慶應義塾大学SFC 総合政策学部 英語 2013年 大問一 語法三択問題

■ 第1段落
1:1 イスラエルの監獄で服役している3人の男が最近,ユダヤ系イスラエル人の仮釈放判事の前に現れた。
1:1 Three men serving time in Israeli prisons recently appeared before a Jewish Israeli parole judge.
1:2 3人の囚人は少なくとも判決の刑期の3分の2を終えていたが,仮釈放会議は3人のうちたった一人にしか自由を認めなかった。
1:2 The three prisoners had completed at least two-thirds of their sentences, but the parole board granted freedom to only one of them.
1:3 どの囚人だと思うか。
1:3 Guess which one:
1:4 Case 1 (heard at 8:50 a.m.): An Arab Israeli serving a 30­month sentence for fraud.
1:5 Case 2 (heard at 3:10 p.m.): A Jewish Israeli serving a 16­month sentence for assault.
1:6 Case 3 (heard at 4:25 p.m.): An Arab Israeli serving a 30­month sentence for fraud.
1:7 判事の決定には,あるパタ―ンがあったが,それは男たちの民族的な背景にも,犯罪にも,刑期にも関係はなかった
1:7 There was a pattern to the judge’s decisions, but it wasn’t related to the men’s [1] ( 1. educational 2. ethnic 3. employment) backgrounds, crimes or sentences.
1:8 研究者が1100件以上の仮釈放決定を分析することによって発見したところでは,その本質はタイミングであった。
1:8 It was all about timing, as researchers discovered by analyzing more than 1,100 parole decisions.
1:9 判事は事案の約3分の1に仮釈放を認めたが,仮釈放の確率は一日の間に激しく変動した。
1:9 Judges approved parole in about a third of the cases, but the probability of being paroled
fluctuated [2] (1. minimally 2. wildly. randomly) throughout the day.
1:10 Prisoners who appeared early in the morning received parole about 70 percent of the time, while those who appeared late in the day were paroled less than 10 percent of the time.
1:11 結果として,その日釈放されたのは午前8時50分に出頭した男だけだった。午後4時25分に出頭した男は,同じ罪を犯し,同じ判決を受けていたのに,である。
1:11 As a result, it was only the man at 8:50 a.m. who was set free that day, even though the
man at 4:25 p.m. had committed the same crime with the Same Sentence.
・解答 [1]―2
>[1]設問部分は「判事の決定には,あるパターンがあったが,それは男たちの(    )な背景にも,犯罪にも,刑期にも関係はなかった」という意味。選択肢はそれぞれ,1.educational「教育の」,2.ethnic「民族的な」,3.employment「雇用」という意味である。第1段で与えられた情報は「民族,国籍,犯罪刑期」の4つだから,選択肢の中でそれに含まれるのは2のみである。

・解答 [2]―2
>[2]設問部分は「仮釈放の確率は一日の間に(    )変動した」という意味。選択肢はそれぞれ,1.minimally「ほんのわずかに」,2.wildly「激しく」,3.randomly「行き当たりばったりに」という意味。この設問以降には,「早朝は70%,その日遅くだと10%未満」と述べられている。激動といってよい数字である。よって,正解は2に決まる。

■ 第3段落
3:1 しかしながら,判事の行動に何も悪意はなく,通常でないところさえもなかった。
3:1 There was nothing malicious or even unusual about the judges’ behavior, however.
3:2 判事の気まぐれな判断は,実のところ決断疲労という職業的な危険要因のためであった。
3:2 Their erratic judgment was actually due to the occupational [3] (1. hazard 2. privilege 3. duty) of decision fatigue.
3:3 たとえどれほど合理的であろうとしても,生物としての代償を支払わずに次々に決断を下すことはできない。
3:3 No matter how rational you try to be, you can’t make decision after decision without paying a biological price.
3:4 それは通常の肉体的な疲労とは異なる。自分が疲れていると意識的に気づくことはないからである。しかし,精神的な活力は低下しているのである。
3:4 It’s different from ordinary physical fatigue―you’re not consciously aware of being tired―but your low on mental energy.
3:5 一日を通して選択をすればするほど,脳にとっては一つ一つの選択が難しくなり,とうとう脳は近道を探すようになる。その結果として好ましくない,もしくは非合理な決断,あるいは仮釈放判事たちの例のように,まったく何もしないという決断に至るのである。
3:5 The more choices you make throughout the day, the harder each one becomes for your brain, and eventually it looks for shortcuts, resulting in poor or irrational decisions―or simply the decision to do nothing all, as in the case of the parole judges.
・解答 [3]―1
>[3]設問部分は「判事の気まぐれな判断は,決断疲労という職業的な(    )のためであった」という意味。選択肢はそれぞれ,1.hazard「危険要因」,2.privilege「特権」,3.duty「義務」という意味。「気まぐれな判断」(erratic judgment)という好ましくない事態を招来する原因としてふさわしいのは1である。

