上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科 編入学試験 2017年 小論文 解答例

■ 設問

以下の「ともに生きる社会かながわ憲章」を読んで,次の問題1,問題2の質問に答えなさい。(各解答は,それぞれ800字以内です。解答用紙のはじめに問題の番号を書くこと。)

問題1. この憲章を実現するために活用できる現在の政策と実践について,説明しなさい。

問題2. この憲章を実現するための具体的な政策や実践について,あなたの意見を述べなさい。

 

平成28年7月26日,障害者支援施設である県立「津久井やまゆり園」において19人が死亡し,27人が負傷するという,大変痛ましい事件が発生しました。

この事件は,障がい者に対する偏見や差別的思考から引き起こされたと伝えられ,障がい者やそのご家族のみならず,多くの方々に,言いようもない衝撃と不安を与えました。

私たちは,これまでも「ともに生きる社会かながわ」の実現をめざしてきました。

そうした中でこのような事件が発生したことは,大きな悲しみであり,強い怒りを感じています。

このような事件が二度と繰り返されないよう,私たちはこの悲しみを力に,断固とした決意をもって,ともに生きる社会の実現をめざし,ここに「ともに生きる社会かながわ憲章」を定めます。

一 私たちは,あたたかい心をもって,すべての人のいのちを大切にします

一 私たちは,誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します

一 私たちは,障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁,いかなる偏見や差別も排除します

一 私たちは,この憲章の実現に向けて,県民総ぐるみで取り組みます 

平成28年10月14日 神奈川県

 

問題1.

■ 答案構成

議論の整理→ 障がい者の自立のための法整備

問題発見→ 法改正で何が改善されたか

論証→ 支援サービスの充実と新しいサービス展開

解決策or結論→ 障がい者の自立

解決策or結論の吟味→ 障がい福祉サービスの質向上

 

■ 答案

議論の整理→障がい者の自立のための法整備

かながわ憲章を実現するためには,まず障がい者が出来るだけ自立した生活ができる環境と仕組みが必要であると考える。そのためには,それを支援する法律や支援体制が重要である。政府の取り組みとして,平成18年には障害者自立支援法が施行され,平成25年には障害者総合支援法に改題された。これにより,社会福祉サービスがさらに受けやすい環境が整ったといえる。

問題発見→法改正で何が改善されたか

それでは,この法改正によってどこが改善され,どの程度サービスが受けやすくなったのだろうか。

論証→支援サービスの充実と新しいサービス展開

まず,障がい者が住み慣れた地域で可能な限りの支援サービスを受けることができ,社会参加できる機会を確保するなどの基本理念をはっきり明記し方向性を示した他,障がい者の定義を拡大することで,難病指定された人もサービスが受けられるよう改善された。また障害程度区分を改め,障がいのある人の生活環境なども踏まえながら,どのような支援がどの程度まで必要かを測る障害支援区分を導入することで,必要なところに必要なサービスを行き渡らせることができるよう思料されている。その他にも,重度訪問介護の対象者を拡大したことで,行動障害がある人でも一人暮らしができるという選択肢が増えた。その後の平成30年に施行された改正では,自立生活援助や就労定着支援など,障がい者が一般社会に入って生活するための細やかな支援として,訪問,電話,メールなどを介して環境変化への対応を支援する新サービスなども盛り込まれた。

解決策or結論→障がい者の自立

このように,様々な介護・支援サービスを利用しながら,障がい者が社会に取り残されることなく生活することや,それができる環境を作ることに重点が置かれているといえよう。

結論の吟味→障がい福祉サービスの質向上

実際に障がい福祉サービスを提供する施設や事業所は,質的向上のため,それぞれの都道府県知事にサービス内容などを報告し公表する仕組みも作られるなど,利用者が選択しやすいような工夫も施されている。

 

かながわ憲章を実現するためには,まず障がい者が出来るだけ自立した生活ができる環境と仕組みが必要であると考える。そのためには,それを支援する法律や支援体制が重要である。政府の取り組みとして,平成18年には障害者自立支援法が施行され,平成25年には障害者総合支援法に改題された。これにより,社会福祉サービスがさらに受けやすい環境が整ったといえる。

それでは,この法改正によってどこが改善され,どの程度サービスが受けやすくなったのだろうか。

まず,障がい者が住み慣れた地域で可能な限りの支援サービスを受けることができ,社会参加できる機会を確保するなどの基本理念をはっきり明記し方向性を示した他,障がい者の定義を拡大することで,難病指定された人もサービスが受けられるよう改善された。また障害程度区分を改め,障がいのある人の生活環境なども踏まえながら,どのような支援がどの程度まで必要かを測る障害支援区分を導入することで,必要なところに必要なサービスを行き渡らせることができるよう思料されている。その他にも,重度訪問介護の対象者を拡大したことで,行動障害がある人でも一人暮らしができるという選択肢が増えた。その後の平成30年に施行された改正では,自立生活援助や就労定着支援など,障がい者が一般社会に入って生活するための細やかな支援として,訪問,電話,メールなどを介して環境変化への対応を支援する新サービスなども盛り込まれた。

このように,様々な介護・支援サービスを利用しながら,障がい者が社会に取り残されることなく生活することや,それができる環境を作ることに重点が置かれているといえよう。

実際に障がい福祉サービスを提供する施設や事業所は,質的向上のため,それぞれの都道府県知事にサービス内容などを報告し公表する仕組みも作られるなど,利用者が選択しやすいような工夫も施されている。(778字)

 

 

問題2.

