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年中無休の家庭教師 毎日学習会

慶應義塾大学SFC 総合政策学部 英語 2009年 大問二 内容一致問題

空所補充問題
■第1段落
1:1 The twin towers of democracy – individual political liberty and self-interested market economics took root in the 18th and 19th centuries.
1:1民主主義の双璧である、個人の政治的自由と利己的な市場経済は、18世紀と19世紀に定着した。
1:2 The market democracies rise from the works authored by Thomas Jefferson and Adam Smith in 1776.
1:2市場民主制は、トマス=ジェファーソンとアダム=スミスが1776年に著した著作に始まる。
1:3 That year The Declaration of Independence and The Wealth of Nations launched humanity on a journey toward “I’s” and “we’s” who could fulfill the best in our natures.
1:3その年、「独立宣言」と『諸国民の富』が、人類をその性質中の最善を実現しうる「私」と「私たち」を目指す旅へと送り出したのだ。

■第2段落
2:1 That path is now gravely threatened.
2:1その旅路は今や重大な脅威にさらされている。
2:2 An extreme individualism equating happiness [31] (1. for 2. with 3. as) “value” alone now trumps choices and policies made in markets of all kinds, political and otherwise.
2:2幸福をただ「価値」だけと同一視する極端な個人主義が、政治やその他のあらゆる種類の市場でなされる選択や政策に勝っているのである。

2:3 “Value” and “I” can never migrate back into a sustainable blend with values” and “we must think differently about the real “we’s” of our lives – especially our organizations – and [32] (1. purposefully 2. accidentally 3. incidentally) blend “value” and “values” in those “we’s.”
2:3「価値」と「私」が、後戻りして「価値観」と「私たち」に混ざり合って維持されていくことは、決してありえない。私たちは、自分の暮らし、とりわけ組織体の中の現実の「私たち」について違う考え方をして、意図的にそうした「私たち」の中で「価値」と「価値観」とを混ぜ合わせなくてはいけないのである。
[51] According to the author, which of the following is the most serious threat to democracy?
1 . The decline of communities and the world of places.
2. Pursuit of common goals with no regard to the individual’s rights
3. Extreme pursuit of self­interest and the separation of “I’s” from “we’s.”
4. Friction between various types of “values” in such areas as ecology, religion and race.

[51]「著者によれば、次のうちのどれが最も深刻な民主主義に対する脅威であるか」
1.「共同社会と地域の世界の衰退」
2.「個人の権利を無視して共通の目的を追求すること」
3.「私利私欲を極端に追求し、『私』を『私たち』から分離してしまうこと」
4.「生態、宗教、人種といったさまざまな種類の『価値観』の間で生じる摩擦」
解答:[51]-3
「深刻な民主主義に対する脅威」については、第2段に記述されている。その第2文(An extreme individualism…)に「幸福をただ『価値」だけと同一視する極端な個人主義」が脅威の原因として指摘され、さらに最終文(We must think differenty…)で「価値と価値観の分離」を前提して「『価値』と『価値観』を混合しなければならない」と述べられている。よって、「最も深刻な脅威」は3である。

[52] Which of the following is most probably the authors view about market economics ?
1. Equal distribution of wealth is more important than economic growth.
2. Market economics is important for democracy.
3. The intrusion of market economics into politics is a natural evolution of democracy.
4. In a democratic society, government and organizations should control market economics in order to protect values.

[52]「次のうちのどれが、市場経済に対する著者の見解である可能性が最も高いか」
1.「富の平等な分配は、経済成長よりも重要である」
2.「市場経済は民主主義にとって重要である」
3.「市場経済の政治への侵入は、民主主義の自然な進化である」
4.「民主主義社会では、政府と組織体は市場経済を管理して、価値観を守るべきである」
解答:[52]-4
まず「利己的な市場経済による過度の個人主義が、民主主義を脅かしている」(第1・2段)というのが著者の認識で、「組織体が私益と公益の均衡を図る不可欠の手段」(最終段)と考えていることを押さえれば、「民主的に、組織体によって、市場経済を管理抑制すること」を主張する4が著者の見解である可能性は高い。1では、「富の平等な分配」と「経済成長」については、この文では何も触れられておらず、著者がこう考えているかどうかは不明である。2については、この文は「極端な個人主義が市場に墓延することで民主主義が脅かされている」現状についての論考なので単純に「市場経済が重要だ」と著者が考えているとすることは難しい。3については、「侵入が自然な進化」だとするのであれば、そのまま「侵入」するに任せておけばよい、という結論になるはずである。しかし、著者は現状を「民主主義の危機」ととらえているため、これを著者の見解だとすることはできない。