■ 第4段落
4:1 Decision fatigue is the newest discovery [4] (1. challenging 2. involving. intensifying) a 4:1 phenomenon called ego depletion, a term coined in honor of Sigmund Freud’s idea that the ego depended on the transfer of energy.
4:2 この思想は世紀末までおおよそ無視されていたが,その頃にロイ=バウマイスターというアメリカ人研究者が,自分のところの大学院生を使って精神訓練の研究を始めたのだった。
4:2 This idea was generally ignored until the end of the century, when an American researcher named Roy Baumeister began studying mental discipline with hisI graduate students.
・解答 [4]―2
>[4]設問部分は「決断疲労は,自我消耗と呼ばれる現象に(    )する最新の発見である」という意味。選択肢はそれぞれ,1.challenging「挑戦する」2.involving「関係する」,3.intensifying「強化する」という意味だから,文意が通るものは2しかない。involveはここでは「関係する,かかわる」の意味。「巻き込む」という意味だけしか知らないと対処できなくなるだろう。intensifyはintense「強い」の動詞派生形だから「強くする」の意。    ego depletion「自我消滅」

■ 第5段落
5:1 彼らは,最初は日常的な意思決定には関心がなかったが,その後ポストドクター研究員のジーン=トゥウェンジがバウマイスターの研究室で結婚式を計画した直後に研究を始めた。
5:1 At first they weren’t concerned with routine decision-making, but then a postdoctoral fellow, Jean Twinge, started working at Baumeister’s laboratory right after planning her wedding.
5:2 トゥウェンジは研究室の自我消耗実験の結果を調べながら,自分と婚約者が結婚のお祝いに何をもらうか決めていた夜に,どれほど疲労を感じたかを思い出した。
5:2 As Twinge studied the results of the lab’s ego depletion experiments, she remembered how [5] (1. exhausted 2. invigorated 3. selfish) she felt the evening she and her fiancé registered for wedding gifts.
5:3 無地の白い皿がいいか,何か模様のあるものがいいか。
5:3 Did they want plain white plates or something with a pattern?
5:4 ナイフはどのブランドか。
Which brand of knives?
5:4 は何枚か。
5:5 How many towels?
5:5 シーツはどんなのか。
5:6 What kind of sheets?
5:6 平方インチあたり,糸は何本か。
5:6 How many threads per square inch?
・解答 [5]―1
>[5]設問部分は「トゥウェンジは研究室の自我消耗実験の結果を調べながら,自分と婚約者が結婚式の贈り物の登録をしていた夜にどれほど(    )しているのを感じたかを思い出した」という意味。「決断疲労」という話題で,「結婚のお祝いに何をもらうかを決めていた夜」となっていれば,「疲弊した」という意味でないと論旨が一貫しないとわかるだろう。選択肢はそれぞれ,1.exhausted「疲労して」,2.invigorated「元気になって」,3.selfish「利己的な」という意味だから,正解は1に決まる。

