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年中無休の家庭教師 毎日学習会

慶應義塾大学 文学部 小論文 2002年 解説

・ 問題文

A、B、Cの三つの文章を読み、設問に答えなさい

(設問1)三つの文章において「わかる」という言葉について明らかにしながら説明しなさい(三六○字以内)。

(設問2)「何かをわかる」とは、どのようなことだろうか。あなたにとって関心のある具体的な例をあげて、あなた自身の考えを述べなさい(四○○字以内)。

・ 問題の解き方

 問一が抽象論で「わかる」という言葉の意味を説明し、問二は具体例で「わかる」という言葉の意味を説明している。

 問一においては、結論・根拠・(具体例)のスタイルで、わかるとはどういった状態なのか、その根拠はなんなのかについて抽象論を用いて(≒具体例をもちいずに)説明している。

問二においては、5STEPsの応用編として、解決策模索型問題でない場合に、議論の整理→問題発見→原因分析→結果→結果の吟味を用いる方法を用いている。

・ 模範解答

=設問I=

いずれの文章においても「わかる」という言葉は、概念についての大雑把なイメージを把握している状態を差し、一方「理解する」という言葉を本質的なイメージを厳密に理解しているという意味で用いている。
たとえば、Aにおいては、化学物質の性質について雑に把握している状態のことを「分かる」と表現する一方、その本質的な危険性などについて理解している状態を「理解する」と表現している。
また、Bにおいては、立体のイメージが把握できている状態を「分かる」と表現する一方、立体の寸法や様々な角度から見た様子などを限りなく正確に把握している状態を「理解する」と表現している。
ほかにも、Cにおいては、言語を表面的な意味として把握している状態を「分かる」と表現する一方、言語を本質的な意味から体感的に把握している状態を「理解できる」と表現している。

=設問II=

議論の整理……
原発事故は、私達の情報リテラシーに大きな課題があることを明らかにした。ある人は、放射能で東京は住めなくなるといい、またある人は放射能は身体に良いとさえ言った。この二つの意見は、それぞれが考慮すべき現実を無視しているという点で救い難く誤っていた。
問題発見……では、原発事故について「何かをわかる」ためには、どのような志向が必要なのかについてここでは論じたい。
原因分析……まず、「何かをわかる」状態とはなにかを考える上で、「何かをわからない」状態とはなにかについて考える。原発事故の事例において、私達を混乱させたのは情報源によりその情報に大きな食い違いが存在したことだ。このことが、私達を原発事故に対する正しい理解から遠ざけた。
結果……このことから、「何かをわかる」こととは、判断に際して正確に近い情報をもたらすのは何であるかを把握することであると私は考える。
結果の吟味……現に、原発事故で醜態を晒した多くの論者は、誤った情報源からの情報を鵜呑みにしていた。ことことからも、情報源の慎重な吟味こそが正しい判断に資すると私は考えた。

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