上智大学 総合人間科学部 教育学科 公募制推薦入試 2016年 小論文 解答例

設問

(1)課題文の内容を著者の主張に即してまとめる(600文字)
著者は、社会においてマナーが果たす役割の重要性を示しつつ、現代社会におけるマナーは「セケン」が縮小したことで、過度な無関心と過度な配慮が生まれていると論じている。
マナーは人間が社会生活を円滑に行ううえで必須であり、多くの配慮が必要となる。たとえば、挨拶をすることで自分の存在を他者にアピールすると同時に他者の存在も認め、自分たちを仲間だと確認し、人間関係のなかで自分が受け入れられている安心感を持つことができる。これにより人間関係を安心して進めることができる、と筆者は主張する。
最近のマナーについて筆者は、過度な無関心と配慮が特徴だと述べる。著者は「仲間うちでのマナーが優先されていて、公共の場でのマナーに無関心になっている」と主張する。これは地域共同体の崩壊により、「セケン」だと思われていたものが「タニン」の位置づけになってしまい、個人が羞恥心を感じる範囲が縮小した結果であるとする。その結果、マナーが求められる世界も縮小してしまったのである。著者は電車内での化粧を例に、化粧をする人は自分に没頭し、車内のほかの乗客を無視しているため、他人を不愉快にさせていると筆者は述べている。また他方で筆者は、老人へ席を譲る際に相手へ過度な配慮をするあまり、結局相手を無視してしまうといった例も出している。(549文字)

(2)現代社会におけるマナーの問題点を事例をあげて論じる(800文字)

議論の整理→著者の主張のポイントの確認

現代社会では、拡大家族の減少と核家族の増加や、インターネットの普及によりオフラインでの人間関係に変化が生まれたことなどから、「セケン」が縮小し「タニン」の位置づけが大きくなった。そのため、過度の無関心と同時に過度の配慮が現代社会におけるマナーの重要な要素となっている。

問題発見→「女性」と「男性」を区別し差をつけることは良いのか?

そこで「女性専用車」を事例に現代社会のマナーについて考えたい。女性専用車は2000年ころ、女性に対する痴漢行為や迷惑行為が増えたために導入された。当時は肯定的な意見が多かったが、その後は男性を中心に「差別だ」として反対意見も多く聞かれるようになった。では女性専用車に男性が乗るのは本当にマナー違反なのだろうか。

論証→女性専用車と性的マイノリティの存在

たしかに、男性による痴漢行為を恐れるなどの理由で女性専用車を使う女性は存在する。密室である社内で、力の劣る女性が男性から痴漢行為をされるというのは大きな恐怖であろう。しかし他方で忘れてはならないのは、性同一性障害などの性的マイノリティの存在である。男性のような外見をしていても、その人の性自認は女性かもしれない。その場合、その人を「男だから女性専用車に乗るのはマナー違反」だということができるだろうか。現状、本人がその場で主張をすれば性同一性障害の人間は女性専用車に乗れるが、果たして不特定多数の人間がいる前で、自らのプライベートな箇所を赤裸々に主張できる人間がどの程度いるだろうか。

解決策or結論→女性専用車自体がマナー違反ではないか

以上のことから、現代社会では「男性」「女性」と明確に性別を区分し、女性専用車を設けている点が差を設けている点こそが「マナー違反」として認識されるべきであろう。今回の事例の場合、性別で区分するのではなく、妊婦や高齢者、体調不良者なども含め、配慮を必要とする人用の車両を設けるのはどうだろう。

解決策or結論の吟味→解決策を吟味する

マナーは人間が共同体を作り生活をしていくうえで重要なものであるからこそ、女性専用車については定義を改めるべきではないだろうか。(785文字)

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