■ 第6段落
6:1 「終わり頃には,言われたら何でもしていたでしょうね」と,トゥウェンジは新たに同僚となった人たちに語った。
6:1 By the end, you could have [6](1. changed 2. talked. 3. invited) me into anything,” Twinge told her new colleagues.
6:2 その症状は彼らにもおなじみのことであるように思え,それで彼らはひらめいた。
6:2 The symptoms sounded familiar to them too, and gave them an idea.
6:3 彼らはいろいろな小物を購入し,それを実験の被験者に提示した。
6:3 They purchased a range of simple products and presented them to their experimental subjects.
6:4 被験者は,実験の見返りに,実験終了時に品物を一つもらえるが,まずは連続して選択をしないといけないと告げられた。
6:4 The subjects were told that, in return for doing the experiment, they would [7] (1. have 2. expect. 3. get) to keep one item at the end of the experiment, but first they had to make a series of choices.
6:5 ペンかろうそくか。
6:5 Would they prefer a pen or a candle?
6:6 バニラの匂うろうそくかアーモンドの匂いのものか。
6:6 A vanilla scented candle or an almond scented one?
6:7 ろうそくかTシャツか。
6:7 A candle or a T-shirt?
6:8 黒のTシャツか赤のか。
6:8 A black T-shirt or a red T-shirt?
6:9 一方で,対照群の「決断不要者たち」は同じ長さの期間をこうした同じ品物すべてを,何も選択することなくどれにするか熟慮するのに費やした。
6:9 [8](1. Meanwhile 2. Furthermore 3. All the same) , a control group of “nondeciders” spent an equally long period contemplating all these same products without having to make any choices.
6:10 後になって参加者全員に,自制心を量る共通検査が課せられた。できる限り長く手を氷水につけておくのである。
6:10 Afterward, all the participants were given a common test of self-control: holding your hand in ice water for as long as you can.
6:11 手を引っ込めたいという衝動が起きるから,手を水につけておくには自制心が必要になる。
6:11 The impulse is to pull your hand out, so self-discipline is needed to keep the hand underwater.
6:12 決断を経た人々ははるかに早くやめてしまった。彼らは28秒もったが,決断しなかった人の平均67秒の半分以下だったのである。
6:12 The deciders gave up much faster; they lasted 28 seconds, less than half the 67-second average of the nondeciders.
6:13 すべてそういった選択を行ったことが,彼らの意志力をしぼり取ってしまったように見える。
6:13 Making all those choices had apparently [9] (1. bolstered 2. restored 3. sapped) their willpower.
6:14 決断疲労が起きたのだ。
6:14 They had decision fatigue.
・解答 [6]―2
>[6]設問部分の表現を素直に読めば「私をどんなものにでも(    )できただろう」となる。1のchangeを入れると「私をどんなものにでも変えられただろう」となるが,それだと《変身》の話になってしまう。3のinviteだと「どんなものの中へでも招き入れる」となって,ほとんど意味不明である。正解は2のtalkであるが,それがわかるにはtalk A into doing「説得してAに~させる」という表現の知識が不可欠である。他動詞talkのこの用法を基礎にすれば,この文が「終わり頃には,言われたら何でもしていたでしょうね」の意だと読み取れて,文意をすっきり理解することができる。Could have done「〜できただろう」

・解答 [7]―3
>[7]設問部分は「被験者は,実験の見返りに,実験終了時に品物を一つ取っておくように(    )しただろう」という意味。選択肢はそれぞれ1.have to「〜しなければならない」,2.expect to「〜すると思う」,3.get to「〜するようになる,〜することができる」という意味だから,3のgetを入れれば「品物が一つもらえる」という意味になって文意が通る。

・解答 [8]―1
>[8]設問部分は「(    ),対照群の『決断不要者たち』は同じ長さの期間をこうした同じ品物すべてを,何も選択することなく,どれにするか熟慮するのに費やした」という意味。Control groupは「対照群」(実験の条件を課した群experimental group「実験群」に対して,条件を課していない集団を指すための用語)の意。それを正しく把握できれば,先行する「実験群」の記述に「対照」するための,対照群の記述がこの部分に示されることがわかる。選択肢はそれぞれ,1.meanwhile「一方で」,2.futhermore「そのうえ」,3.all the same「にもかかわらず」という意味だから,対照を示す1が正解だとわかる。

・解答 [9]―3
>[9]設問部分は「すべてそういった選択を行ったことが,彼らの意志を(    )してしまったように見える」という意味。これまでの実験の記述から,deciders「決断者」は,「決断を繰り返すことによって精神的に疲弊してしまった」という文意になるとわかる。選択肢はそれぞれ,1.bolstered「補強,支持してしまった」,2.restored「回復してしまった」,3.sapped「しぼり取ってしまった」という意味だから,正解は3になるが,bolster「(枕の下に置く)長枕」とsap「樹液」の意味を知らないと正解にたどり着くことは難しい。

