上智大学 総合人間科学部 特別入試 志望理由書 提出例(松田修ゼミ向け)

■ 議論の整理
高齢化社会の到来により、介護の制度の仕組み整備は緊急の課題となっている。それに加え、高齢者の自立生活を支援し、要介護状態に移行させないための取り組みの1つとして、心身の機能を低下させないための介護予防の取り組みも積極的に行われるようになった。

■ 問題発見
では、人はどのように老いを受け入れていくのか。老いは人生の発達段階において自然なことである。しかし、社会ではアンチ・エイジングの発想に見られるような老いに対する心理的抵抗感や、老いを若さやそれに伴う特権の喪失という見方も根強く、人が老いを受け入れて次のステージに進むことを難しくする一要因となっている。「老いの受け入れか抵抗か」といった二元論的な視点が危険なのは、近年話題になった高齢者の免許返納問題に見られるように、老いの自覚が遅れることで、取り返しのつかない事故の原因にもなりかねないところである。問題は、「老いの受け入れか抵抗か」ではなく、高齢期へのスムーズな移行を助けるための心理的支援をいかに行うかという点にある。

■ 論証
老いと向き合う対処尺度を作成し、活動能力や主観的幸福感の測定と分析を行った松田教授の研究によると、自分らしい生活を送ろうとしている人は、老いと向き合う対処得点が有意に高いという結果が導かれたという※。ライフスタイルや老い方には個人差があるからこそ、こういった指標があることで高齢者やその家族が自分を客観的に俯瞰することが可能になると考える。こうした指標の内容の妥当性を検証していくとともに、支援員などの専門家だけではなく、当事者や家族が使える心理支援のツールとして整備していくことが重要である。

■ 結論
そのために、以下の研究を進めたい。
1 老年期のストレスやメンタルリスクが高くなる要因とその解消の手立てについて、日本と海外の状況や先行研究を比較する。
2 有効な高齢者の心理支援のあり方について仮説を立て、定量的調査と分析を行う。
3 検証に基づいて、老いと向き合うための心理支援のツールを作成する。

■ 結論の吟味
私の学習目的にとって、グローバルに開かれた貴学の学習環境は最適であるという確信の元、老年期心理学の専門家である松田修教授に師事し学ぶことを強く希望する。

木村紗矢香 松田修(20005) 老いと向き合う対処尺度の作成と検討 東京学芸大学紀要1部門 56 pp.173~178

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