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年中無休の家庭教師 毎日学習会

慶應義塾大学 経済学部 小論文 2005年 過去問

2005年 慶應義塾大学 経済学部 小論文 課題文

[課題文]

インターネットの利用者は年々増加を続けている。情報通信白書によれ ば、平成15年末の利用人口は7730万人であり、人口普及率は60パーセ ントを超えている。また、世帯普及率も平成15年末において9割に迫る 勢いをみせている。これほどインターネットが普及したのには、インター ネットにより、情報交換や情報収集が低コストで迅速かつ容易に行うこ ができるようになったため、他の媒体を通じて行われてきた通信や各種取 引の多くがインターネットに代替され、インターネットが生活必需品となりつつあるという背景がある。

インターネットの普及により。人間と人間との関係。そして人間と社会 との関係に多種多様な変化がもたらされてきた。その変化にはインターネットのもついくつかの特性が関わっている。その1つとして、人々はネットワーク上で自らの知識や経験を伝え。そして自説などを発表することが容易にできるということがあげられる。実際今日では、このようにして発信された情報は膨大な量に達して日々ネットワーク上を行きかう状況となっている。

一方、インターネットの世界では、情報を受信する側においても。これまでとは異なる方法が用いられる。人々は、例えば既存のマスメディアか ら発信される情報を、他者によって選択されたものという認識をもたずに そのまま受け入れる傾向があった。これに対してインターネットの利用者は、理論的には望むだけの情報を収集し、その中から必要なものを主体的に選択できる。

インターネットはまた、既存の人間関係に縛られることなく自由に意見交換を行う道具としても優れている。社会的立場や利害関係にとらわれる ことなく、誰もが自由に参加できる。対話や討論の開かれた場を作るのにインターネットはむいている。しかも発信されたネットワーク上の情報は。 国境を越え。文化や民族の違いなどの制約を乗り越えて相互に行きかうの で、議論の場はグローバルな規模で拡大する可能性をもっている。

ネットワーク上には年々豊富な情報が蓄積されている。誰もがいつでも どこからでもこれらの情報を引き出し。世界中の社会・政治・経済問題に 関する他者の考え方を知り。それに基づいて自ら意見を形成し発信するこ とが可能となった。そうした機会が増大することにより。志を同じくする人たちが実は多数存在するということが認識され、人々の間の横のつなが りの形成を促がす要因になったという側面は見落とすことができない。インターネットを通じた横のつながりの形成は、例えば、今日におけるボラ ンティア活動。さらにはNGOやNPO活動の発展に貢献している。

インターネットにより情報の受信と発信の機会が増大することによって。 人々が共有する問題やそれに対する見解をめぐり、率直な議論が引き起こ されることが期待できる。インターネットは、公共的な議論の場の形成やその拡大に大いに寄与するであろう。こうした世論の広がりとともに、公共的な議論の質も変容していく。

しかしながら。インターネットが持つ大きな潜在的可能性は、人間と人 間の関係、人間と社会の関係を望ましい方向に導くことになるのであろう か。これにはさまざまな課題が残されているのも事実である。

[設 問]

問1 課題文は、インターネットが公共的な議論の場の形成に寄与するであろうとしているが、どのような理由からそう主張しているか、課題文 全体に注意を払いながら。320字以内で説明しなさい。

問2 課題文は、インターネットの高い普及率にふれているが、それにも かかわらず、デジタル・デバイド (異なった集団の間に存在する情報アクセス能力の格差) の存在がしばしば指摘されることがある。社会が。 課題文において示唆されているような望ましい方向に進むには、デジタ ル・デバイドが大きな障害となりうることを。インターネットの特性に 注目して320字以内で説明しなさい。

問3 インターネットを介した交流の特色の1つに匿名性がある。これは 既存の人間関係を越えて自由な意見交換を促す役割を持っている。その 反面、匿名性によって問題が引き起こされていることも事実である。ど のような問題が存在するか、インターネットがもつ匿名性の長所に言しながら、具体的な例を用いて320字以内で述べなさい。

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