■ 第7段落
7:1 いったん精神的に消耗すると,比較考量をしようとしなくなることが判明している。
7:1 It turns out that once you’re mentally depleted, you become reluctant to make trade-offs.
7:2 買い物をしているなら,たった一つの次元,例えば価格しか見なくなりがちである。「一番安いものを下さい」である。
7:2 If you’re shopping, you’re liable to look at only one dimension, like price: “just give me the cheapest.”
7:3 あるいは,品質をみるのに没頭する。「最高のものがほしい」である。
7:3 Or you indulge yourself by looking at quality: “I want the very best.”
7:4 決断疲労によって,販売時期の決め方を知っている市場の商人たちに,弱みにつけ込まれやすくなってしまうのである。
7:4 Decision fatigue leaves you [10] (1. indifferent 2. vulnerable 3. resistant) to marketers who know how to time their sales.
・解答 [10]―2
>[10]設問部分は文字通りには,「決断疲労はあなたを,販売時期の決め方を知っている市場の商人たちに対して,(    )なままにしてしまう」という意味。「決断疲労」が起こす事態のことだから,「商人のなすがままになる」といった意味になると予想がつく。選択肢はそれぞれ,1.indifferent「無関心な」,2.vulunerable「〜の害を受けやすい」,3.resistance「抵抗性のある」という意味だから,2とすれば「決断疲労によって. . . 市場の商人たちに,弱みにつけ込まれやすくなってしまうのである」という意味となって,ふさわしい文意になることがわかる。

■ 第8段落
8:1 買い物はとりわけ貧しい人々にとって,疲弊を招くことがある。彼らは続けざまに比較考量に苦しまなければいけないからである。
8:1 Shopping can be especially tiring for the poor, who have to struggle continually with trade-offs.
8:2 先進国の人々の大半は,多くの時間を,セッケンを買う余裕があるかどうかに悩んで過ごしたりはしないだろうが,インドの農村ではそれは,消耗させる選択になりうる。
8:2 Most of us in developed countries won’t spend a lot of time agonizing over whether we can afford to buy soap, but it can be a depleting choice in rural India.
8:3 ある経済学者が北西インドの20ヶ村の人々に,アメリカドル20セント未満相当額で,2個のブランド品のセッケンを買う機会を提供した。
8:3 An economist offered people in 20 villages in northwestern India the chance to buy a couple of bars of brand-name soap for the equivalent of less than 20 US cents.
8:4 それは通常価格より大幅な値引きであったが,それでもなおその価額は最貧の10ヶ村の人々にとっては大負担であった。
8:4 It was a [11] (1. scant 2. shallow 3. steep) discount off the regular price, yet even that sum was a strain for the people in the 10 poorest villages.
8:5 セッケンを買ったかどうかにかかわらず,意思決定行為によって彼らは,どれだけ長く柄を握っていられるかの検査で後に測定したところでは,意志力が弱まってしまっていた。
8:5 Whether or not they bought the soap, the act of making the decision left them with less willpower, as measured afterward in a test of how long they could squeeze a hand grip.
8:6 ほんの少しだけ豊かな村では,人々の意志力は有意に影響されることはなかった。
8:6 In the slightly more [12] (1. sanitary 2. affluent 3. determined) villages, peoples willpower wasn’t affected significantly.
8:7 より多くの資金をもっているがゆえに,彼らはセツケンと,例えば食物や薬との利益を考量するのに同じだけの労力を費やす必要はなかったのである。
8:7 Because they had more money, they didn’t have to spend as much effort weighing the merits of the soap versus, say, food or medicine.
・解答 [11]―3
>[11]設問部分は「それは通常価格より(    )な値引きであった」という意味。後続の文は,「それでもなお. . . 大負担であった」となっているから,この部分は通常なら負担にならない事態が示されていなければならない。選択肢はそれぞれ,1.scant「わずかな」,2.shallow「浅い」,3.steep「険しい。大幅な」という意味だから,3とすれば「とんでもない値引き」となって普通なら負担にならない事態を導ける。

