慶應義塾大学SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(清水唯一朗研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

今日のわが国の国政選挙は,政局を安定させるための選挙区制と少数政党の民意を反映させるための比例代表制を併用した選挙方式を採用している。これは,それぞれの制度の欠点を補う選挙制度とも言えるが,一方で与野党間の交渉で妥協の末に生まれた制度であるという見方もある。現在日本の選挙では有権者数と議員定数との比較が選挙ごとに不均衡で1票の価値に格差が生じており,法の下の平等や平等選挙の原則に反する。しかも,地域における1票の価値が都市部で低く,地方で高い傾向があり,政策が地方優遇になりがちであることも問題である。この対策の一つとして参議院議員選挙で合区が生まれたが,合区制度は特定の地域の代表者がいなくなるという矛盾をはらんでおり,地元を中心に反対の声が強く上がっている。

 

■ 問題発見・・・ 

では,現行の選挙制度はどう検討され,どのように作られたのか。

 

■ 論証・・・ 

日本の選挙制度の創始と経路をたどると,憲法はドイツ(プロイセン)を,議会制度はイギリスをそれぞれ規範としていたのに対して,選挙制度は特定のモデルを持たずに広く各国の制度を渉猟し,明治前期当時の日本の状況に応じる形で作られた。当時,他国の例をきわめて広範囲に参照しながら慎重に制度設計にあたっている。特に,選挙の正当性を守るために,「選挙の自由」を確保する一方で,不正には厳しく目を光らせていた。政府部内はもちろん,制度設計者たちのあいだにも捉え方の相違があり,その議論の産物として生まれる選挙制度,議会政治に多様な評価があるために,為政者たちの意図を忖度して選挙管理者が暴挙に出ることを何より恐れ,規定を厳格にしたのである。しかしながら,選挙区は民主主義を規定する「制度の一部」であるにもかかわらず,選挙法を定めた枢密院の審議では選挙区の詳細を定めた別表は審議されなかった。むしろそれを決めたのは,長く自由民権運動と向き合ってきた地方長官たちであった(*1)。この「意味と影響」は,中央と地方,代議制と民主主義を考えるうえで見過ごすことができない論点である。

 

■ 結論・・・ 

そこで,当時の選挙法下で地方長官らが選挙区を定めたことの「意味と影響」について,深く掘り下げて研究したいと考える。

 

■ 結論の吟味・・・ 

上述の研究を遂行するため,貴学SFCに入学し,日本政治史やオーラルヒストリーを活用した研究をしている貴学総合政策学部の清水唯一朗教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 清水唯一朗.“日本の選挙制度 その創始と経路”,選挙研究, Vol.29, No.2, pp.5-19, 2013

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