慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(大堀壽夫研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

言語学研究は,チョムスキー(Noam Chomsky)が提唱した生成文法理論(generative grammer)によって一気に加速した。これに対し,認知言語学(cognitive linguistics)は,生成文法理論に対するアンチテーゼとして登場した学派で,認知(cognition)を外的世界の内的解釈と意味づけ,人間の認知能力から言語現象を体系的に記述し説明する立場をとる(*1)。「言語は認知の産物である」という考えを拠り所に「認知的動機づけ」を探求する認知言語学に対し,生成文法理論は表現型を意味から切り離し,記号論的な文構成メカニズムを探求する点に大きな違いがある。

 

■ 問題発見・・・ 

認知言語学では,「外的世界」(客観的な世界)と「内的世界」(人間が認知した世界)の二元論を前提として,言語を人間による外的世界の認識を反映したものと捉える。ここで認知言語学派に対する本質的な疑問は,どうして「人間が言語を操って生きるこの世界」が「客観的な世界」ではなく,「認知によって構成された世界」だといえるのか,という素朴な問いである。

 

■ 論証・・・ 

人間の認識から独立した「客観的な世界」をいつ誰が見たのか。人間の認識が及ばない世界と人間の認識した世界をいつ誰がどうやって比べたのか。物理学的には,認知言語学派が「客観的な世界」と称するものも,実は人間が捉えた世界に過ぎないのである。人間には,認知能力を超えた客観的な世界(外的世界)を捉えることはできない。なぜなら,人間が捉えたその瞬間に,人間が捉えた内的世界となってしまうからである。つまり,科学的に記述された世界でさえ,科学的に捉えられた世界にすぎない。人間が認知能力によって外的世界を捉え,言語によって内的世界を作り上げるという,認知言語学派が前提とする二元論は,そもそも成立しない(*3)。それゆえ,「言語は認知の産物である」という認知言語学派のテーゼは再考せねばならないのである。

 

■ 結論・・・ 

そこで,認知言語学を専門とする貴学環境情報学部の大堀壽夫教授に師事し,認知言語学派が拠り所とする二元論の矛盾を解くことで認知言語学の出発点を再構築してみたいと考えている。さらに,今日の認知言語学が説明し得ない問いについても私論を試みたい。

 

■ 結論の吟味・・・ 

貴学の大堀壽夫教授は,認知言語学研究の第一人者であり,ユニークな分析視角での研究実績も豊富である(*2)。それゆえ,大堀壽夫研究会が上述の研究に最適の研究環境であると考え,貴学SFCに入学し大堀壽夫研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 最新心理学事典.平凡社.2013

(*2) 大堀壽夫.『認知言語学』,東京大学出版会, 2002

(*3) 酒井智宏.“認知言語学と哲学 ―言語は誰の何に対する認識の反映か―”,言語研究, Vol.144, pp.55-81, 2013

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