列挙

解決策については、原因Cを潰すものという定義をここでは行う。解決策とは何ですか?と聞かれることがままあるが、解決策とは原因を潰すものである。

その上で、慶應SFCに合格するための優れた解決策の典型というのはたしかにあるので、その典型例についていくつか述べていきたい。

1. 四則演算アイディア

まず、アイディアというのは、基本的には以下の4つのうちのいずれかに分類される。そうでないものは、単なる既存の何かの言い換えにすぎないことが多い。

i. 足し算のアイディア(ex;「いちご」+「大福」≒いちご大福)
ii. 引き算のアイディア(ex;「ガラケー」−「キーボード」≒スマホ)
iii. 掛け算のアイディア(ex;「インターネット」×「携帯電話」≒スマホ)
iv. 割り算のアイディア(ex;「テナント」÷「ブース」≒ネットカフェ)

たとえば、いちご大福は、いちごと大福を合わせたものだし、スマホはガラケーからキーボードを引いたものである。他にもスマホはインターネットデバイスと携帯を掛けあわせたものであるともいえるし、ネットカフェはテナントをブースで割ったものであるともいえる。

2. 痛し痒し

次に大切なことは、そのアイディアが競争相手にとって痛し痒しで手が出さないアイディアであることだ。こうしたアイディアの特徴は「相手が今まで資産だと思っていたものが、同じアイディアを実行する上で負債に変わること」である。

たとえば、ネットビデオレンタル店に既存のビデオレンタル店が参入しようとすると、今まで持っていた店舗や店員という資産が重荷になる。なぜなら、新規参入者は店舗や店員という負担なしに、ネットビデオレンタル店の高い利益を楽しむことができるが、既存のビデオレンタル店は常に店舗や店員という固定費負担に悩まされるためである。

また、これはネット証券についても事情は同じである。既存の証券会社がネット証券に参入しようとすると、今まで持っていた店舗や店員という資産が重荷になる。ところが新規参入者はそうした重荷に悩まされずに済む。

他にも、たとえばネット家庭教師でも事情は同じである。私が毎日×10分のネット家庭教師に参入した際には、他の家庭教師会社はこの事業には参入できないだろうと考えていた。なぜなら毎日×長時間の契約を多数持っている家庭教師会社はその既得権益を失うことになるだろうと考えたためだ。

3. 技術

また、技術については、SFCの教授が書いている本や、SFCのサイト、ORFというSFCの研究発表会にも足を運び、SFCではどのような研究をしているのかを良く知ることが初歩となる。なぜSFCの研究について把握する必要があるのかというと、SFCを主語とする企画書形式小論文を書く際には、まだSFCにない技術ではなく、すでにSFCが持っている技術をベースとしたほうが書きやすいためだ。

4. データーベース

ほかにも、その解決策を実行する上で他者とくらべて有利になる側面として、データーベースが構築できるか否かがある。たとえば、宅配便のドライバーの不在通知のデーターを集め、その家の在宅時間を把握するビックデータ―や、空気清浄機や冷蔵庫からそれぞれの家庭の食品消費状況や健康状態を把握するなど、データーベースはさまざまな用途で用いることができ、かつ一度構築できると、なかなか他者が巻き返しを図ることは難しくなる。

5. 学際融合

また、SFCはある学問分野と他の学問分野の知見を融合した小論文のアイディアを書かせることが多い。こうした部分をしっかり協調して書けるかどうかが小論文が書けるかどうかの試金石になるため、あらゆる学問分野についての素養を身につけておくべきであろう。

(5) 解決策の吟味
・ 利害関係者(ex;売り手・買い手・同業・新規参入者・代替品開発者)の利害☆
・ 他の解決策との比較☆
・ 戦略的に打ち手が正しいかの検討(集中戦略・差別化戦略・囲い込み戦略)
・ 今後の課題
・ 結論の要約

解決策の吟味においてまず重要になるのは、利害関係者がそれぞれどのような反応を示すかである。利害関係者は主に、売り手・買い手・同業・新規参入者・代替品開発者の五者がおり、これを5FORCEsと言う。

例えば、公立学校制度においては、売り手は通っている学校、買い手は学校の生徒であり、同業は他の学区の公立学校、新規参入者は新しくできる学校、代替品開発者は学習塾や高卒認定試験、あるいはそれが受けられる予備校である。このように、ありとあらゆるテーマには利害関係者が存在するので、まずはそれぞれがどのような利害を持ち、あなたの解決策にどのように反応するかについて触れなければいけない。