■第3段落
3:1 It is to be noted here that people use the words “value” and “values” in different ways.
3:1ここで注意すべきは、人々は「価値」と「価値観」という言葉をさまざまに使うということである。
3:2 On the one hand, the singular “value” arises in conversations about economics, finance, business, and markets.
3:2 単数形の「価値」は、経済や財政、事業、市場に関する話題で現れる。
3:3 Value connotes a pointed [33] (1. estimation 2. escalation 3. investment) of current or anticipated worth not distant from monetary equivalence.
3:3 それが意味するのは、現在の価値あるいは予想される価値の的確な評価であって、その金銭的対価から離れることはないのである。
3:4 On the other hand, the plural term ”values” crops up when people talk about beliefs and behaviors regarding how human beings do or do not get along with one another and with gods, spirits, and nature.
3:4 他方、複数形の「価値観」が出現するのは、人間が人間同士、あるいは、神々、精霊、自然といかにうまく折り合えたり、折り合えなかったりするのかに関わる信条や行動について語るときなのである。

3:5 Values” is a noun, but a noun concerned with attitude and action.
3:5 「価値観」は、名詞であるとはいえ、態度や行動に関わる名詞である。
3:6 Values are sorted into several categories: social values, political values, family and religious values, and environmental values.
3:6価値観はいくつかの分類概念に分けられる。社会的価値観、政治的価値観、家族宗教的価値観、環境的価値観といったものだ。
3:7 Unlike value, talk of values [34] (1.increases 2. incorporates 3. ignores) money.
3:7価値とは異なり、価値観について語るのに、金銭を顧慮したりはしない。
3:8 There is a deep, backward­ and forward-looking quality to values.
3:8 価値観には、奥深くて、これまでとこれからを見据える性質がある。
3:9 If value makes us wealthy, values make us human.
3:9価値によって私たちが豊かになるとすれば、価値観によって私たちは、人間となるのである。
[53] What makes “values” different from “value”?
1. “Values” is actually the same as “value” at the end of one’s life.
2. “Values” means our attitude toward non­economic aspects of life, while “value” basically means money.
3. “Values”means a lot of donations that solve various Social issues. 4. “Values” means a dream or aspiration, while “value” means its achievement.

[53]「『価値観』と『価値」を異なったものにするのは何か」
1.「『価値観』は実は生涯の終わりには『価値』と同じものになる」
2.「『価値観』は、生活の非経済的な面に対する姿勢である一方、『価値」は基本的に金銭を意味している」
3.「『価値観』はさまざまな社会問題を解決する多額の寄付のことである」
4.「『価値観』は夢や大望を意味する一方、『価値』はその実現を意味する」
解答:[53]-2
「価値」と「価値観」の違いについては、第3段に記述がある。まず第2・3文(On the one hand…)に、「価値」とは「物事の金銭的な評価」であると述べられ、「価値観」については第4文(On the other hand…)以下に、「人間の信条や行動についての奥の深い概念で、金銭的評価になじまない」とされている。そのような内容に近い選択肢は2である。

[54] Which of the following cases exemplifies “values” overriding “value”?
1. This shop provides the best value in the neighborhood.
2. In the tourism industry, a good smile is as important as a good price.
3. The railway labor union decided to stop a strike on Mondays so that patients could go to the hospital.
4. To recruit managers, interviewing is more reliable than paper based examination.

