慶應義塾大学SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(森さち子研究会向け)

■ 議論の整理・・・ 

遊戯療法は子どもに対して行なわれる心理療法の包括的な名称である。大人の場合,心理療法はふつう言葉を主たる媒体として行なわれるが,子どもの場合,言葉を通じて自分の内的な状態を表現することが困難であり,セラピストが伝えようとする言葉の意味を正確に理解できるとは限らない為,遊びを主たる媒体として行なわれることが一般的である。このように子どもの「遊戯療法」と「心理療法」は,ほぼ同義であると言ってもよい。しかし,遊戯療法に関する理論的な研究は,必ずしも十分ではなく,特に遊戯療法がなぜ治療的な効果をもたらすのか,遊びを用いることがなぜ心理的治癒に結びついていくのかについては,ほとんど説明がなされていないのが実情である。

 

■ 問題発見・・・ 

それでは,子どもの遊戯療法には,どのような特性があるのだろうか。

 

■ 論証・・・ 

遊戯療法の治療構造の特性として二つの点が挙げられる(*1)。一つは遊戯状況それ自体の葛藤性であり,それは自由な開放性と現実的拘束の両面が治療構造に備わっているということてである。つまり,子どもは一方で自由な遊びの選択を許され何でも好きなことをする自由を与えられるが,もう一方で母親から離れて未知の人物と二人でいることを指示され,また一定の時間プレイルームにいることを要求される。もう一つは,子ども自身の治療に平行して行われる並行母親面接と子どもそのものの治療との相互関係,すなわち家族をも治療環境に包含する治療構造である。これには難しい面もあり,子どもが治療を受けることで,親の感情,罪悪感などが治療の妨げとなることもあるため,慎重に考慮して行うべきである。例えば,子どもが3歳未満の乳児の場合,母と子を一組として一人の治療者が担当する合同面接の方が効果的であるし,他の治療者の十分な協力が得られない場合は,やむなく子どもと親に一人の治療者が別々に対応する継時面接とならざるをえないこともある。子どもが前思春期にある場合は,別々の治療者が対応する並行母親面接が望ましいということもある。

 

■ 結論・・・ 

そこで,注意欠陥多動性の子どもに対する遊戯療法について研究したいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・ 

上述の研究を進めるため,貴学SFCに入学し,子どもの心理療法や精神分析学について数多くの研究実績がある森さち子教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 森さち子.“遊戯療法の技法をめぐる一考察 治療構造論的視点に基づいて”,慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要, Vol.32, pp.53-60, 1991

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