慶應義塾大学 FIT入試第2次選考 法学部政治学科 2009年ディスカッション 解答例

2009年度FIT入試第2次選考概要(政治学科)

3.グループ討論の概要 •テーマ:『「社会で働く」ということの意味について』

       『(身近な視点から)地球温暖化について』

      *グループ討論の順番によって上記テーマのどちらかが指定される。

  • 司会者の有無:教員が司会役を務めるが、進行とタイムキーピングのみを行い、受験生の自由な議論にまかせる。
  • 討論時間:60分

4.発表と質疑応答の概要 •発表と質疑応答時間の配分:各15分程度、合計30分

*自分がこれまで行ってきた活動や入学後の目標と構想を自由に表現する。

※グループ討論と発表と質疑応答の順番:午後のグループ討論と発表と質疑応答は、受験生によって順番が異なる。

■想定される議論(その1)『「社会で働く」ということの意味について』

「社会で働く」ということの意味について、議論をしていきましょう。

《「社会で働く」とは何か?》

まず、「社会で働く」ということがどういうことなのかについて考えましょう。「社会で働く」ということを考えるわけですから、議論の前提となっていることは、「現在は社会に出て働いていない」ということになります。そして、「働く」ということは、「有用な仕事を行って給料をもらい、自分の力で生計を立てていく」という意味かと思います。

ただ、ここで一点考えるとすると、「有用な仕事を行って給料をもらい、自分の力で生計を立てていく」ことが「働く」ということであるのであれば、別に学生の身分であっても自力で生計を立てている人はいるのではないか、ということです。そのように考えると、どのような身分で「働く」のかということは重要な論点ではなく、「働くとは何か?」ということが重要な論点であることになります。

「働く」とは、「仕事をする」という意味です。ただ、その目的は千差万別だと思われます。人によっては、「自分の目標を達成するために働く」「お金をもらうためだけに働いている」「趣味の延長線上として、人生を楽しむために働く」という人も一定の割合でいるだろうと思います。そのため、何を目的として働いているのかという問いに対しては、一人一人の仕事観が反映された形でそれぞれにとっての仕事の意義についての回答が戻ってくるはずです。

《「社会で働く」ことは必要か?》

それでは、社会の中で私達はそもそも働く必要があるのでしょうか?いくつかの視点から分析ができます。まず、私達が明日、全員一斉に働くことをやめたらどのようになるでしょうか?確実に言えることは、文明活動そのものがすべてストップします。全員働かなくなれば、日本国内だけでも電車も動かなければ病院で診療することもできず、(発電所がすぐに動かなくなれば)電気も各家庭に流れない生活に逆戻りするということです。そのため、まず言えることは、「文明生活を維持するうえでは、社会で働くことは必要だ」ということがわかります。ここまで考えると、私達が個別に仕事に対する意欲が湧かなくなって、働くことが必要かどうかを判断しかねるときに、「自分の役に立たない仕事であっても社会を支える力になっているのだ」ということを考える心の余裕が出てくるのかもしれません。詰まるところ、「社会で働くことの意味」を考えるときというのは、仕事に対する意欲が湧かなくなり、自分が何をしたらよいのかわからなくなっているときだということができます。こういったときは、単に「働く」ということがどういうことか、楽しいことなのか、つらいことなのかを考えるのではなく、「自分の人生で何を成し遂げたいか」から逆算して、どんな仕事をすべきか(つらい仕事であってもどんな仕事なら耐えられるか)を考える方がよいのではないかと考えられます。

まとめ

「社会で働く」ということは、「社会の中で、有用な仕事を行って給料をもらい、自力で生計を立てていく」ことであると考えられる。全員が社会で働くことをやめてしまえば、文明生活が維持できなくなるため、文明生活を維持するためには働くことは必要です。ただ、「社会で働くことの意味」を考え直さなければいけないときというのは、「自分の人生で何を成し遂げたいか」から逆算して、どんな仕事をすべきかを検討し直すことが大事といえる。

■想定される議論(その2)「(身近な視点から)地球温暖化について」

それでは、「(身近な視点から)地球温暖化について」を議論してみましょう。

《「地球温暖化」とは何か?》

まず、議論の前提となるのは、地球温暖化とは何かという点です。地球温暖化というものは、人類の文明が進歩・発展していく中で輩出される量が増えてきた二酸化炭素が温室効果ガスとなって、大気中で熱を貯め込む作用をし、地球全体の大気が温められて、地球の気候が温暖化していく現象を指します。この温暖化は、二酸化炭素の排出量を制限することによって防止することができるというのが現在主流となっている学説です。

《「地球温暖化」は防ぐことができるか?》

それでは、「地球温暖化」は本当に二酸化炭素の排出量を制限することで防止できるのでしょうか?

これには諸説があります。一説では、そもそも「地球温暖化」という仮説自体に誤りがあるのではないか、という説も存在します。特に、日本ではほとんど報道さえもされませんでしたが、地球温暖化について権威ある研究所が地球温暖化についての研究データを意図的に改ざんしていたということで、英米系のニュースメディアでは、地球温暖化説というものが疑問視されているという事実があります。さらに、50年ほど前の地球の気候研究によれば、全く逆の学説が予想されていたこともあります。それは、「地球寒冷化」説です。このまま地球の気候が変動していけば、地球の大気が寒冷化するのではないかということが一昔前に言われていた学説です。そのため、地球温暖化という仮説を認めない立場に立てば、「そもそも地球温暖化の仮説には誤りがあるので、地球温暖化の対策は不要だ」という主張になります。

逆に、「地球温暖化」の仮説が正しいとする立場からは、「パリ協定等の国際的な枠組みを利用して二酸化炭素の排出を抑制することで、将来的に温暖化を防ぐことはできるはずだ」という主張になります。この立場からは、身近な生活レベルでの二酸化炭素の排出抑制運動(例えば、冷蔵庫の開け閉め回数をいままでよりも減らすなど)が必要とされます。ただ、地球温暖化についての議論の最も根本的な論点は、地球温暖化説自体が正しい学説であるかどうかという点に集約されることを忘れてはならないと考えます。

まとめ

正しい学説であると紹介されている「地球温暖化」現象が世界的にみて正しい学説とは限らないと認識されていることから出発して、議論を組み立てると正反対の結論が出ることを概観した。身近な視点から二酸化炭素の排出量の抑制も必要と考えるが、地球温暖化の学説も未だ仮説の段階であることを理解しておく必要があると考えます。

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