[54]「次のうちのどの事例が『価値」に勝る『価値観』の実例となるか」
1.「この店はこの近辺で一番のお買い得を提供します」
2.「観光産業では、よい笑顔が、よい値段と同じくらい重要である」
3.「鉄道労働組合は、患者が病院に通えるように、月曜日のストライキを止めることに決めた」
4.「管理職を募集するには、ペーパーテストより面接の方が信頼できる」
解答:[54]-3
前問で述べた「価値」と「価値観」の違いに着目して、「価値観を優先しているような」事例を探せばいい。1は「金銭的評価」のみに関わるので不適。2は「よい笑顔」が金銭的評価と同じ価値をもつものとして並べられているので、やはり「価値」についての記述である。3は「ストライキ」という金銭的な目標を、「患者の利益」という「金銭的評価には無縁の価値」のために抑えている。よって、実例として好適である。4にある「管理職の採用」は、方法のいかんを問わず、第3段第3文(Value connotes a pointed…)にあるような金銭的価値につながる評価である。よって、不適。

■第5段落
5:1 In our placeless world, our dominant shared role in relation to government is consumer, not citizen.
5:1地域の消えた現代社会では、統治に関連して私たちが共有する主要な役目は、消費者であって、市民ではない。
5:2 Citizenship becomes [37] (1. no less than 2. no more than 3. as little as) a nostalgically shared idea.
5:2市民であることは、懐かしく分かち合う概念にすぎなくなる。
5:3 We experience the self-governance historically linked to the role of citizen in organizations, not places.
5:3私たちが市民の役割に結びついた自治を歴史的に経験するのは、組織体の中なのであって、地域ではない。
5:4 If we find the meaning of community, we do so in organizations and among friends, not places.
5:4もしも私たちが地域社会の意味を見出すとすれば、それは組織体や、友人たちの間でのことであって、地域ではない。

5:5 We can vote.
5:5私たちは投票をすることができる。
5:6 But voting is a single thread of democracy.
5:6 しかし、投票は民主主義のたった一本の糸なのだ。
5:7 In the [38] (1. event 2. absence 3. institution) of accompanying political and social values, voting is a specialized currency for consumption in political markets.
5:7それに伴う政治的・社会的な価値観がなくては、投票は政治という市場で流通する特殊な消費用通貨になってしまうのである。
■第6段落
6:1 In worlds where people share ideas, roles, resources, purposes, and fates because of places, shared paths weave into the larger was” of town and neighborhood, city, and state.
6:1地域のために人々が思想や役割、資源、目的、運命を共有する世界では、共有の通路が搬り合わさって、町や近隣、都市、国という「より大きな私たち」となっていく。
6:2 Place blends religious, ethnic, national, political, and other values to [39] (1. forbid 2. forsake 3.forge) “thick we’s.”
6:2地域が宗教的、民族的、国家的、政治的、その他の価値観をない交ぜにして「濃密な私たち」を練り上げていくのである。
6:3 In a world of purposes, the inescapable shared fates necessary to “thick we’s” occur among friends and families, and in organizations.
6:3目的の世界では、「濃密な私たち」に不可欠な必然的に共有される運命は、友人や家族の間や、組織体の中で生じる。

6:4 Our cares and animosities arise in them.
6:4私たちの不安も憎しみもそこから生まれる。
6:5 We know that Germany and France were mortal enemies many times in the olden days.
6:5ドイツとフランスは昔には何度も、不倶戴天の敵同士だったことを私たちは知っている。
6:6 But we do not [40] (1. allow 2. expect 3. implore) them to go to war ever again.
6:6しかし、私たちは両国がまた再び戦争をし始めるとは思っていない。
6:7 In a world of purposes, we do not hate people in the “thick we’s” of other organizations.
6:7目的の世界では、組織体は違っても「濃密な私たち」の中の人々を憎悪することはないのである。
[55] Which of the following opinions will most probably be supported by the author?
1. Organizations are more important than friends or families to keep democracy vital.
2. Communism is one effective method to maintain “thick we’s”.
3. Individual voting through the Internet on policy and budget is a solution for revitalizing democracy.
4. Organizations are incubators for creating values and “thick we’s” in our society.