・解答 [12]―2
>[12]設問部分は「ほんの少しだけ(    )な村では,人々の意志力は有意に影響されることはなかった」という意味。直後の文に「より多くの資金をもっているがゆえに」とあるから,解答は「お金がある」という意味の形容詞になるとわかる。選択肢はそれぞれ,1.sanitary「衛生的な」,2.affluent「豊かな」,3.determined「決然とした」という意味だから,正解は2に決まる。

■ 第9段落
9:1 研究者は,この種の決断疲労は人々を貧困の中に封じ込める主因であると論じている。
9:1 Researchers argue that this sort of decision fatigue is a major factor trapping people in poverty.
9:2 経済状況のためにきわめて多くの比較考量を強いられるせいで彼らは学校,労働,その他の中産階級へと自分たちを押し上げてくれるかもしれない活動に使う意志力が低下する。
9:2 [13](1. Although 2. Until 3. Because) their financial situation forces them to make so many trade-offs, they have less willpower to devote to school, work and other activities that might get them into the middle class.
9:3 研究に次ぐ研究から,自制心の低下が他の多くの問題と同様に,低収入とも相関することが示されてきた。自制心の減退は「当然だとは言えない貧困」という概念,生活保護を受ける母親が食料クーポンを使ってジャンクフードを買っているというイメージが典型であるが,そうした考えに結びついてきた。しかし,研究者たちは乏しい予算で終日,決断を行う人に同情を寄せるように求める。
9:3 Study after study has shown that low self-control correlates with low income as well as with a host of other problems. Lapses in self-control have led to the notion of the “undeserving poor”―epitomized by the image of the welfare mom using food stamps to buy junk food―but researchers urge sympathy for someone who makes decisions all day on a [14](1. tight 2. narrow 3. tense) budget.
9:4 ある研究では,貧しい人とお金持ちが買い物に行くと,貧しい人々は買い物をしている間に何か食べる可能性がはるかに高いということが示された。
9:4 In one study, it was found that when the poor and the rich go shopping, the poor are much more likely to eat during the shopping trip.
9:5 これで彼らの人格の弱さが確認されたように思えるかもしれないがもしスーパーマーケットへ行くことで,貧しい人々にお金持ちよりも決断疲労がたくさん起きることになるのなら,というのもそれぞれの買い物にははるかに多く,頭の中で比較考量が必要になるからであるが,そうであれば彼らがレジにやってくる頃には,そこに並んでいるチョコレートやキャンディに抗うだけの意志力は彼らには残っていないだろう。
9:5 This might seem like confirmation of their weak character, but if a trip to the supermarket induces more decision fatigue in the poor than in the rich―because each purchase requires more mental trade-offs by the time they reach the cash register, they’ll have less willpower left to resist the chocolate bars and candies displayed there.
9:6 こうした品目が「衝動買い商品」と呼ばれるのは,十分に理由がある。
9:6 Not for [15] (1. anything2. something. nothing) are these items called “impulse purchases.”
・解答 [13]―3
>[13]設問部分は「彼らの経済状況のためにきわめて多くの比較考量を強いられる(    ),彼らは学校,労働,その他の. . . 活動に使う意志力が低下する」という意味。「比較考量」は「決断疲労」を招く主因であるから,「決断疲労」のせいで意志力が低下するという本文の一貫する主張を理解していれば,「比較考量が原因で意志力低下が生じる」という意味になるはずだと判断できる。選択肢はそれぞれ,1.although「〜にもかかわらず」2.until「〜まで」,3.because「〜がゆえに」という意味だから,正解は3であるとわかる。

・解答 [14]―1
>[14]設問部分は「しかし研究者たちは,(    )な予算で終日決断を行う人に同情を寄せるよう求める」という意味。「お金のない人たちは,決断を繰り返して疲弊している。だから見苦しい行動をとっても温かい目で見てほしい」という本文の論旨を正確に読み取る必要がある。そう読み取っていれば,設問部分には「貧しい」という意味になる表現を選ばなくてはならないとわかる。選択肢はそれぞれ,1.tight「詰まった,余裕のない」,2.narrow「狭い」,3.tense「緊張した」という意味で,どれでもよさそうだが,budgetに結びつく形容詞は,通例tightであり,正解は1となる。cf. tight family budget「苦しい家計」

