上智大学 総合人間科学部 看護学科 2018年 小論文 解答例

■設問

医師が「失敗して膿胸になったり気管支痩を起こしたりする確率が五パーセント以内」、「難しい手術ではない」と言っているにも関わらず、作者が手術を決心するまでに、数か月の日時ともっと違った援助が必要であった理由について本文を踏まえて説明し、あなたはどのような援助が必要だと思うか800字以内で説明しなさい。

◇議論の整理

共通の前提
:作者は、自身が手術の見聞豊かであったことが、自身の手術に対する心の拒絶反応を生んだといっている。最先端医療が整った現代において、昔は命を落とした手術であり、失敗する可能性は著しく低下したとはいえ、施術の決断に長い時間を要している。

議論の論点
:作者の長い闘病歴からくる手術の失敗例の見聞だけが、手術に対する心の拒絶反応を生んだ要因なのだろうか。

◇問題発見

:心の拒絶反応は誰の心にも宿ることを前提としたケアが必要なのではないだろうか。

◇論証

論証方法:演繹法
(仮説)

心の拒絶反応は、後日襲ってくるものであり、日ごとに増大するのではないだろうか。後日ケアが必要なケアなのではないだろうか。

(仮説を裏付ける具体例)

実際の病院でも看護師による施術前カウンセリングが実施されている。

◇結論

患者の誰でも駆け込みたくなるような、心の拒絶反応を解消する場の提供こそ、病院に求められている援助である。

◇解決策の吟味

利害関係者検討
:もし不安を抱かない患者がいたとして

検証結果
:施術が近づくにつれ、心の拒絶反応は芽生え、増大する可能性は高い。

(解答):

作者は、自身が手術の見聞豊かであったことが、自身の手術に対する心の拒絶反応を生んだといっている。最先端医療が整った現代において、昔は命を落とした手術であり、失敗する可能性は著しく低下したとはいえ、施術の決断に長い時間を要している。

しかし、作者の長い闘病歴からくる手術の失敗例の見聞だけが、手術に対する心の拒絶反応を生んだ要因なのだろうか。闘病歴なく、突然の病名宣告を受け、手術に挑まなければならない患者の心の中には、「もし自分が失敗の確率の中に入ってしまったら」という恐怖は芽生えないのだろうか。心の拒絶反応は誰の心にも宿ることを前提としたケアが必要なのではないだろうか。

心の拒絶反応は、一般的に、病名宣告を受けたときはショッキングで考えられるものではなく、また、作者のように自信に満ちた医師から心強く説得をされると、その直後は恐怖心や安堵感から心の拒絶反応は芽生えにくい。実際に心の拒絶反応が生じるのは、医師から手術の説明を受けた後日、患者が冷静さと落ち着きを取り戻した後からじわじわと増大すると思われる。後日訪れる心の不安に向き合い、寄り添うケアこそ、施術を控えている患者に必要な援助と考える。

実際に、国内外問わず、患者の施術が決まってから施術までの期間に看護師が主体となり、患者の不安や恐怖心を吐露してもらう場を複数回設けることで、患者の心の中にある拒絶反応を緩和させる取り組みを行っている病院も多くある。

これらの病院の取り組みはまさに、日ごと膨らむ心の拒絶反応の緩衝として、患者の施術の促進や健康回復への貢献に欠かせない取り組みである。

もし不安を抱かない患者がいたとしても、そのあるタイミングの時のみかもしれない。施術が近づくにつれ、心の拒絶反応は芽生え、増大する可能性はある。患者の誰でも駆け込みたくなるような、心の拒絶反応を解消する場の提供こそ、病院に求められている援助であると考える。

(以上。 解答文字数799文字)

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