[55]「次の意見のうちのどれが著者によって支持される可能性が最も高いか」
1.「組織体は民主主義の活力を保つには友人や家族よりも重要である」
2.「共産主義は『濃密な私たち』を維持するのに効果的な一手法である」
3.「政策や予算に関してインターネットを通じて個人が投票することは民主主義に新たな活力を与える解決法である」
4.「組織体は私たちの社会で価値観と『濃密な私たち』を生み出す培養器である」
解答:[55]-4
1については、第5段第4文(If we find the meaning…)、第6段第3文(In a world of purposes…)でも「組織体」と「友人家族」は同列に扱われていて、両者に優劣はないので、可能性は低い。2については、第7段第4文(The immense Soviet Union was…)に共産主義のソビエト連邦の記述があるが、これは「組織体」が社会の中間層であることの普遍性を述べたもので共産主義を有効手段と認めている記述ではない。よって、支持される可能性は低い。3の「投票」については、第5段の第5文以下(We can vote. But voting…)に記述されているが、投票は場合によっては特殊な消費用通貨にすぎないという否定的な評価がなされており、支持される可能性は低い。4については、第6段第3文(In a world of purposes…)に、「『濃密な私たち』に不可欠な必然的に共有される運命は、…組織体の中で生じる」とあり、その言い換えとして、incubators「孵卵器、保育器、培養器」は適切である。

[56] Which of the following would most likely be used by the author as an example to emphasize his main point?
1. The UN is a good case of an organization which has realized values across national boundaries.
2. Finding a solution for class conflict is a key for todays democracy in developing countries.
3. Conflict among regional organizations will be dangerous because it destroys democratic society.
4. Each country needs to be independent and autonomous to solve global issues.

[56]「次の意見のうちのどれが、著者によってその要点を強調するのに例として使用される可能性が最も高いか」
1.「国際連合は国境を越えて価値観を実現してきた組織体の好例である」
2.「階級闘争の解決策を見出すことは、発展途上国の今日の民主主義の鍵となる」
3.「地域的な組織同士の紛争は、それが民主社会を破壊するがゆえに危険となるだろう」
4.「各国が地球規模の問題を解決するには独立し自治を確立する必要がある」
解答:[56]-1
著者の主張の主要論点とは今日の「目的の世界」では、中間層をなす組織体の中で「共通利益」と「私利私欲」の均衡をとることが、市場制民主主義を守るのに不可欠だ、ということであった。1の国際連合は、まさにそうした組織体である。よって、正解。2は「階級闘争」や「発展途上国」という要素は、著者の論点とは無縁である。3では、「地域的な組織同士の紛争」ではなく、「過剰な私的利益の追求」が「民主主義を破壊する」危険性をもつというのが著者の主張である。4は「植民地支配」や「民族独立」といった話題についての記述であるが、それらは本論考とは無縁である。

■第7段落
7:1 Large societies are unsustainable without organizations or midlevel formations.
7:1大きな社会は、組織体や中間層なしには維持できない。
7:2 If organizations disappear, societies [41] (1. Destabilize 2. Consolidate 3. Develop) until new ones emerge.
7:2組織体が消えてしまったら、社会は、新たな組織体が生じるまで、不安定になる。
7:3 De Tocqueville, for example, considered towns and associations [42] (1. vital 2. detrimental 3. harmless) to 19th century American democracy.
7:3 たとえば、ド=トクヴィルは、町や連合組織が19世紀アメリカの民主主義に極めて重要であったと考えた。
7:4 The immense Soviet Union was also just that — a union of mid­level social formations called soviets.
7:4巨大なソビエト連邦もまた、まさにそうしたものだった。ソビエトと呼ばれる社会的中間
層の連合だったのである。
7:5 However, mid­level social formations grounded in place have at amazed in the last 30 years.
7:5しかしきちんと根を張っていた社会的中間層はこの30年間のうちに個々ばらばらとなってしまった。
7:6 Structures that once made sense local government, neighborhood, and community – destabilized.
7:6かつては理にかなっていた構造体であった地方政府、近隣地域、地域社会といったものは安定を失った。
7:7 This instability will [43] (1. insist 2. resist 3. persist) until we recognize that organizations, not collectivities of is,” are the thick was” in which we share fates with others.
7:7この不安定は組織体が「私の集まり」ではなく、他者と運命を共にする場となる「濃密な私たち」なのだと、私たちがわかるまで持続するであろう。
7:8 Organizations are the mid­level social formations in a world of purposes.
7:8組織体は目的の世界の社会的中間層なのである。
■第8段落
8:1 Organizations are “thick we’s” in which individuals must [44] (1. hinder 2. balance 3. inflate) self-interest with the common good.
8:1組織体は、個人が私利私欲と共通の利益とを均衡させなければならない場となる「濃密な私たち」なのだ。

