上智大学 外国語学部 ドイツ語学科 公募制推薦入試 2018年 小論文 解答例

設問

本文の最後の段落に、「・・・新事象が、・・・「中世」を招き寄せている」とあり、しかもそれを「大いなる逆説」としています。21世紀現在生じている何らかの現象をとりあげて、「中世を招き寄せている」という論調で、その現象を説明してください(800字)。

議論の整理→本文の内容の確認

21世紀はインターネットによるグローバル化が起こり、時間や距離にかかわらず他者と交流をすることが可能となった時代である。

問題発見→課題文の求める内容に対し問いを設定

そこでここでは、国や民族といった概念が曖昧になった現代において、逆説的に「国」や「民族」に固執する流れが起きていることを説明したい。

論証→ドイツの移民受け入れと現在の社会

ドイツでは1970年代からトルコ人をはじめとする移民を受け入れており、現在では移民3世や4世を含めると人口の23%ほどが外国人背景を持っている。彼らの多くはドイツ語でドイツの教育を受け、ドイツ社会で普通に生活をしているが、他方で社会に溶け込めない移民も一定数存在する。彼らは語学力が低いため学歴も低く、結果として職業の選択肢も少なくなってしまうことが多い。そして一部の移民は、自らのアイデンティティを確立するために原理的な宗教へ傾倒したり、イスラム国とのつながりが疑われる事態となっている。同時にドイツ人側でも移民や難民受け入れに対して反発が起き、AfDといった極右政権が議席を増やしてしまった。

解決策or結論→依拠できる価値観がないため中世に逆行

このように、多くの民族が移動し互いに混ざり合って経済や社会を形成しているからこそ、依拠する価値観がないため、一部の人間は宗教や民族性にすがってアイデンティティを求めようとしている。そしてこれこそが、本文で筆者が述べている「中世」への逆行であるといえる。つまり「中世」とは、国民国家が存在せず、社会の全体の方向を示すものがないなか、民族集団などの小さい単位で固まっていた時代を指すと考えられる。国民国家という存在への信頼を失った現代の人間は、宗教や民族に改めて価値を認めようとしているのであり、これこそ「中世を招き寄せている」事態だといえる。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する

科学技術が発展し、様々な境界線が薄れた現代だからこそ、世界各国でイスラム国や極右政権が台頭している事態は、まさに筆者が憂いた状態であるといえるだろう。(762文字)

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