慶應義塾大学SFC 総合政策学部 英語 2014年 大問二 語法三択問題

■ 第1段落
1:1 もし人権が通貨であるとするなら,過去数十年間にわたって国際機関によって採択された人権条約と法的拘束力のない国際文書の数の総インフレのおかげで,その価値は急低下することになろう。
1:1 If human rights were a currency, its value would be in free fall, thanks to a gross inflation in the number of human rights treaties and nonbinding international instruments adopted by international organizations over the last several decades.
1:2 These days, this currency is sometimes more likely to buy [31](1. cover 2. front 3. back) for dictatorships than protection for citizens.
1:3 Human rights once enshrined the most basic principles of human freedom and dignity; today, they can include anything from the right to international solidarity to the right to peace.
>[31]設問部分は「今日,この通貨は時に,市民の保護より,独裁制の(    )をあがなうことになる可能性の方が高い」という意味。選択肢はそれぞれ,1.cover「隠れ養」,2.front「前部」,3.back「後部」という意味だから,1を選ぶと文意が通る。他では意味不明となる。空所の直後のdictatorships「独裁政権」の意味がわかるかどうかがキーポイント。

■ 第2段落
2:1 Consider just how enormous the body of binding human rights law has become.
2:2 自由権プロジェクトは,私たちが共同で設立した研究団体であるが,そこの計算では,国連と欧州会議の主催する人権関連協定は64にも上っている。
2:2 The Freedom Rights Project, a research group that we cofounded, counts a full 64 human-rights-related agreements [32] (1. By 2. Under 3. With) the auspices of the United Nations and the Council of Europe.
2:3 この両組織に加盟して,そのすべてを批准した国は,1377の人権規定(これらには,実体法というより技術的なものもあるけれど)に従わねばならないであろう。
2:3 A member state of both of these organizations that has ratified all these agreements would have to comply with 1,377 human rights provisions (although some of these may be technical rather than substantive).
2:4 それに加えて,国連総会や人権理事会(HRC)の決議のような数百もの条約外協定がある。
2:4 Add to this the hundreds of non-treaty instruments, such as the resolutions of the UN General Assembly and Human Rights Council (HRC).
2:5 今や人権法の総体には,タックスコードがもっている利用のしやすさがすべて備わっている。
2:5 The aggregate body of human rights law now has all the [33](1. feasibility 2. Accessibility 3. Durability) of a tax code.
>[32]設問部分は「国連と欧州会議の主催する人権関連協定は64にも上っている」という意味になると考えられる。under the auspices of Aで「Aの主催のもとで」という意味になる。auspiceは「庇護,保護,援助」といった意味だから,それを知っていれば前置詞は2のunderが意味上ふさわしいとわかる。

>[33]設問部分は「今や人権法の総体には,税コードがもっている(    )がすべて備わっている」という意味。選択肢はそれぞれ,1.feasibility「実行可能性,実現可能性」,2.accessibility「利用のしやすさ,わかりやすさ」,3.durability「耐久性,永続性」という意味。本文は人権規定が増えに増えている事態を説明しているのだから,どんな事態にでも関連する「人権」規定がある,それはタックスコードの利便性にも匹敵するという意味だと読めば,文意が通る。そのような意味になるのは,2しかない。