■ 答案構成

議論の整理→ かながわ憲章の意義

問題発見→ ともに生きるために必要なこと

論証→ 共生を考えるきっかけを作る

解決策or結論→ 人を知ること,接し方を知ること

解決策or結論の吟味→ 子どもの時の経験

 

■ 答案

議論の整理→ かながわ憲章の意義

平成28年神奈川県の障がい者支援施設において46人が殺傷されるという痛ましい事件(「津久井やまゆり園事件」)が起きた。これをきっかけとして「ともに生きる社会」の実現を目指し,かながわ憲章が制定された。そして,この憲章を実現すべく,障がい者と健常者が触れ合うための数々のイベントが計画,実施されている。

問題発見→ ともに生きるために必要なこと

では,障がい者と健常者が差別や偏見なく,同じ社会でともに生きるために必要なことは何だろうか。

論証→ 共生を考えるきっかけを作る

まず障がい者に対する正しい理解が必要不可欠である。「津久井やまゆり園事件」においても,犯人の障がい者に対する偏見や差別的思考が事件の引き金になったと報じられた。無知から派生する差別や偏見の醸成を回避する社会的工夫が求められる。障がい者と健常者が触れ合う機会を意図的に設けることも,その実効策となる。たとえば,毎年神奈川県では,共生の理念を広める目的で「みんなあつまれ」というイベントが開かれている。これは,スポーツ,アート,グルメを媒体として,障がい者と健常者が同じ空間を共有し,触れ合い,理解を深めることを狙ったイベントである。パラスポーツを一緒に体験したり,障がいのあるアート作家によるワークショップが開かれたり,障がい福祉施設の事業者によるお菓子やパンの販売が行われたりと,健常者と障がい者が顔を合わせて話しながら一緒に時を過ごす空間の創生に役立っている。

解決策or結論→ 人を知ること,接し方を知ること

このように,まずは実際に障がい者の存在を身近に感じ,障がいを持つ方々への理解を深めることが重要である。実際に一緒に作業したり,楽しい時間を過ごしたりすることで,互いに人を知り,接し方を知ること。これが共生を考える良いきっかけとなるに違いない。

解決策or結論の吟味→ 子どもの時の経験

そしてできるならば,子どもの頃からこういったイベントに参加する機会を増やすことで,障がい者への偏見や差別意識をもたせない社会教育を実践していくことも重要であろう。

 

平成28年神奈川県の障がい者支援施設において46人が殺傷されるという痛ましい事件(「津久井やまゆり園事件」)が起きた。これをきっかけとして「ともに生きる社会」の実現を目指し,かながわ憲章が制定された。そして,この憲章を実現すべく,障がい者と健常者が触れ合うための数々のイベントが計画,実施されている。

では,障がい者と健常者が差別や偏見なく,同じ社会でともに生きるために必要なことは何だろうか。

まず障がい者に対する正しい理解が必要不可欠である。「津久井やまゆり園事件」においても,犯人の障がい者に対する偏見や差別的思考が事件の引き金になったと報じられた。無知から派生する差別や偏見の醸成を回避する社会的工夫が求められる。障がい者と健常者が触れ合う機会を意図的に設けることも,その実効策となる。たとえば,毎年神奈川県では,共生の理念を広める目的で「みんなあつまれ」というイベントが開かれている。これは,スポーツ,アート,グルメを媒体として,障がい者と健常者が同じ空間を共有し,触れ合い,理解を深めることを狙ったイベントである。パラスポーツを一緒に体験したり,障がいのあるアート作家によるワークショップが開かれたり,障がい福祉施設の事業者によるお菓子やパンの販売が行われたりと,健常者と障がい者が顔を合わせて話しながら一緒に時を過ごす空間の創生に役立っている。

このように,まずは実際に障がい者の存在を身近に感じ,障がいを持つ方々への理解を深めることが重要である。実際に一緒に作業したり,楽しい時間を過ごしたりすることで,互いに人を知り,接し方を知ること。これが共生を考える良いきっかけとなるに違いない。

そしてできるならば,子どもの頃からこういったイベントに参加する機会を増やすことで,障がい者への偏見や差別意識をもたせない社会教育を実践していくことも重要であろう。(776字)

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