次に、他の解決策との比較も重要になる。

また、他の解決策と比較をする場合には、その解決策を実行する主体の特性をわきまえた上で、その主体の力が弱ければ限られた範囲をターゲットにした一つの問題解決に集中させるべきだし、ある程度の力を持っているのであれば新規参入者に力を持たせないよう差別化する必要があるし、その主体の力が圧倒的であれば他の新規参入者に追いつかれないように、他の新規参入者が始めそうなことはすべてやることが大切である。

また、その後には今後の課題について軽く触れ、最後には解決策を要約して書くと良いだろう。人間は忘れやすいいきものであるから、小論文のような字数の限られたテキストで複数のことを書いてはいけない。一つのことをただ一つのことを反復していいづけることが大切である。

最終的に求められる構成はこのようになる。

【小論文の書き方テンプレート】

■ 議論の整理……課題文の内容の要約、問題を解く上で前提となる事実のまとめ

(共通の前提)……課題文中で相対しているそれぞれの論に共通する共通の前提

(議論の論点)……課題文中で異なる意見の論が食い違っている部分のまとめ(一般論vs筆者の論etc)

■ 問題発見

(問題の発見)……この小論文で答えている問題の設定

■ 原因分析……問題についての原因の分析

(原因分析A)……ぱっと思いつく原因

(原因分析B)……ぱっと思いつく原因の原因

(原因分析C)……ぱっと思いつく原因の原因の原因

※ これ以外に帰納法・演繹法を使うこともある

■ 解決策or結果……論考から導かれた解決策or結果

(Cから導かれる解決策or結果)……原因分析Cから導かれた解決策or結果

(その根拠)……その根拠となる議論

(その具体例)……その根拠を支える複数の具体例の例示

■ 解決策or結果の吟味……解決策or結果を批判し、その批判を再批判することで議論の精度を高める

(他の解決策or結果との比較)……他の解決策や結果と比較して妥当性を検証

(利害関係者検討)……誰が損して誰が得するかを考えて妥当性を検証 ※ 必要ないこともある

(最終的な解決策or結論の確認)……その結果としてどのように結果を着地させるかまとめる

小論文 第四段階 「5STEPsと結論・根拠・具体例の応用(慶應過去問100本斬り・書き直し含む)」

基本的にこの段階に入ったら、慶應義塾大学の問題を経済学部→文学部→法学部→SFC2学部(総合政策学部・環境情報学部)の順序で書いたほうが良い。これらはいずれも難易度別の順番である。東大の滑り止めで受けることが多い経済学部は小論文については一番簡単で、次に文学部、法学部と文字数・課題文の難しさが増してきて、段違いに難しいのがSFC小論文という理解である。

小論文を1日新規1本書き、書き直しについても一緒に書けば1日2本程度の小論文演習で3ヶ月少々で慶應5学部×20年分の小論文演習が終わる計算となる。

0. 小論文をどのように書くかを分ける字数制限と問題文

小論文をどのように書くかは、字数と問題文により決まる。

400字以下……基本的には結論・根拠・具体例or5STEPsの議論の整理のみ書いたほうが良い。文学部の論述問題のみ例外。
400字以上……基本的には5STEPsで書いたほうが良い。

論じよ問題(論述問題)……400字以上であれば、基本的には5STEPsで書いたほうが良い。
要約せよ、記せ、示せ問題(要約問題)……400字以上であっても、結論・根拠・具体例も複数使うか、5STEPsの議論の整理のみで書いた方が良い。

1. 解決策を求める問題と、結果を求める問題の違い

基本的には、小論文には解決策を求める問題と結果を求める問題がある。

たとえば、「〜の影響について論じなさい」という問題は、◯◯がある結果どうなるかという問題なので、最終的には結果を求める問題だ。基本的には5STEPsで書きますが構成には工夫が必要です。一方、「〜について論じなさい」という問題は、解決策を求めていることが多々有る。

それぞれの構成の違いは以下のとおりだ。

□ 解決策を求める問題の構成(5STEPsの解決策・結果の章のみ抜粋)

・ 原因Cを潰すための解決策(四則演算アイディア、痛し痒し、技術、データーベース、学際融合)☆
・ 解決策を実行できる抽象的な根拠
・ 解決策を実行できる根拠たりうる具体的な事例
・ 解決策を実行するために必要な資源(人的資源、資産、お金、情報、技術、データーベース)
・ 他の解決策の列挙