■ 第3段落
3:1 人権の支持者たちはこうした規制の急増に懸念をもつべきである。
3:1 Supporters of human rights should worry about this explosion of regulation.
3:2 人権を要求するには,まず人権が理解可能でなくてはならない。行政的な規制の現在の官僚主義的混乱を考慮すれば,これは無理な注文である。
3:2 If people are to demand human rights, then they must first be able to understand them― [34](1. a big shot 2. a tall order 3. a magic number) given the current bureaucratic tangle of administrative regulation.
3:3 この問題を作り出しているのは,特定の人権に対する相容れない規範の採択である。
3:3 [35](1. Adopting 2. Solving 3. Compounding) this problem is the adoption of conflicting norms on particular human rights.
3:4 例えば,1948年の世界人権宣言は,無条件に「何人も思想,表現の自由という権利を有する」と述べている。
3:4 For example, the 1948 Universal Declaration of Human Rights states, without qualification, that “everyone has the right to freedom of opinion and expression.”
3:5 しかし冷戦の間,共産主義国家の扇動によって,いまでも国際的な人権体系の中心にある市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)といった国際協定は,表現の自由との原初的な対立の解決方法について明瞭な指針は何もないまま,ある種の「ヘイトスピーチ」を禁じたのだった。
3:5 Yet during the Cold War, at the instigation of communist states, conventions such as the International Covenant on Civil and Political Rights (ICCPR), which is still [36](1. on 2. at 3. by) the heart of the international human rights system, prohibited certain forms of ” hate speech,” with no clear guidelines on how to resolve the inherent conflict with freedom of expression.
3:6 この法的,道徳的な混乱の結果として生じるのは,今や時に人権は自由な言論を保護するというより,制限するのに使われるということなのだ。
3:6 The consequence of this legal and moral confusion is that human rights are now sometimes [37](1. invoked 2. provoked 3. revoked) to restrict rather than protect free speech.
3:7 いくつかの国連加盟国は,エジプトやパキスタンを含め,宗教にかかわる侮蔑的な発言は, ICCPRのもとで禁じられている宗教的な憎悪の擁護に当たると主張している。
3:7 Several UN member states, including Egypt and Pakistan, insist that derogatory statements about religion [38](1. contradict 2. rationalize 3.constitute) advocacy of religious hatred, which is prohibited under the ICCPR.
>[34]設問部分は「行政的な規制の現在の官僚主義的混乱を考慮すればこれは,(    )である」という意味。選択肢はそれぞれ,1.a big shot「有力者,お偉方」,2.a tall order「無理な注文」,3a magic number「マジックナンバー,重要な数字」という意味。tall orderが「無理な注文」という意味だということを知っていれば,2を選ぶことができる。

>[35]設問部分は「この問題を(    )しているのは,特定の人権に対する相容れない規範の採択である」という意味。まずこの文が元はThe adoption of … rights is (    )ing this problem.という文であり,be動詞を中心にして,その文の左右を入れ替えて成立した文であることをつかむ(単なるVSという倒置ではないことに注意)。そうすると空所部分には,「問題を作り出している」という意味がふさわしいと読み取れる。選択肢はそれぞれ,1adopting「採択している」,2.solving「解決している」,3.compounding「作り出している」という意味だから,3が正解だとわかる。

>[36]設問部分は「それは今でも国際的な人権体系の中心にあるのだが」という意味で,the heart of A「Aの中心」の前に置く前置詞の知識が問われている。at the heart of A「Aの中心に」は,必修表現の一つである。

>[37]設問部分は「今や,時に人権は自由な言論を保護するというより,制限するのに(    )される」という意味。選択肢はそれぞれ,1.invoke「行使される」,2.provoke「挑発される」,3.revoke「取り消される」という意味だから,正解は1である。この3つの選択肢の動詞はそれぞれin + voke(= call)「呼び入れる」(このinは「中へ」の意味で「非・不」ではない),pro + voke「前方へ呼ぶ = 呼び出す」,re + voke「後方へ呼ぶ=呼び戻す」という構成になっていることを知っていると解答が楽だっただろう。

>[38] 設問部分は「宗教にかかわる侮蔑的な発言は,宗教的な憎悪の擁護を(    )する」という意味。文意からここには「〜に相当する」という意味の語が入ることがわかる。選択肢はそれぞれ,1は「矛盾する」2は「合理化する」,3は「構成する」という意味だからそのような意味になりそうなのは,3しかないことがわかる。

■ 第5段落
5:1 しかし,人権法規の増大の背後にはさらに暗い意図もまたある。
5:1 But there is also a darker agenda behind the expansion of human rights law.
5:2 平易にいえば,反自由主義的な国家は,人権法規を拡大して,その陰に隠れる余地を作ろうと努めてきた。
5:2 Put simply, illiberal states have sought to stretch human rights law to give themselves room to hide behind it.
5:3 そうした国々はそれを自由主義諸国に対する政治的な攻撃を仕掛けるのに使いさえしたのだ。
5:3 They have even used it to [39](1. mitigate 2. mount 3. avoid) political attacks against liberal states.
5:4 国際連合のしばしば機能不全を起こすHRCを批判的に見ることは,説明の例証となる。
5:4 A critical look at the UN’s often-dysfunctional HRC is illustrative.
5:5 HRCは条約を採択することも拘束力のある決議案を通すこともできないけれども,新しい人権規準を開発したり,国際的な人権論争を生み出したりする重要な議場なのである。
5:5 Although it cannot adopt treaties or pass binding resolutions, the HRC is an important forum for developing new human rights standards and shaping the international human rights discourse.
5:6 人権の尊重度で判断すれば,その会員資格は広い範囲におよび,民主主義国から独裁国家まである。
5:6 Judged by respect [40](1. to 2. on 3. for) human rights, its membership covers a wide spectrum, from democracies to tyrannies.
>[39]設問部分は「そうした国々はそれを自由主義諸国に対する政治的な攻撃を(    )するのに使いさえしたのだ」という意味。選択肢はそれぞれ,1.mitigrate「和らげる,緩和する」,2.mount「乗せる,取り掛かる」,3.avoid「避ける」という意味。文意からここには「攻撃を行う」という意味になる言葉を入れなければならない。1や3ではそういう意味にはならないが2だとmount an attackで「攻撃を仕掛ける」という意味があるので文意が通る。