・解答 [15]―3
Not . . . are(V) these items(S) called “impulse purchases(C). ”
となっている。また,for nothing「ただで,無料で」の知識も不可欠。ただし,ここでは,「ただで」ではなく「何のわけもなく」の意であり,したがって,not for nothingで「(ゆえなしとしない→)十分に理由があって」という意味になる。よって,3のnothingを選べば,設問部分は「こうした品目が『衝動買い商品」と呼ばれるのは,十分に理由がある」という意味となり,文意が通る。

■ 第10段落
10:1 ただこれだけの理由で,甘いお菓子がレジで目につくように大きく扱われているわけではない。
10:1 This isn’t the only reason that sweet snacks are featured prominently at the cash register.
10:2 意志力が低下すると,人々はとりわけ糖分一発をすぐ提供してくれるものなら何にでも弱くなってしまう。
10:2 With their willpower reduced, people are especially vulnerable to anything offering a quick hit of sugar.
10:3 スーパーマーケットははるか昔にこれを考えついたが,それがなぜなのかを研究者が発見したのは,つい最近のことにすぎなかった。
10:3 While supermarkets figured this out a long time ago, only recently did researchers discover [16] (1. how 2. why 3. when) .
・解答 [16]―2
>[16]設問部分は「スーパーマーケットがこれをはるか昔に考えついた一方で,研究者が(    )を発見したのは,最近のことにすぎなかった」という意味。段落冒頭に「これだけが,甘いお菓子がレジで目につくように大きく扱われている理由ではない」と述べられている。よって,この後に記述される事態が,甘いお菓子がレジで目立つ理由であることがわかる。選択肢はそれぞれ,1.how「どのようにしてか」,2.why「なぜか」,3.when「いつか」という意味だから,2が正解とわかる。

■ 第11段落
11:1 脳もそれ以外の身体と同じく,あらゆる種類の食品から作られる単純な糖であるブドウ糖からエネルギーを得ている。
11:1 The brain, like the rest of the body, derives energy from glucose, the simple sugar manufactured from all kinds of foods.
11:2 これが自制心の改善につながるかどうかを確かめるために,バウマイスター研究室の研究者たちは砂糖かダイエット用甘味料のどちらかを混ぜたレモネードを使った一連の実験で,脳に燃料補給してみた。
11:2 To establish whether this could cause an improvement in self-control, researchers at Baumeister’s lab tried refueling the brain in a series of experiments involving lemonade mixed either with sugar or with a diet sweetener.
11:3 砂糖入りレモネードは,ブドウ糖をどっと供給した。砂糖なしの方は同じだけの量のブドウ糖は供給することはないが味はとてもよく似ていた。
11:3 The sugary lemonade provided a burst of glucose; the sugarless variety tasted quite similar without providing the same burst of glucose.
11:4 再三再四,砂糖は意志力の回復を生んだが人工甘味料は何の効果もなかった。
11:4 Again and again, the sugar restored willpower, but the artificial sweetener had no effect.
11:5 ブドウ糖は少なくとも決断疲労を緩和し,ときにはそれを完全にうち消すことにもなった。
11:5 The glucose would at least [17] (1. mitigate 2. instigate. 3. eradicate) the decision fatigue and sometimes completely reverse it.
11:6 回復した意志力は決断の質ばかりでなく,人々の自制心をも改善した。すなわち,選択を求められると非合理な偏見に抵抗し,経済的な決断を行うよう求められると,彼らはすぐに報酬を得られる方に行くのではなく,よりよい長期的な戦略を選択する可能性が高くなったのだった。
11:6 The restored willpower improved people’s self-control as well as the quality of their decisions; they resisted irrational bias when making choices, and when asked to make financial decisions, they were more likely to choose the better long-term strategy instead of going for a quick payoff.
・解答 [17]―1
>[17]設問部分は「ブドウ糖は少なくとも決断疲労を(    )し,ときにはそれを完全にうち消すことにもなった」という意味。「ときにはそれを完全にうち消す」という後半部分の意味から,この部分が「一定程度うち消す」という意味になるはずだと読み取れる。選択肢はそれぞれ,1.mitigate「緩和する」,2.instigate「そそのかす」,3.eradicate「根こそぎにする」という意味だから,そのような意味に近いのは1だと判断できるが,3つの選択肢とも難度の高い語彙で,正解できれば素晴らしい。