□ 結果を求める問題の構成(5STEPsの解決策・結果の章のみ抜粋)

・ 結果(四則演算アイディア、痛し痒し、技術、データーベース、学際融合)☆
・ 結果が成り立つ抽象的な根拠
・ 結果が成り立つ具体的な事例
・ 結果が成り立つ上で必要な条件
・ 他の結果の列挙

2. 議論の整理のみを用いる要約問題への対応方法

また、要約問題によっては、設問の要求などから、結論・根拠・具体例の構成では対応できず、5STEPsの議論の整理部分を用いた要約をせざるを得ないケースもある。そうした際に字数が足りないケースが多々散見されますが、こうした場合は具体例を用いて極力字数を埋めるようにするのが最も減点が少ない方法だ。

この話にかぎらず、基本的に具体例は字数が足りない時に用い、一方で字数がすでに十分ある場合には排除することが極めて重要だ。最終的には抽象的な概念をどれだけそのままで理解できるように書けるかが合否の鍵となる。

3. 5STEPsを二度にわたって使う構成への対応方法

また、1500字程度の問題の場合は

・ 議論の整理
・ 問題発見
・ 原因分析
・ 解決策
・ 問題発見
・ 原因分析
・ 解決策
・ 解決策の吟味

という形で、5STEPsを入れ子構造状に使う問題もある。

4. 5STEPsや結論・根拠・具体例を金科玉条のように守るべきか?(手紙形式や企画書形式への対応)

基本的には、手紙形式であれ企画書形式であれ惑わされずに5STEPsや結論・根拠・具体例を使うべきである。手紙形式や企画書形式など形式に惑わされて、小論文全体の論理性を失うことはあってはならない。

その上で、たとえば問題文中に、これとこれとこれを書けというような条件設定が為されている場合にも、そうした条件設定は5STEPsの中に落とし込んだほうがいい。書くべきだと言われていることを順番に書くことは厳に避けるべきである。

小論文 第五段階 「学部別対策を深める」

SFC小論文はアイディアの質で合否が決まる傾向がある。アイディアの選定基準についてはすでに触れているが、良質にアイディアを量産するにはどうすれば良いのかをここでは触れていく。

1. アイディアを出すために必要なのは知識量と知識の整理方法と場数

まず、そもそもアイディアとは先に述べたように組み合わせによって生まれる。アイディアがなにかの言い換えではない限り、アイディアはなにかとなにかを足したものか、なにかからなにかを引いたものか、なにかとなにかをかけたものか、なにかとなにかを割ったもののいずれかに収束する。

この「なにか」についての知識、つまり慶應SFC小論文に出てきそうなありとあらゆる知識をまずは増やしていくことが大切だ。その上で最も役立つのは、たとえば英語学習の長文暗誦の箇所で触れたリンガメタリカやアカデミック5冊の暗誦や、慶應小論文で過去に出題された出典本に一通り目を通し要約することである。

また、知識の整理方法を習熟する必要もあるが、これは5STEPsの演習で十分にこなすから問題ないだろう。場数については、小論文は多くの場合過去に出た問題と良く似た問題が出る傾向があるが(少なくとも慶應5学部×20年分の演習を行っていた場合)、心配がある場合は代ゼミの小論文ノートなど、過去のバックナンバーも含めれば1000本以上の小論文が掲載されている本もあるので、そうしたそういった他大学の過去問も参考にして勉強してほしい。

2. 知識を最も効率よく習得する方法は目次を用いた要約作成によるザッピング方法取得

知識を最も効率よく習得する方法は、残念ながら要約本を読むことではない。要約本は5STEPsでいうと、問題発見と解決策・結果の部分は書いてあるものの、作者がどのような思考回路からその解決策・結果を導いたかが表れる原因分析にはほとんど触れていないためだ。だが、多くの場合小論文を書く能力を高める場合には、どうするかを知ることではなく、なぜそうするかを知ることが大切になる。ノウハウではなくノウホワイを知ることが小論文の執筆力を高める第一歩となる。

