慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(厳網林研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

GIS(地理情報システムGeographic Information System)は,地理的位置を手がかりにして,位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を統合的に加工し可視化して,コンピュータ上に視覚的に表示することで高度な分析を可能にする技術体系である。情報の可視化,関係性の把握,統合・分析に強みを発揮する。GISを高度に活用するためには,国策による地理空間情報の整備を総合的かつ計画的に推進することが必須である。地理空間情報とは,空間上の特定の地点・区域の位置情報と,それに関連付けられた様々な事象に関する情報をいう。地理空間情報には,当該地域における災害状況,経済活動など特定テーマについての状態を表現する土地利用図,地質図,ハザードマップ等の主題図,都市計画図,地形図,地名情報,統計情報,空中写真,衛星画像など,実に多様な情報がある。地理空間情報は,位置情報をキーとして異なるデータ(状態量)を重ね合わせることで分析に供することから,整備されるデータにおいては位置情報の整合性が重要となる(*1)

 

■ 問題発見・・・ 

ここで,医療費高騰対策の一環としてGISによる地理的分析手法を保健医療に利用する新たな試みを検討してみたい。

 

■ 論証・・・ 

日本人の死因でガンに次いで2番目に多い心疾患は,死亡率分布が地域偏在性を示す。たとえば,厚労省による死因調査(2015年時点)によれば,市区町村別の標準化死亡率を人口1万人以上の市区町村で比較したところ,同一県内の死亡率格差は男女とも岐阜県が最も高く,男性で8.04倍,女性で10.89倍にのぼった(データは2008年からの2012年までの5年間)。都道府県別の標準化死亡率では,男性で最も高い福島県(34.7人)と最も低い熊本県(8.6人)で4.03倍,女性で最も高い福島県(15.5人)と最も低い秋田県(3.1人)で5.00倍の格差が認められた。都道府県間だけでなく,同一県内における市区町村間の死亡率格差解消に向けた高度な分析と対策が求められる。

 

■ 結論・・・ 

そこで,GISを利用した地理的要因の研究を専門とする貴学環境情報学部の厳網林准教授に師事し,GISによる実証的分析を通じて強い地域偏在性を示す心臓疾患の罹患リスク要因について研究を深めたいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・ 

貴学の厳網林教授は,GISを利用した地理的分析研究の第一人者であり,GISによる地域特性分析の研究実績も豊富である(*2)~(*4)。それゆえ,厳網林研究会が上述の研究に最適の研究環境であると考え,貴学SFCに入学し,厳網林研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 国土交通省国土地理院 < http://www.gsi.go.jp/GIS/whatisgis.html >

(*2) 厳網林,三上岳彦.“ランドサット熱画像による輝度温度と地上気温との関係の分析”,地学雑誌, Vol.111, No.5, pp.695-710, 2002

(*3) 厳網林,三上岳彦.“ランドサット熱画像による熱画像による都市ヒートアイランド強度の試算と評価”,地学雑誌, Vol.113, No.4, pp.482-494, 2004

(*4) 厳網林.“衛星熱画像とGISによる地域の温度特性の景観生態的分析”,地理情報システム学会講演論文集, Vol.14, pp.177-180, 2005

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