上智大学 総合人間学部 社会福祉学科 公募制推薦入試 2017年 小論文 解答例

設問
1.このような社会状況を変えるための方策について論じなさい(800字以内)。

議論の整理→課題文の整理
課題文では、日本社会の変質:社会的格差が「世襲・再生産」されることが述べられている。たとえば、自民党員数は91年をピークに減少をした。その原因としては、グローバル化や情報化、民営化によって自民党の支持基盤であった町内会・自治会・商店会・郵便局・農業団体の弱体化・高齢化が挙げられる。それに伴い自民党の支持基盤が不安定化したため、旧来基盤を持っている世襲議のみ強くなり、結果として首相の世襲化が現れた。また、教育格差や所得格差も拡大・世襲されるようになった。子供に教育を受けさせるのに十分な所得のない家庭もあり、生活に不安を抱える国民もいる。しかし政府は医療費負担を家族の在宅介護に転嫁するなど、目先の財政負担削減を行い、公的援助を充実させてこなかった。その大きな理由はヴィジョンの不在である。それにより社会的格差が「世襲・再生産」されるようになってしまった。

問題発見→世襲化される社会を変えるには?
このような社会を変えるには何が必要だろうか。

論証→人々の認識の枠組み
まずは、一部の特権階級や高所得者のみに利益をもたらすことは日本社会全体にとって大きな問題である、という共通認識をもつことが重要だと考える。世襲議員や高所得者の間で資源が循環する一方で、少子化がすすみ医療費は増大し、介護離職率も高くなっている。その結果として、日本全体の経済成長にとってもマイナスに働く要因となってしまっている。だが果たして、どの程度の国民が社会の問題を我が事として考えているだろうか。日々の暮らしで精一杯で、自分とは直接関係がないと思うことはないだろうか。まさにそのような他人事思考こそが、格差の世襲や再生産に繋がってしまっていると考える。

解決策or結論→問題意識をもって議論をすることが大切
小熊の述べるように、メディアやNGO、知識人の責務は大きいが、同時に国民が等しく社会の問題に関心をもち、問題意識をもって選挙権を行使したり、議論をすることも重要であろう。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する
意見を積極的に交わすことができる場を醸成することが、喫緊の課題である。(796文字)

2.「制度横断的な議論」とはどのような議論ですか。考えられることを述べなさい(400字以内)。

議論の整理→定義の確認
問題文で言及されている「制度横断的な議論」とは年金、医療、介護、子育ての制度別に議論がされていることを示している。

問題発見→格差が世襲される社会設計ではないか?
結果として根本的に社会の再設計が行われるような改革にはならず、家族や社会に負担を転嫁する政策となり、格差の再生産や世襲化が引き起こされている。

論証→ビジョンの不足をおぎなう政策とは
これらの問題の原因は、小熊が述べているようにビジョンが不足していることであるといえる。目先の財政負担を軽減するためには、個別の政策を場当たり的に行うのではなく、横断的な政策を行うことが必要であろう。

解決策or結論→ビジョンを描く必要性
たとえば介護費の削減が検討される場合、まずはどのような社会を十年後、数十年後にビジョンとして描くかを具体化する必要がある。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する
それによって介護職員の離職率の増加がどの程度懸念されるのか、女性が介護職員として働きやすい制度をどのように作るかということを同時並行的に検討するべきであり、持続的に社会が発展していけるような施策を議論することが重要である。(399文字)

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