そのためにおすすめしたいのが、目次を一通り書き写した上で、それぞれの論理構成を5STEPsの形に従って要約することだ。

また、こうした要約を作る際のザッピング方法についてだが

・ 最初に述べたように、課題文のタイトルと、SFCの場合は小見出しのタイトルに着目し整理する。
・ 次に、具体例の書いてある段落は無視し、抽象論のみに着目する。
・ 次に抽象論の中でも、以下の3つにのみ着目する。
i. 抽象論が書いてある段落の文頭・文末の文と、その文中の指示語が指す単語→もっとも抽象的な文章が書かれている
ii. 逆接の接続詞のすぐ後の文(しかし、などの逆接の場合)・すぐ前の文(ただし、などの補足の場合)→文章全体の主張が書かれている
iii. 接続詞そのものと、文章全体の主題となる単語が書かれている文→全体的な議論の論理的な流れを俯瞰できる
・ その上で、5STEPsに基づいて議論がどのように展開されているかを要約する

というやり方がおすすめである。このように要約すると、要約する際の漏れやダブリが無くなる。

ただ、ここまでザッピングが出来なくとも、文章に書いてあることの中で抽象的な部分を抜粋するだけでも、十分勉強にはなる。5STEPsでいうと原因分析の章のような論理的整合性が強く求められる部分については丁寧に扱っていこう。

3. 過去に出題された本を読み、他大学の小論文にも目を通し、場数を踏む

過去の出典本や他大学の小論文にも一通り目を通すことで、見たことのない問題が出てくることはほぼ無くなるだろう。事実慶應SFC2学部に関しても、過去の出題はほとんど8分野にまとめることができ、例外的なテーマが出てくる年はせいぜい全体の一割程度である。また、その一割に関しても他大学(特に特色入試が始まる前の京都大学経済学部論文入試や旧帝国大学の後期試験)などですでに出てきたテーマが扱われる事が多い。

1.教育 2014s,2008s,2007s,2005s,2013t
2.政治 2013s,2011s,2009s,2001s,2000s,1999s,1997s,1994s,
3.グローバル 2012s,2004s,2003s,
4.介護 2010s,1998s,
5.知的心構え 1995s,1993s,2010t,
6.環境 2014t
7.企画書形式 2012t,2011t,2008t,2007t,2006t,2005t,2002t,2001t,1999t
8.メディア 2009t,1998t,1997t,1996t,
9.その他 2006s,2002s,1996s,1992s,2000t

(s:総合政策学部,t:環境情報学部)

4. 知識量×知識の整理方法≒アイディア・カテゴライズの質

アイディアやカテゴライズの質は、知識量とその整理方法に依存する。知識の整理方法については、概観をすでに述べているが、実際に自ら場数を踏んで経験することがもっとも良い勉強になるだろう。またアイディアの質についても、実現可能性が高く、社会の問題解決に役立つようなアイディアは突拍子な思いつきによって生まれるものでなく、豊富な知識量と四則演算アイディアに代表されるような組み合わせ方法、そしてアイディアを選定する審美眼(その選定基準についてはここでほとんどすべて紹介した)によって生まれるものである。

よって、小論文を得意教科にするためには、知識量と知識の整理方法を学び、その上で場数を踏み、どのような出題にも怖気づかないようにすることがまずもって大切である。

小論文 学部別対策法

総合政策学部

1. 政治経済分野の出題が2年に1回の比率で出る

すでに紹介したように、政治経済分野の出題が二年に一回のペースで出てくる。

2. 学部の成立過程からわかるように、新自由主義関連の本を読むべき

もともと慶應SFCは経済学部出身の加藤寛教授によって作られた経緯があり、規制緩和などで知られる新自由主義学派の教授が多いことでも知られている。ミルトン・フリードマンの選択の自由や資本主義と自由、ハイエクの隷属への道など彼らが学生時代に特に熱心に読んだ本については一通り目を通しておいて損はない。

3. 他の頻出分野は、教育・グローバル・介護・知的心構えなど

この分野については、ひたすら本を読むしかほかないだろう。独自の解決策の立案なども難しい分野なので、その学問領域の枠内で新しいアイディアを作ろうとするのではなく、他の学問領域からもその解決策を評価できるような複眼的な視点を持てるようにあらゆる学問の入門書などを読むのが良い。

環境情報学部

1. 企画書形式の出題が2年に1回の比率で出る

環境情報学部は、近年ではほとんど企画書形式の問題となりつつあり、過去20年分を見ていても、企画書形式の出題が10年分以上出ている。

2. 学部の成立過程からわかるように、当面はIoT関連の本を読むべき

もともとはインターネットの父と言われる村井純学部長始めとした教授がいるため、インターネット関係、とくに最近のIoTについての本は読んでおいたほうが良い。またアイディアの出し方は相当習熟しないとうまくいかない事が多いので、オズボーンの創造性を活かすなどもおすすめ。

