慶應義塾大学SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(黒田裕樹研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

ゲノム解析に見られるように,いまや生命科学はデータサイエンスに変貌しつつある。それにあわせて,生命は分子を部品とする複雑な機械であるとする「分子機械論」も広く浸透している。網羅的かつ定量的なバイオデータを基とした数理モデルの構築(モデリング)とシミュレーションによりさまざまな生命現象を解明する研究(*1)や,薬効・毒性の予測をシミュレーションする研究(*2)もある。ゲノム解析技術の急伸とその成果は,まず測定可能なものをすべて測定し尽くしてデータ化したうえで,それを基にして有益な知見を見出そうとする新たな研究アプローチを生みだした(*1)。しかしながら,未だに分子レベルで未解明の生命現象も現存している。特に,発生生物学はモデリングとシミュレーションの手法が及ばない研究領域のひとつである。それは,数理モデルを構築するのに必要な,受精プロセスや細胞分裂の機序が解明されていないためである。

 

■ 問題発見・・・ 

例えば,一卵性双生児の発生率は1/250であり,人種性,家族性,外的要因による差異はないとされるが,一卵性双生児が発生する成因は未だに不明である。

 

■ 論証・・・ 

発生生物学的には,一卵性双生児は発生極初期の段階で1つの受精卵が多胚化することで発生するが,受精卵が多胚化するメカニズムが解明されていないのである。しかし,そこに「確率」が介在するということは,かならずそこにはなんらかの機序が存在することを意味する。人智がまだその真因に及んでいないのである。ならば,しかるべく,生物学の王道に従って「未解明な生命現象は直接生物に聞く」ことにより,受精卵が多胚化する機序を明らかにしたい。

 

■ 結論・・・ 

そこで,発生生物学を専門とする貴学環境情報学部の黒田裕樹准教授に師事し,生物そのものと向き合いながら自ら手を動かすWet研究を通じてこの未解明現象を紐解き,分子レベルで一卵性双生児が発生するメカニズムを解明したいと考える。

 

■ 結論の吟味・・・ 

黒田裕樹准教授は,世界でもトップ10に入る胚操作技術(*3)を誇る,日本を代表する発生生物学者であり,これまでも数々の輝かしい業績を残している(*4)。上述の受精卵多胚化の機序解明に迫るためには,黒田裕樹准教授のもとで修行を積み,胚操作の技法を身につけることが必要だと考える。したがって,私は貴学SFCへの入学,および黒田裕樹研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 内藤泰宏.“生命を計算して理解する”,KEIO SFC JOURNAL,Vol.13, No.2,pp.49-60, 2013

(*2) 内藤泰宏.“細胞・組織シミュレーションの現状:薬効・毒性の予測にむけて”,ファルマシア,Vol.44, No.9,pp.885-889, 2008

(*3) 黒田裕樹.kerolab.jp < http://kerolab.jp/frame_R/info.htm >

(*4) 黒田裕樹.kerolab.jp < http://kerolab.jp/frame_R/info_lab.htm >

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