AO入試対策 (5) 面接対策・ディベート対策

・ AO・推薦面接でこそ真の論理性が試される

 次は、いよいよAO入試の本丸である面接対策・ディベート対策についてお話したいと思います。

 なぜ、AO入試において、面接対策・ディベート対策こそが本丸といえるのか、その理由は明確で面接・ディベートはAO対策塾の講師による代筆ができず、本当に本人の実力を持ってして突破しなければならない、まさにAO入試の本丸だからです。ここを切り崩すには、どうあがいても受験生自身が真の論理性を持つことが大切になります。

・ AO・推薦面接ウケがいい人はセンスがあるだけなのか?

 では、真の論理性とはなんなのでしょうか? よく、「面接受けが良い」と言われる人がいますが、彼らはセンスが良いだけなのでしょうか? 私はそうではないと考えています。

 面接やディベートで評価が高い人材の特性として、

1. 聞かれたことにしっかり答えている

2. 自分の意見を手短に話すことができている

3. 1.2.を守った上で相手との掛け合いが生じている

 という特性があります。専門用語でいうとこうした議論の仕方を「ラポールが形成されている」といいます。

 とかく面接やディベートでは、自信のなさからか、自分の話したいことだけを長々と話す人が多いのですが、これは典型的な落ちる面接対策の代表例です。自分の話したいことを長々と話すことがなぜいけないのかをこの三項目に沿って話すと、まず1.については長々と話すことによって相手から聞かれたこと、相手の意見に対して的外れな返答をしてしまうことが多々あります。2.については言うまでもありませんし、3.についても自分の意見を長々というのであれば掛け合いなど生じようがないでしょう。

 このように考えるとこの三項目がいかに大切かがよくわかるはずです。

・ AO・推薦面接対策の王道としてのMBAクリティカル・シンキング(コミュニケーション編)

 つまり、まず大前提として相手の問いかけ・相手の意見をある程度妥当に読み取れる能力が必要です。これは慶應SFCのようにある程度自分の関心分野に寄せて書くことができる学部では楽なことですが、その一方で例えば慶應法学部や中央大学法学部のように、かなり狭い範囲での知識をベースとして、そこを深掘りするような形で議論が進む学部ではなかなか難しい部分もあるのが実情です。

 こうした学部を対策する際に必要な考え方としては、まず古典的でよく知られたその分野に関する専門書を読むことです。そういった本を進めると、その解説本やマンガ本を読み始める教え子様がいますがそれではいけません。あくまでも古典的でよく知られたその分野に関する専門書を読むことにこだわってください。法学部であれば、法律学部は芦部憲法、政治学はマキャベリの君主論でほとんどのテーマはカバーできます。まず苦労しても意味がわからなくても、一通り通読してみて、その後に解説本やマンガを助けにするような読み方であれば問題ないと思います。

 まず、私がなぜしきりに特定学部を受ける際にその分野の古典を読むことを薦めているかというと、そうした本にはロジカルシンキングがあるからです。ロジカルシンキングというのはつまり、AだからB、BだからC、よってAだからCという形で論理の飛躍が少ない議論が展開されているということです。これは、芦部憲法にしてもマキャベリの君主論にしても古典的な原著には書いてありますが、解説本やマンガには論理を負う形では書かれていません。ですから、まず原著に当たることが大事です。

 その上で、それぞれで展開されている議論がどのようにロジカルシンキングなのかを知る必要があります。そのためにおすすめの本としては、グロービスの「MBAクリティカル・シンキング」や東大の野矢先生の「論理力トレーニング」があります。これらに書かれている、ピラミットストラクチャーや論証図を使って整理するだけで、いわゆる古典的な本がいかに精緻な論理に基づいて作られているかがよくわかるはずです。

 また、こうしたロジカルシンキングに慣れ親しむことができるようになった段階でグロービスの「MBAクリティカル・シンキング(コミュニケーション編)」をぜひ読んでみてください。こちらを読むことによって、まず古典の読解で培った論理的思考力を面接でも使える形でさらに成長させることができます。古典的な文章の読解に優れている人がよく行いがちな自分が知っていることを一方的にまくしたてるような話し方を避けるには、この本を読んだ上でプロと練習を重ねることが重要です。毎日学習会では無料で10日間の体験指導を行っておりますので、ぜひそちらをご利用いただければ幸いです。

・ 早慶上智のAO・推薦面接対策は高校(特に公立高校)の先生ではほぼ不可能

 まあ、ここで言うべきことかどうかはわかりませんが、こうした早慶上智のAO・推薦面接対策は高校(特に公立高校)の先生ではほぼ不可能です。指導を受けてもピントがずれており役に立たないどころか有害というケースがほとんどですので、高校、特に公立高校の先生には指導を頼まないことが大切です。