8:2 It is in organizations, not in places, that we most meaningfully share fates with other people beyond friends and family.
8:2私たちが友人や家族以外の他者と運命を共にすることに最も意味があるのは、地域ではなく、組織体という場所においてなのである。
■第11段落
11:1 People who experience robust democracy in organizations are more likely to respect dissent, free speech, consent, participation, and responsibility.
11:1 組織体の中で確固とした民主主義を経験した人々は違う意見、自由な言論、意見の一致、参加、責任を尊重する傾向がある。

11:2 They are less likely to violate the liberty and freedoms of others.
11:2 他者の自由を踏みにじるようなことをする傾向は低い。
11:3 Neither value nor values can be [49] (1. promoted 2. ignored 3. achieved) in organizations.
11:3 価値も価値観もどちらも組織体の中でないがしろにされることはありえない。
11:4 Again, organizations must link their common good to the greater good of the planet.
11:4 繰り返すが組織体はその共通の利益を世界のより大きな利益に結びつけなければならないのである。
11:5 In a world of purposes, this is what organizations do – this is what they are for.
11:5 目的の世界で組織体が行うのは、このことである。これこそが組織体の目的なのである。
11:6 Organizations are the solutions to [50] (1. restore 2. regulate 3. monopolize) “thick we’s,” where value and values as well as “I’s” and “we’s” can migrate.
11:6 組織体は「濃密な私たち」を回復する解決策であり「私」と「私たち」ばかりでなく、価値と価値観が行きつく先である。
11:7 Organizations decide the fate of the twin towers of democracy.
11:7 組織体が、民主主義の双壁の命運を決するのである。

[57] Why are organizations important for democracy? Which of the following is not correct?
1. Conflict among values and self­interest must be resolved in an organization.
2. Organizations can serve as small scale models for democracy.
3. An organization can be a shelter for losers of severe market competition.
4. Organizations are the key to maintaining a democratic society.

[57]「なぜ組織体は民主主義にとって重要なのか。次の意見のうち正しくないのはどれか」
1.「価値観と私利私欲の間の対立は組織体の中で解決されなければならない」
2.「組織体は民主主義の小規模なモデルとして役立ちうる」
3.「組織体は厳しい市場の競争の敗者のための避難所になりうる」
4.「組織体は民主的な社会を維持するためのカギである」
解答:[57]-3
1は第8段第1文(Organizations are “thick we’s”…)そのままの記述であるから、正しい。2は第7段全体の主旨そのものであるから、正しい。3は、市場における敗者をどのように処遇するかという問題と本論考の主題「過剰な私的利益の追求によって生じる弊害」とは、別問題であるため正しい記述ではない。4は最終段最終文(Organizations decide the fate…)の主旨に等しいので、正しい。

[58] Which of the following best explains the relationship between liberty and “thick we’s”?
1. Liberty means freedom only in “thin we’s,” not in “thick we’s.” 2. Liberty is something that people learn to respect in “thick we’s.” 3. Liberty conflicts with “thick we’s.”
4. Liberty has nothing to do with “thick we’s” or “thin we’s.”