■ 第12段落
12:1 ブドウ糖の恩恵は,本文冒頭で言及したイスラエルの仮釈放会議の研究では紛れもなかった。
12:1 The benefits of glucose were [18] (1. unmistakable 2. inconsequential. unobservable) in the study of the Israeli parole board mentioned at the beginning of this article.
12:2 午前半ばに,仮釈放会議は休憩することになり,判事はサンドイッチと果物を一つ振る舞われるようになった。
12:2 In midmorning, the parole board would take a break, and the judges would be served a sandwich and a piece of fruit.
12:3 休憩直前に出頭した囚人は,仮釈放を得られる可能性はほぼ20%にすぎなかったが直後に出頭した者は,おおよそ65%の可能性になった。
12:3 The prisoners who appeared just before the break had only about a 20 percent chance of getting parole, but the ones appearing right after had around a 65 percent chance.
12:4 さらに時が過ぎていくと,午前中には確率は再び下降し,実際囚人たちは昼食直前に判事の前に出るのを嫌がった。その時期に仮釈放になる可能性は,たったの10%であった。
12:4 The odds dropped again as the morning wore on, and prisoners really didn’t want to appear just before lunch: the chance of getting parole at that time was only 10 percent.
12:5 昼食後は,それが60%まで跳ね上がったが,といってもほんの短期間だけであった。
12:5 After lunch it soared up to 60 percent, but only [19] (1. somewhat 2. briefly 3. nominally) .
12:6 午後3時10分に出頭したユダヤ系イスラエル人の囚人が,暴行罪の刑からの仮釈放を与えられなかったのを覚えているだろうか。
12:6 Remember that Jewish Israeli prisoner who appeared at 3:10 p.m. and was denied parole from his sentence for assault?
12:7 彼は不運にも,昼食後の審理の6事例目であった。
12:7 He had the misfortune of being the sixth case heard after lunch.
12:8 しかし同じ犯罪で同じ刑に服していたもう一人のユダヤ系イスラエル人の囚人は幸運にも午後1時27分に出頭し,昼食後最初の事例となって,彼には仮釈放が与えられたのだった。
12:8 But another Jewish Israeli prisoner serving the same sentence for the same crime was lucky enough to appear at 1:27 p.m., the first case after lunch, and he was rewarded with parole.
12:9 彼には司法制度が機能している好例に思われたに違いないが,実はそれはおそらく事件の詳細よりも,判事のブドウ糖値の方により関係していたのである。
12:9 It must have seemed to him like a fine example of the justice system at work, but [20](1. in addition 2. in actuality 3 . In sum) , it probably had more to do with the judge’s glucose levels than the details of his case.
・解答 [18]―1
>[18]設問部分は「ブドウ糖の恩恵は,本文冒頭で言及したイスラエルの仮釈放会議の研究でも(    )だった」という意味。この後に述べられる事態は,糖分補給による仮釈放認定率の顕著な上昇である。よって「恩恵は明らかだ」といった意味にするのがふさわしいと判断できる。選択肢はそれぞれ,1.unmistakable「誤解しようもない,紛れもない」,2.inconsequential「取るに足りない」,3.unobservable「見きわめられない」という意味だから,正解は1に決まる。

・解答 [19]―2
>[19]設問部分は「昼食後は,それが60%に跳ね上がったが,といっても(    )にすぎなかった」という意味。次の文からは,3時10分には,昼食の効果は切れていたことがわかる。昼食が1時過ぎに終わったとすれば,ほんの2時間で無効となったわけだから,この部分は「短時間しかもたない」という意味になるはずだとつかめる。選択肢はそれぞれ,1.somewhat「幾分」,2.briefly「短期間に」,3.nominally「名目的に」という意味だから,正解は2だと判断できる。

・解答 [20]―2
>[20]設問部分は「彼には司法制度が機能している好例に思われたに違いないが(    )それはおそらく事件の詳細よりも,判事のブドウ糖値の方により関係していたのである」という意味。よって,この部分が「事件の事情より,むしろ血糖値が決め手だった」という記述になっていると読み取れる。選択肢はそれぞれ,1.in adition「加えて」,2.in actuality「実は」,3.in sum「要するに」という意味だから,上記の論理関係に近いのは,2だとわかる。




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