■ 第7段落
7:1 逆に,「部分的に自由な」国々と「自由のない」国々は第3世代の権利の主要な支持者となったのである。
7:1In contrast, “partly free” and “not free” states have become the main proponents of third generation rights.
7:2 当然,その大半にとっては,このような関与は実際には,ほとんど無意味である。なぜなら自国で法の支配を守らない国々が国際的な法的義務を真剣に受け止めることなどほとんどないからである。
7:2 For most of them, of course, these commitments in practice mean very little, since countries that do not adhere to the rule of law at home [41](1.freely 2. strictly. rarely) take international legal obligations seriously.
7:3 しかし,こうした新たな人権の擁護者として姿を現すことによって,そうした国々は自由主義諸国を道徳的に優位な立場からたたき落とし,自らの政治的な正当性を強化しようと努めるのである。
7:3 But by presenting themselves as the champions of these new human rights, they seek to knock liberal states off the moral high ground and shore up their own political legitimacy.
>[41]設問部分は「自国で法の支配を守らない国々が(    )国際的な法的義務を真剣に受け止める」という意味。ここでは「真剣に受け止めたりはしない」という否定文脈でないと,文意が通らない。選択肢はそれぞれ,1.freely「自由に」,2.strictly「厳密に」,3.rarely「めったにない」という意味だから,前述の検討から正解は3以外にない。

■ 第8段落
8:1 HRCの直近の会期で何が起きたかを考えてみよう。キューバが2つの決議案の形で,第3世代の権利に関する決議案を提起するのに成功した時のことである。
8:1 Consider what happened at the most recent session of the HRC, when Cuba successfully sponsored resolutions on third-generation rights in the form of two resolutions:
8:2 それは(1)人権と国際的連帯と(2)平和の権利の推進という形であった。
8:2 (1) Human Rights and International Solidarity and (2) Promotion of the Right to Peace.
8:3 前者の決議案は,一つには開発援助を国家にとっての「人権」とすることを目指していたのだが,賛成32票・反対15票で通過成立した。
8:3 The former resolution, in part [42](1. shot 2. fired 3. aimed) at making development aid a “human right” for states, passed with 32 votes in favor and 15 against.
8:4 賛成32ヵ国のうち10ヵ国だけが「自由」(西欧諸国は1ヵ国もなし)な国で,15ヵ国は「一部自由」,7ヵ国は,エチオピアとモーリタニアを含めて「自由のない」国であった。
8:4 Of the 32 states in favor, only ten were “free” (none of them Western), 15 were “partly free” and seven, including Ethiopia and Mauritania, were “not free.”
8:5 「一部自由」のモルドバを除いて,反対票を投じた15ヵ国はすべて「自由」な国だった(ヨーロッパ諸国に加えて,アメリカ合衆国,日本,韓国)。
8:5 With the exception of “partly free” Moldova, the 15 countries that voted against were all “free” (European states joined by the United States, Japan, and South Korea).
>[42]設問部分は「前者の決議は,一つには開発援助を国家にとっての『人権』とすることを(    )されたのだが」という意味。選択肢はそれぞれ,1.shot「撃った」,2.fired「発砲した」,3.aimed「目指していた」という意味だから、「決議が撃った」ではなく「決議が目指していた」の方が文意にふさわしいと判断できる。よって、正解は3である。選択肢の直後にある at に注目できると楽であっただろう。aim at「~を目指す」

