慶応義塾大学 文学部 総合考査Ⅰ 2017年 小論文 解答例

次の文章は、吉見俊哉『「文系学部廃止」の衝撃』の一部です。これを読んで、以下の設問に答えなさい。

【設問1】

傍線部(1)に「文系が「役に立つ」のは、多くの場合、この後者の意味においてです」とありますが、それはなぜですか。筆者の主張に基づいて説明しなさい。(240字以上、300字以内)

■ 答案構成

議論の整理→ 「役に立つ」には目的遂行型と価値創造型の2種類がある

論証→ 目的遂行型は理系の知、価値創造型は文系の知が適している

解決策or結論→ 文系の知は価値創造型で「役に立つ」

【回答】

議論の整理→ 「役に立つ」には目的遂行型と価値創造型の2種類がある

「役に立つ」ということには2つの次元があり、一つ目は目的が既に設定されていて、その目的を達成するために最も優れた方法を見つけていくという目的遂行型の「役に立つ」です。二つ目は「役に立つ」ための価値や目的自体を創造する価値創造型の「役に立つ」です。

論証→ 目的遂行型は理系の知、価値創造型は文系の知が適している

前者の目的遂行型は目に見える結果を必要とするので、どちらかと言うと、理系的な知が得意とする領域で、文系は苦手です。文系的な知では、それを用いて目的や価値の軸を発見するのに適しています。

解決策or結論→ 文系の知は価値創造型で「役に立つ」

そのため、文系の知は価値創造型の場合に「役に立つ」と言えるのです。

 

【設問2】

傍線部(2)に「「文系=教養」という誤解」とありますが、「文系」と「教養」はどのように異なるか、筆者の主張に基づいて説明しなさい。(240字以上、300字以内)

■ 答案構成

議論の整理→ 文系=教養という誤解が生じている

論証→ 文系には教養知だけでなく専門知がある

解決策or結論→ 教養は文系の一部を構成している要素

【回答】

議論の整理→ 文系=教養という誤解が生じている

「文系=教養教育」、「理系=専門教育」という二項対立で物事が理解されていることがありますが、文系は幅広い教養を身に付けるためだけのものではなく、こうした誤解が生じているのは大きな問題となっています。

論証→ 文系には教養知だけでなく専門知がある

文系科目は、教養知だけでなく専門知によっても成り立っています。例えば、文系科目である法学や政治学、社会学といった科目はそれぞれ深い専門知であり、決して幅広い教養知ではありません。これは理系科目でも同様であり、文系も理系もそれぞれ教養知と専門知の部分を持っているのです。

解決策or結論→ 教養は文系の一部を構成している要素

つまり、教養はあくまでも、文系の一部を構成している構成要素であり、同一視できるものではありません。

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