上智大学 文学部 哲学科 公募制推薦入試 2016年 小論文 解答例

設問
このカリクレスの見解に対して、あなたならなんと答えるか。あなたの考えを述べなさい(600~800文字)

議論の整理→カリクレスの議論の要点
カリクレスはソクラテスに対し、大人になって哲学にうつつを抜かしている人間は「一個の男子たる値打ちがな」い存在だと批判している。

問題発見→カリクレスにどう答えるか?
この発言の前提には「哲学は実社会に対して何の利益もない」というカリクレスの考え方が潜んでいるが、果たして彼になんと答えるべきであろうか。

論証→大学の文系学部削減と文系学部の意義
2015年、文部科学省は国立大学に対して、人文社会科学系の学部を削減するように要請した。人文社会科学系の学部には文学部だけではなく経済学部や法学部も含まれており、日本学術会議や経団連も批判コメントを出すなど、多く議論された。この人文学部の削減の理由の一つが、より短期間で効率的に「成果」を出すことができる理系に予算を拡充するためであった。それでは文系の学問は、カリクレスが哲学を批判したように「価値がない」のだろうか。私はそうは思わない。なぜならば、理系と文系の学問には目的に違いがあり、それぞれの学問が社会発展のために必要だと考えるからだ。ある特定の目的を設定し、それに対して効率的に向かう手段を考える学問が理系であるとすると、目的自体を検討し設定するのが文系の学問だと考えるからだ。マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』以降議論されてきたように、文系の学問は、長い歴史や議論の積み重ねを経てきたことで、既存の価値観を破り、そこから抜け出す創造的な力を人々に与えることができる。

解決策or結論→人間が進むべき方向性を示すのが文系の学問、哲学
社会がこれから先、目指すべき未来の方向性を示すことができるのは文系の学問であり、だからこそ文系の学問の重要性は非常に大きい。そして哲学も、人間が生きる目的や価値観を問い直すという点で、まさに同様の価値を持っていると考えることができる。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する
哲学を通じて既存の考えを批判し、新しい価値観や規範を創造することが可能となるのである。そのため、哲学が実社会に対して与える影響は長期的に見て見過ごせないものであり、必須であるといえるだろう。(795文字)

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