慶應義塾大学 FIT入試第2次選考 法学部法律学科 2008年グループ討論 解答例

2008年度FIT入試第二次試験概要(法律学科)

3.グループ討論の概要 •テーマ:自転車と歩行者・自動車の共存、「個性」と「協調性」

  *グループ討論の順番によって上記テーマのどちらかが指定される。

  • 司会者の有無:教員が司会役を務めるが、進行とタイムキーピングのみを行い、受験生の自由な議論にまかせる。
  • 討論時間:60分

4.発表と質疑応答の概要 •発表と質疑応答時間の配分:各15分程度、合計30分

 *自分がこれまで行ってきた活動や入学後の目標と構想を自由に表現する。

■想定される議論(その1)「自転車と歩行者・自動車の共存」

自転車と歩行者・自動車の共存について議論しましょう。

《自転車と歩行者・自動車が共存しにくい理由》

自転車と歩行者・自動車の交通上の共存について議論します。そもそもの問題として、「自転車は歩行者にとっても自動車にとっても危なく、共存しにくい」という意見があります。

そもそも自転車とは、道路交通法上は、「軽車両」として認識される乗り物で、歩行者とは区別されています。しかし、実際の道路での利用方法は歩道を走ったり、車道を走ったりして、歩行者と自動車の双方に危害を加える危険性を感じさせながら利用されているのが実際の状況です。たとえば、自転車が、歩道を歩行者にぶつかりそうになりながら走行したり、夜間に無灯火走行をしたりして、自動車・歩行者と自転車の接触事故を起こす危険が常に存在していると考えられます。こういった理由により、自転車と歩行者・自動車は道路等で共存して利用すること自体に危険が伴うため、実際の利用方法の面から共存しにくいということがいえます。

《自転車と歩行者・自動車を共存させるには?》

それでは、自転車を歩行者・自動車にとって安全に利用してもらうためにはどのような方法があり得るでしょうか?

まず、自動車との共存については、夜間の無灯火走行や、視界不良の際の自転車と周囲の見分けのつきにくさによって、自転車との接触事故を未然に防ぐ方策が必要です。具体的には、危険な自転車の運転をするものが自動車の運転手の立場を理解できない学生であることに着目し、学校での交通安全講習を開催するといったことがありえます。また、夜間に自転車に自動車のヘッドライトが当たった際に反射板等によって自転車の位置が明確になるようなグッズを自転車に取りつけることを推奨する、傘を持ちながらの片手運転を取り締まる、自転車運転中の両耳でのイヤホン利用を控えるなどの「自転車利用上のマナーの徹底」が必要です。また、歩行車との共存については、自転車の歩道での走行方法で歩行者に配慮する、見通しの悪い十字路等では自動車と同様に一時停車する、人通りの多い歩道では車道に自転車専用通路を設置するなどといった方策によって歩行者の安全確保に努めることが必要だと考えられます。将来的には自動車・歩行者が自転車に接触する前に、自動車運転が自動制御されるような自動運転技術の開発などが望まれます。

なお、努力義務のみでは実行性がないという意見に対しては、繰り返し自転車利用によって歩行者や自動車への迷惑行為が絶えない場合、防犯登録シールに利用者情報の情報を書き込んだICチップを仕込み、防犯登録番号等によって具体的な法律的罰則を科すという方法も検討の余地があります。

まとめ

以上より、「自転車と歩行者・自動車の共存」のためには、学校での交通安全講習開催などにより、歩行者・自動車に対する「自転車利用上のマナーの徹底」が必要です。その上で、自転車運転上の迷惑行為については、防犯登録システムを活用した罰則規定の新設、や技術開発による事故の未然防止システムの導入といった施策が考えられます。

■想定される議論(その2)『「個性」と「協調性」』

『「個性」と「協調性」』について議論しましょう。

《「個性」、「協調性」とは何か?》

一般的には、「個性」と「協調性」とは対立しがちな人間の性格と理解されています。それは、「個性」という考え方の定義の中に、「協調性がないこと」という定義が一部含まれているためです。しかし、実際には、そのようなことがいえるのでしょうか?

いうまでもなく、「個性」とは、「ある人間特有の考え方や性格」といった意味です。そのため、「個性がない(薄い)」という言葉の中には、「その人固有の考え方の独自性が薄い」「個人としての意見表明をあまりしない」という意味が含まれていることが多いといえます。一方、「協調性」という言葉は、「人間同士で意見の違いが生まれたときにどのくらい譲り合って相手とうまく意見調整するか」や、「集団の中にいる個々人が集団全体の意見をバラバラにせずに維持する力」といった使われ方をすることが多いといえます。

確かに、個性が強く、個人としての意見が強い人は、確かに意見の違いが生まれたときに、自分の意見を所属集団の中で主張することによって、集団全体の意見をバラバラにしがちであるという経験則は存在するように思います。しかし、「個性」「協調性」の双方の言葉の意味を考えると、実は、「個性」と「協調性」は必ずしも対立するような考え方ではなく、別々の考え方であるということも可能です。というのは、個性が強く、その人特有の考え方や性格が前面にでてくる人であっても、協調性を発揮して個々人の所属集団の意見をバラバラにせずに維持すること自体は不可能ではないからです。

《「個性」と「協調性」を発揮するには?》

それでは、「個性」と「協調性」の双方を発揮する方法は、どういったものがあるのでしょうか?

そのカギは、「リーダーシップ」という第3の視点にあるものと考えます。独自性の強い個性を発揮する個人が主体となって、所属する集団全体の意見の違いをまとめ上げようとするとき、「個性の強い個人が矛盾すると考えられがちの『協調性』を集団の内部で発揮する」という状況が生まれます。その状況は、一般的には「リーダーシップを発揮している」状況とほぼ変わらないと言えるわけです。つまり、個性の強い個人が『協調性』を発揮して集団をまとめ上げきった場合は、その個人はその集団の中で「リーダー」として認められたということと同義であるわけです。そういったことを考えると、「個性」と「協調性」という言葉は、対立する考え方ではなくて、集団を導くリーダーが持っておくべき2つの能力であるという見方も可能になるのではないでしょうか。

まとめ

相矛盾する考え方だと理解されがちな「個性」と「協調性」は、所属集団の中でリーダーシップを発揮し、その集団のリーダーとなりえたとき、双方の特質を発揮しながら、集団をまとめ上げていく力の源泉になると理解してよいのではないかと思われます。

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