[58]「次のうちのどれが自由と『濃密な私たち』の間の関係を最もよく説明しているか」
1.「自由が解放を意味するのは、『希薄な私たち』の中でだけであって『濃密な私たち』の中ではない」
2.「自由は人々が『濃密な私たち』の中で尊重するようになるものである」
3.「自由は『濃密な私たち」と対立する」
4.「自由は『濃密な私たち』とも、『希薄な私たち』とも関係がない」
解答:[58]-2
1は、そもそもこの論考でliberty(奴隷でない自由な市民のもつ自由)とfreedom(何ものにも束縛されない状態である自由)との違いは論じられていないので、「説明」にならない。2は最終段第1文(People who experience…)の記述に一致するので正解。3は最終段最終2文(Organizations are the solutions…)の主旨「政治的自由と市場経済が維持できるかどうかは、組織体
の中で『濃密な私たち』が成立するかどうかにかかっている」に矛盾するため、「説明」として不適切である。4も、同様に主旨とは相容れないので、「説明」として不適切である。

■第6段落
6:1 In worlds where people share ideas, roles, resources, purposes, and fates because of places, shared paths weave into the larger was” of town and neighborhood, city, and state.
6:1地域のために人々が思想や役割、資源、目的、運命を共有する世界では、共有の通路が搬り合わさって、町や近隣、都市、国という「より大きな私たち」となっていく。
6:2 Place blends religious, ethnic, national, political, and other values to [39] (1. forbid 2. forsake 3.forge) “thick we’s.”
6:2地域が宗教的、民族的、国家的、政治的、その他の価値観をない交ぜにして「濃密な私たち」を練り上げていくのである。
6:3 In a world of purposes, the inescapable shared fates necessary to “thick we’s” occur among friends and families, and in organizations.
6:3目的の世界では、「濃密な私たち」に不可欠な必然的に共有される運命は、友人や家族の間や、組織体の中で生じる。
6:4 Our cares and animosities arise in them.
6:4私たちの不安も憎しみもそこから生まれる。
6:5 We know that Germany and France were mortal enemies many times in the olden days.
6:5ドイツとフランスは昔には何度も、不倶戴天の敵同士だったことを私たちは知っている。
6:6 But we do not [40] (1. allow 2. expect 3. implore) them to go to war ever again.
6:6しかし、私たちは両国がまた再び戦争をし始めるとは思っていない。
6:7 In a world of purposes, we do not hate people in the “thick we’s” of other organizations.
6:7目的の世界では、組織体は違っても「濃密な私たち」の中の人々を憎悪することはないのである。

[59] Why are organizations less important in the world of places than in the world of purposes?
1. In villages and towns, people physically live together in the same place and naturally work together to realize “values.”
2. In the world of places, it is politics and elections that solve most of the issues.
3. In the world of places, organizations are not well developed beyond family, friends and religious groups.
4. In the world of places, people do not face any conflict among “values.”

[59]「なぜ組織体は、地域の世界では、目的の世界よりも重要性が劣るのか」
1.「村や町で、人々は物理的に同一の場所に一緒に暮らし、当然ながら共に働いて『価値観』を実現しようとする」
2.「地域の世界では、ほとんどの問題を解決するのは政治と選挙である」
3.「地域の世界では、組織体は家族や友人、宗教団体を越えてはあまり発達しない」
4.「地域の世界では、人々は『価値観』の間の対立に直面することはない」
解答:[59]-1
「地域の世界」については、第6段に詳しく記述されている。その第7文(In worlds where people share…)と一致するのは1でつまり地域の世界では、組織体がなくても共同体が成立するため、その重要性が劣ると考えられる。2のような記述は本文にない。3については、第8段第2文(It is in organizations, not…)に「友人や家族を越えた他者と運命を共にすることに最も意味があるのは組織体」とあるが、「組織体」自体が発達しない、というわけではない。4についても、「価値観の対立がない」ことと「組織体の重要性」とは、直接関係がない。

■第5段落
5:1 In our placeless world, our dominant shared role in relation to government is consumer, not citizen.
5:1地域の消えた現代社会では、統治に関連して私たちが共有する主要な役目は、消費者であって、市民ではない。
5:2 Citizenship becomes [37] (1. no less than 2. no more than 3. as little as) a nostalgically shared idea.
5:2市民であることは、懐かしく分かち合う概念にすぎなくなる。

