慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(今井むつみ研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

乳幼児に対して言葉を教える時,それが「リンゴ」「青」といった基本的な単語であっても言葉で意味を説明して教えることは難しい。子どもは単語の意味を状況の中の手がかりから自分で推測するしかない。言葉の学習において,単語の意味をもたず,状況の中の手がかりのみからことばの指示対象を同定し,その外延範囲を決定することは論理的には不可能とされている。また少数の事例から正しい意味に絞り込むのもまた論理的には不可能とされる。それにもかかわらず子供は言葉の一事例あるいは少数の限られた事例を与えられただけで,色や素材,肌理,部分の類似性を無視して形だけに注目し,即座に言葉の意味を推論していることが分かっている。しかし単語の意味は個別の単語のみでは確定できない。例えば「赤」の意味を知るためには,「ピンク」「紫」「オレンジ」といった隣接する単語を知り,それぞれと「赤」がどこで境界を持つかを知る必要がある。言葉の学習はシステムの学習であるといえる。しかし,言葉の学習においては,システム習得のプロセスを度外視して,その全体像もわからないまま,要素を学習しながらボトムアップにシステムを構築していかなければならないのである(*1)

 

■ 問題発見・・・ 

では,乳幼児は言葉の意味をどう捉えて言葉を学習しているだろうのか。

 

■ 論証・・・ 

それは,貴学環境情報学部の今井むつみ教授による,子どもの色名の使い分けがどのように進むかという研究において,3歳の子どもではすでに基礎語のほとんどを知っているが,それぞれの単語の境界の整理はされておらず,隣接色間での色名の過剰汎用をしていること,および,色名の範囲の習得は5歳にかけて緩やかに進み,その過程においての過剰汎用は知覚的な類似に制約されていることが明らかとされた(*1)。つまり子どもは個別の色名1つ1つの境界を同じように探るのではなく,まずは抽象的なレベルで色の区別を行い,新しい単語を学習すると,その新しい単語と既知の単語との境界の再調整を行うのではないかと考えられる。

 

■ 結論・・・ 

そこで私は,隣接する単語がもっとたくさんある単語の意味領域において,子どもはどのように同じ意味領域に属する類似語の意味を整理し,正しい意味を学んでいくのかを探りたいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・ 

上述の研究を遂行するため,貴学SFCに入学し,言語の学習メカニズムを研究している今井むつみ研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 今井むつみ,佐治伸郎,浅野倫子,大石みどり,岡田浩之.“記号の意味はシステムの中で生まれる”,人工知能学会全国大会論文集,pp.1-4, 2015

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