慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(ロドニー・バンミーター研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

従来型コンピュータが「0」か「1」のどちらかの状態をとる論理素子(bit)を利用して計算を行うのに対し,量子コンピュータは,量子力学的ルールを計算原理に利用し,「0」と「1」の共存を許容する量子ビット(qubit)を操作して並列処理することで計算を行う。たとえば10個の量子ビット(10 qubit)があれば,210 = 1024通りの重ね合わせ状態を作り出せる。量子コンピュータによる計算高速化が実証されているのは,従来型コンピュータでは効率良く解く事ができない素因数分解,量子力学を考慮しないと計算できない化学物質・材料シミュレーションなどである。ある特定の問題を解くことにおいて,量子コンピュータが従来型コンピュータを上回ることを「量子加速」と呼ぶ。これは最速ハードウェアを使用した両コンピュータに,それぞれ最適なアルゴリズムを走らせて同じ問題を解かせた時,量子コンピュータの方が速くなることを指す。一方,「量子超越性」とは,量子コンピュータが得意な問題を解いた時に,従来型コンピュータを計算速度で上回ることをいう(*1)。現在各企業が競って開発している量子コンピュータは量子超越性にとどまり,量子加速には至っていない。量子加速が実証されれば,qubit数の増加と共に指数的に量子コンピュータが速くなることが期待できる。

 

■ 問題発見・・・ 

ここで,量子コンピュータ実用化に向けての技術課題について整理してみたい(*1)

 

■ 論証・・・ 

量子コンピュータは環境の影響で重ね合わせの状態が崩れやすいため,「量子もつれ」を維持するのが難しい。これは,途中で計算が誤っていても検知することなく計算を続けて誤った答えを出す可能性があることを意味する。これを解決するために量子コンピュータにも従来型コンピュータと同様に「量子誤り訂正」が提案されているが,実装難度が高く,未だに1 qubitの誤り訂正すら実現できていない(*2)

 

■ 結論・・・ 

そこで,量子コンピュータの実用化に向けて量子ネットワークのアーキテクチャを研究している貴学環境情報学部のロドニー・バンミーター教授に師事し,量子誤り耐性のある量子コンピュータの実現に向けて課題となる誤り訂正機能の実装法について研究したいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・ 

貴学のロドニー・バンミーター研究会は,わが国ににおいて量子ネットワークをデザインできる数少ない研究組織である。上述の研究を進めるうえで最適な研究環境であるとの確信のもと,貴学SFCに入学しロドニー・バンミーター研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) Preskill, John. “Quantum Computing in the NISQ era and beyond”, Quantum, Vol.2, No.79, 2018

(*2) Aliferis, Panos., Preskill, John. “Fault-tolerant quantum computation against biased noise”, Physical Review A, Vol.78, No.5, 2008

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