上智大学 文学部 国文学科 編入学試験 2018年 小論文 解答例

■ 設問

①の問題文(略)を踏まえたうえで,自身の体験などの具体例を挙げながら,日本語にとって「敬語」とは何か,600字から800字で意見を述べよ。

 

■ 答案構成

議論の整理→ 日本語の中の敬語

問題発見→ 日本語にとって敬語とは何か

論証→ 変化する社会の中での敬語

解決策or結論→ 敬語が表す響きと思い

解決策or結論の吟味→ 敬語が消えたのではない

 

■ 答案

議論の整理→ 日本語の中の敬語

作者は,日本語における敬語は特に重要な特権的位置を占めており,日本語のもっとも内奥の機構に根ざしていると述べている。それは日本社会が上下的,直接的二項関係の連鎖,集合から構成されていることから,その社会に属することは敬語を駆使するのと全く同じことであるというのである。

問題発見→ 日本語にとって敬語とは何か

では近代言語体系において,日本語にとって敬語とは何であろうか。

論証→ 変化する社会の中での敬語

敬語研究が盛んに行われた明治二十年から末年の頃は,今よりももっと分かりやすい形で,家族という小さな集団であっても家長を敬い,年上を大切にする風潮が強かった。学校や職場などの社会においても上下関係がはっきりとしていた。こうした環境の中では,当然敬語を駆使して言葉を繋いでいくことは子供の頃から身体に染み付き,社会全体もそれが日常となっていた。しかし近代になると,社会での上下的関係も薄れてきた。家庭で親や目上の人間に対して敬語を使う子どもは少なくなり,学校ですら教師に対し友だちのように話しかける生徒も多くいる。言葉を受ける側もそれを良しとする人間が多いことを思うと,日本語教育が大きな変化を遂げているといえよう。

解決策or結論→ 敬語が表す響きと思い

つまり,私たちが日常的に使う日本語から文法的な敬語の響きは少なくなっているのである。しかし,日本語の中の敬語とは単なる言葉の響きではない。それは言葉を発する時の他者への思いなのである。

解決策or結論の吟味→ 敬語が消えたのではない

すなわち,日本語において敬語という響きが失われつつある一方,敬語が消失しているのではなく,形を変えつつも大切な位置を占め続けているのである。

 

作者は,日本語における敬語は特に重要な特権的位置を占めており,日本語のもっとも内奥の機構に根ざしていると述べている。それは日本社会が上下的,直接的二項関係の連鎖,集合から構成されていることから,その社会に属することは敬語を駆使するのと全く同じことであるというのである。

では近代言語体系において,日本語にとって敬語とは何であろうか。

敬語研究が盛んに行われた明治二十年から末年の頃は,今よりももっと分かりやすい形で,家族という小さな集団であっても家長を敬い,年上を大切にする風潮が強かった。学校や職場などの社会においても上下関係がはっきりとしていた。こうした環境の中では,当然敬語を駆使して言葉を繋いでいくことは子供の頃から身体に染み付き,社会全体もそれが日常となっていた。しかし近代になると,社会での上下的関係も薄れてきた。家庭で親や目上の人間に対して敬語を使う子どもは少なくなり,学校ですら教師に対し友だちのように話しかける生徒も多くいる。言葉を受ける側もそれを良しとする人間が多いことを思うと,日本語教育が大きな変化を遂げているといえよう。

つまり,私たちが日常的に使う日本語から文法的な敬語の響きは少なくなっているのである。しかし,日本語の中の敬語とは単なる言葉の響きではない。それは言葉を発する時の他者への思いなのである。

すなわち,日本語において敬語という響きが失われつつある一方,敬語が消失しているのではなく,形を変えつつも大切な位置を占め続けているのである。(633字)

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