慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(安宅和人研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

今日メディアで話題にされるAI(人工知能)とは,言語処理能力や学習能力を発動するアルゴリズムを高速演算環境に実装したうえで膨大なデータや経験値を読み込ませることにより仕事ができるようにした,特定用途向けの自動化プログラムに過ぎない。近年,けた違いの情報識別力が備わり,暗黙知の取り込みも可能となった。ピカソの絵を数十枚読み込ませるとピカソが描いたような絵を創作することもできるなど,今までの機械知性では不可能だったことが可能となった。そこで,メディアがAIのコア技術を正しく理解することなく「AI失業時代の到来」などとセンセーショナルなセンテンスで大衆の危機感を煽った結果,不毛な「AI脅威論」が生まれることとなった。

 

■ 問題発見・・・ 

しかし,AIが意思をもつわけでも,知覚が生まれているわけでもない。AIは生命体のように「意味」を理解することができない。これはAIの機械学習と生命体による学習との根本的な違いに由来する。機械学習は,期待されるアウトプットに合わせてモデルの中のパラメータを設定する,アウトプット駆動型である。一方,生命体による学習はアウトプットとは無関係に進む。課題解決プロセスの自動化にはほど遠い。AIは課題のコンテクストを理解できないばかりか,課題解決に必要な問いを発することもできない。それは,機械が「意味を理解しない」からである。

 

■ 論証・・・ 

AIについての最も愚かな誤解は,AIに主体的な実体や意思があるとの思い込みである。AIは何らかの情報処理プロセスや判断プロセスを自動化したものに他ならない。AIには感覚自体がない。主体もなければ,意思もない。人間には不可能なレベルの識別力や暗黙知的な取り込みができることは驚きであるが,AIは単なる技術であり,問題はどう使いこなすかにある。技術革新の本質として何が起きているかを正しく理解することが何よりも重要である(*1)

 

■ 結論・・・ 

そこで,貴学環境情報学部で人工知能が社会にもたらす影響を専門に研究している安宅和人教授に師事し,AIの可能性と限界についての正しい理解を社会に広めるとともに,AIの社会的利用性について研究を深めたいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・ 

貴学の安宅和人教授は,数々の公職にも就き,脳,経営,データをまたいだこれまでの経験を活かし,AI×データ時代における人材育成や産業革新に幅広く関与している。この研究環境にて上述の研究を進めるために,SFCに入学し,安宅和人研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 安宅和人,チェン,ドミニク,山口高平,山本勲.“人工知能(AI)との共生 人間の仕事はどう変化していくのか”,情報管理, Vol.60, No.12, pp.865-881, 2018

 

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