5:3 We experience the self-governance historically linked to the role of citizen in organizations, not places.
5:3私たちが市民の役割に結びついた自治を歴史的に経験するのは、組織体の中なのであって、地域ではない。
5:4 If we find the meaning of community, we do so in organizations and among friends, not places.
5:4もしも私たちが地域社会の意味を見出すとすれば、それは組織体や、友人たちの間でのことであって、地域ではない。
5:5 We can vote.
5:5私たちは投票をすることができる。
5:6 But voting is a single thread of democracy.
5:6 しかし、投票は民主主義のたった一本の糸なのだ。
5:7 In the [38] (1. event 2. absence 3. institution) of accompanying political and social values, voting is a specialized currency for consumption in political markets.
5:7それに伴う政治的・社会的な価値観がなくては、投票は政治という市場で流通する特殊な消費用通貨になってしまうのである。
■第11段落
11:1 People who experience robust democracy in organizations are more likely to respect dissent, free speech, consent, participation, and responsibility.
11:1 組織体の中で確固とした民主主義を経験した人々は違う意見、自由な言論、意見の一致、参加、責任を尊重する傾向がある。
11:2 They are less likely to violate the liberty and freedoms of others.
11:2 他者の自由を踏みにじるようなことをする傾向は低い。
11:3 Neither value nor values can be [49] (1. promoted 2. ignored 3. achieved) in organizations.
11:3 価値も価値観もどちらも組織体の中でないがしろにされることはありえない。
11:4 Again, organizations must link their common good to the greater good of the planet.
11:4 繰り返すが組織体はその共通の利益を世界のより大きな利益に結びつけなければならないのである。
11:5 In a world of purposes, this is what organizations do – this is what they are for.
11:5 目的の世界で組織体が行うのは、このことである。これこそが組織体の目的なのである。
11:6 Organizations are the solutions to [50] (1. restore 2. regulate 3. monopolize) thick was,” where value and values as well as “I’s” and “we’s” can migrate.
11:6 組織体は「濃密な私たち」を回復する解決策であり「私」と「私たち」ばかりでなく、価値と価値観が行きつく先である。
11:7 Organizations decide the fate of the twin towers of democracy.
11:7 組織体が、民主主義の双壁の命運を決するのである。
[60] Which of the following is true, according to this article?
1. Economic-value-oriented societies are dynamic, but respect for human values is also important in today’s democracy.
2. Democracy can be maintained only by creating new types of organizations where “value” and “values” can merge without conflict.
3. Place­based traditional democracy no longer functions properly. A new type of organizational democracy is necessary for the world of purposes.
4. It is more important to think about “we’s” than “I’s.” The quality of democracy depends on self­control and caring for others.

[60]「この文章によれば、次のうちのどれが正しいか」
1.「経済的な価値中心の社会は、活力があるが、人間的な価値を尊重することも、今日の民主主義では重要である」
2.「民主主義は、『価値」と「価値観」が、対立することなく混じり合うことができる新しい種類の組織体を創造することによって、初めて維持することができる」
3.「場所中心の伝統的な民主主義はもはや適切に機能することはない。新しい種類の組織的民主主義が、目的の世界には必要である」
4.「「私たち」について考える方が「私」について考えるよりも重要である。民主主義の質は、自制と他者への配慮によって決まる」
順に選択肢を検討しよう。1は、dynamic「活発だ」とあるが、本文は「私利私欲の追求が行き過ぎている」市場経済について述べているという食い違いがある。よって、正しくはない。2は、「新しいタイプの組織を創造する」という記述は、本文にはない。本文は、「旧来とは異なる(新しい、ではない)」組織体の中に「新しい役割」を見ているだけである。さらに「対立なく融け合う」という記述もない。よって、正しくはない。3は、前半については、第5段第1・2文(In our placeless world…)に一致。後半については、最終段の主旨そのものであるから、正しい。4については、第1段第3文(That year The Declaration of Independence…)や最終段最終文(Organizations decide the fate…)からわかるように筆者は“we’s”と“I’s”の重要性の比較をしているのではなく、両者のバランスをとり、共に機能させることを主張しているのである。また、「民主主義の質」ではなく「民主主義」そのものが、今の社会では脅かされているということが本文の核心であるため、正しくはない。

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