3. 他の頻出分野は、環境・メディア・知的心構えなど

環境情報学部のテーマは、ある程度政治経済の授業を受けたり、あるいは受験サプリで政治経済のセンター対策を受講すれば良い総合政策学部の問題とは違い、おそらく過去に出題された出典本を読まない限り手も足も出ないという問題が多い。毎日学習会ではそのあたりの書籍について一通りの解説を加えるが、実際はそうした解説がないとかなり厳しいだろう。

経済学部

1. 東大の滑り止め学部として、東大の現代文要約力を意識した出題

慶應経済は東大受験の際に併願して受けることが多い学部です。東大の現代文要約力を活かした出題が多く、比較的小論文の負担を少なく受けられるのが経済学部の特徴です。実際東大志望者についていうと、慶應経済の小論文対策はほとんどせずに合格したという人が多い。

ただ、私大専願の場合文章力の基礎も十分ではないケースが多いため、私大専願で慶應受験をする場合はぜひ相談してほしい。

2. 経済学・経営学の基礎的な素養があると強みに

また、課題文を読めばある程度理解できるようには書いているものの、具体化←→抽象化の訓練が十分ではない私大専願受験者にとっては少々難しい課題文が多いのもまた事実である。こうした訓練はある程度現代文に習熟すれば問題無くできるが、少々難しい場合は中澤幸夫氏の経営学・経済学の入門書を読むと良い。リンガメタリカやアカデミックと同じ構成であるため、暗誦長文集の中に加えても良いだろう。

3. 比較的問題解決型の出題が多いのも特徴

SFCがもともと経済学部の教授が分派して作ったものであるという経緯から、英語・小論文ともに傾向が似ており、奇抜な出題や問題解決型の出題も多いのが特徴である。

文学部

1. 20年間を通じて共通しているテーマは「不条理との対峙」

文学部が20年間に渡り問い続けてきたテーマは戦争や環境破壊、司法制度など数多くあり、それらにはなんら共通点がないように思える。だが、いずれのテーマに関しても本質的には、「不条理との対峙」を掲げているという点ではなんら変わることはない。

不条理という問題に直面したとき、原因分析すらできない不条理とどのように対峙に、受容し、折り合いをつけてきたかについて問いかけるのが文学部の問題であり、そうした問題を解く際には自らの論理的思考はもちろん大切だが、それ以上に課題文の読解能力が問われることになる。

2. 様々な不条理に対する理解と批判精神が必要

また、課題文を解くにあたって、さまざまな不条理の背景事情に対する理解が十分備わっていることも必要不可欠だ。その上で、現実社会に対する健全な批判精神を持ち、それを理解できることも極めて重要である。

3. 比較的結論を出したり影響を考察する出題が多いのも特徴

解決策を書く問題というのは殆ど出ず、どちらかというと結論を出したり影響を考察する問題が多いのも特徴の一つである。

法学部

1. 法学分野の出題と政治分野の出題が混在

基本的に大抵の法学分野・政治学分野については、高校範囲の政経資料集や教科書、受験サプリのセンター政経対策の授業を見れば問題なく対応できる範囲である。そもそもそういったものを見て習熟できないぐらいの興味しかないのであれば、そもそも法学部は受けるべきではないだろう。

2. 政治分野においてはリーダーシップ論が盲点に

盲点になりがちなのは、政治経済ではなぜか取り扱わないリーダーシップ論についてで、これはマキャベリの君主論を一通り読んだ上で、要約もしっかり作っておいたほうがいいだろう。さらには慶應を受ける友人がいれば、マキャベリの君主論については議論の余地がある。

3. 長い要約を経て答えるべき問いが定められた上での問題解決型問題も出題される

まず、法学部の稀有な特徴としては、1000字程度というSFC並の長文記述について、要約を400字程度行わなければならない不文律があることだ。この長さは5STEPsのバランスを考えても異常で、5STEPsの議論の整理パートを使うだけでは要約は十分ではないだろう。具体例箇所を増やすという方法もあるが、それ以上に入れ子構造型の5STEPs要約を用い、要約を行ったほうがいいかもしれない。