 そもそも、早慶上智のAO・推薦対策は【そうした大学・学部に】【AO入試で】【多数の】合格者を出したことがある講師でなければ担当できないものです。なぜなら、それぞれの大学・学部がアドミッション・ポリシーで打ち出している特性が、AOの倍率が高い難関校・難関大学であればあるほど強く、そのためそれに対応するための想定質疑応答にも高い想定力が必要とされるからです。

 もし、あなたの学校で一人か二人、早慶上智のAOに合格した人がいたとしても、それはあなたの学校の指導が優れいていることを証明しはしません。インターネットで全国全世界からプロの指導が受けられる今日、その実績が学校の先生によるものなのかを判断することは誰にもできませんし、そもそも傾向の違う学部だったり、その生徒が自分とは違う特性(内申、英語資格、その他実績)の持ち主であればほとんど役に立たない経験記録です。ですから、高校の先生に早慶上智のAO・推薦面接の対策を頼むのは辞めましょう。いいことがないです。

・ クリティカル・シンキングが求められる大学と、ノー・シンキングが求められる高校(特に公立高校)との違い

 そもそも、大学はクリティカル・シンキング(批判的思考)が求められる場所です。一方、高校はノー・シンキング(無思考)が求められる場所です。これらは、それぞれの教育機関に求められる特性を考えれば仕方のないことです。高校では、諸分野の基礎的な知識を身に付けることが大事です。とにかくそれらを無批判にどんどん吸収することが大切になります。一方で、大学では、今までの先行研究を批判的に検証し、学問の新しい進歩を築いていく必要があります。こうした役割の違いを考えると、高校がノー・シンキングが求められる場所であることは特段批判すべきことではありません。

 しかし、ことノー・シンキングに慣れきった高校の先生に早慶上智AOの面接対策を頼むことは、一部の首都圏の私立進学校で早慶に数十人~数百人単位の合格者を出している例を除いては辞めたほうがよいです。たいていは的外れなことをいわれて、試験に対してネガティブな影響を与えることになります。

・ 早慶上智のAO・推薦面接対策で大切なことは高校(特に公立高校)の先生の言うことをすべて無視すること

 早慶上智のAO・推薦面接対策でとにかく大切なことは、高校(特に公立高校)の先生が言うことはすべて無視することです。これ以上に大切なことはありません。参考にすべき意見は一つにしましょう。AO入試で大切なのは、参考にすべき意見が妥当かどうかよりも、それに増して、参考にする意見を一つにすることです。なぜなら、参考にする意見が複数あれば、かならず面接の中で方針に矛盾が出てきます。この矛盾こそが、大学の先生方に突っ込まれ、あなたの合格を台無しにする最も悪しき障害なのです。ですから、AO入試については、学校の先生から反対される、なんの協力もしてもらえないぐらいの状況がむしろ好機であり、高校の先生方に積極的にAO入試に協力されると困るのです。調査書は私達が弁護士を紹介してなんとしても出させますから、学校の先生に協力・助言を仰ぐのは辞めましょう。

・ AO・推薦面接の質疑応答集作りに意味はあるのか?

 また、AO・推薦面接において想定質疑応答集作りは有効かについてもご意見をいただくことが多いのですが、私は大いに作るべきだという立場です。お守り程度にはなるでしょうし、自分が話すべきことを文章にまとめると頭が整理されて良いからです。

 ただ、一方で想定質疑応答集には結局の所その程度の効用しかありません。結局のところ、面接を突破するタイプというのは付け焼き刃の対策でうまくいっているのではなく、少なくともその分野の知識においては、多くの受験生を遥かにしのぐどころか、志望大学・学部でも随一を誇るほどのもので、言葉が自然と溢れ出してくるような、そういう受験生が最終的には合格を勝ち取っています。

 ですから、やはり大事なのは、その分野の古典的な本には最低限触れて、その論理を論証図やピラミットストラクチャーにまとめて味わいつくすこと、そしてその本の周辺分野の本も読み、少なくとも面接やディベートで聞かれうることに関しては、会場にいる、それどころか大学にいる誰よりも精通しているという状況を作ることが大切です。

・ 大切なことは訓練された同じクリティカル・シンキングができるトレーナーとの猛烈な反復訓練

 そのためには何が必要なのか考えると、ひとつにはクリティカル・シンキングができるトレーナーと猛烈な反復訓練をすることが大切です。それができるかどうかが結局のところ鍵になります。

 クリティカル・シンキングはあなた・トレーナー・大学教授の三者の共通言語です。知識が豊富なことも大切ですが、それ以上にその知識に基づいて批判的に思考し、すばやく言葉をつないでいく、ラポールをつないでいくことが面接やディベートではなによりも大切です。この文章のノウハウを使って、違和感なく、自分の考えていることを、相手との意思疎通が通じていることを実感しながらやり取りし、面接やディベートを楽しんでいただければと思っています。

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