■ 第9段落
9:1 同様の過程が,普遍的・定期的レビューという,国連加盟国すべてが4年半に一度受けなければならない人権検査でも生じている。
9:1 A similar process [43](1. Play 2. Breaks 3. Comes) out at the Universal Periodic Review, a human rights exam that all member states at the UN have to undergo every four and a half years.
9:2 2009年にまさしく人権侵害国である北朝鮮が,キューバやイラン,ロシア,シリアから,「平等と社会正義を保障する社会主義の公正な社会を強化する」のに努めていることにより称賛を受けた。
9:2 In 2009, no less a human rights abuser than North Korea received praise from Cuba, Iran, Russia, and Syria for working “to consolidate a socialist and just society, which guarantees equality and social justice.”
9:3 2013年5月には北朝鮮とスーダンが,今度はキューバを「第3世代の人権,とりわけ国際的な連帯の価値の継続的な発展に国連機構を通じて努める」よう奨励した。
9:3 In May 2013, North Korea and Sudan [44](1. By turns 2. In turn 3. Out of turn) encouraged Cuba to “work through the UN mechanism in progressive development of the third generation of human rights, particularly the value of international solidarity.”
>[43]設問部分は「同様の過程が、普遍的・定期的レビューという、国連加盟国すべてが4年半に一度受けなければならない人権検査でも(    )」という意味。ここは「同じ事態が別の場面でも生じる」という意味の文になれば、文意が通ると読み取れる。選択肢はそれぞれ、1.play out「生じる、展開する」、2.break out「突然起きる」、3.come out「現れる、出てくる」という意味だが、come outは「隠れていたものが(どこかから)出てくる」という文脈で使うのが普通。ここでは、既に明らかになっている事態なので1のplay out「生じる」が正解であるが、play outの意味を知らないと、選びにくいだろう。

>[44]設問部分は「2013年5月には北朝鮮とスーダンが、(    )キューバを『…に努める』よう奨励した」という意味。前文より、空所には「立場が入れ替わって、順送りで」という意味になる表現が入るとわかる。選択肢はそれぞれ、1.by turn「代わる代わる、交代で」、2.in turn「順に、今度は」3.out of turn「順番を狂わせて」という意味だから、最も適切なのは2であり、このような場合には「順に」ではなく「今度は」などと訳すと、英文の意味を自然に理解できる。

■ 第10段落
10:1 膨張し,希釈された人権の概念は,反自由主義的な国家が核心的な自由から,国家に具体的な義務を課すことのない,曖昧で概念の不明瞭な権利へと焦点をずらすことを可能にする。
10:1 The expanded and diluted notion of human rights allows illiberal states to change the focus from core freedoms to vague and conceptually unclear rights that place no concrete obligations on states.
10:2 そうした美辞麗句によって,人権侵害はその実体に応じて精査することができなくなってしまう。
10:2 Enabled by such rhetoric, no human rights violation can stand scrutiny on its own merits.
10:3 それどころか,人権侵害は相対化され,政治的に都合がよい場合には,知的に解体され捨てられてしまう。
10:3 Instead, human rights violations are [45](1. relativized 2. cited 3. observed) ―intellectually dismembered and discarded when it is politically expedient.
10:4 この世界では開発援助の削減は,北朝鮮の拷問とちょうど同じように人権侵害のレッテルを貼られることもありうる。
10:4 In this world, cuts in development aid can be labeled human rights violations just like torture in North Korea.
10:5 決定的なことに,人権をめぐるこの破廉恥な政略は独裁国家が批判をかわすのに手を貸すのである。
10:5 Crucially, this unprincipled politics of human rights helps authoritarian states deflect criticism.
10:6 2007年に,西半球最悪の人権記録の一つを保持しているキューバは,自国の人権記録を監視するための特定の命令を打ち切るよう,うまく大多数のHRC加盟国を言いくるめたのだった。
10:6 In 2007, Cuba, which has one of the worst human rights records in the Western Hemisphere, succeeded in persuading a majority of HRC members to axe the specific mandate for monitoring its own human rights record.
10:7 それゆえに,独裁制諸国が新たな,曖昧で抽象的な権利を支援しているらしきことによって,互いに振りまきあう称賛は,単なる空疎な美辞麗句ではなく,現実の政治的な利得を生みうるのである。
10:7 The praise authoritarian states shower on one another for [46](1. negatively 2. conversely 3.supposedly) upholding new, vague and abstract rights are therefore not just empty rhetoric but can produce real political gains.
>[45]設問部分は「それどころか、人権侵害は(    )され、政治的に都合がよい場合には、知的に解体され捨てられてしまう」という意味。「それどころか」とあるから、前文に述べられた事態より、さらに悪い事態が示されることが読み取れる。そうすると、「人権侵害が調査を受けるどころか、悪いことでさえなくなってしまう」という意味の文になることがわかる。選択肢はそれぞれ、1は「相対化される」、2は「引用される」3は「観察される」という意味だから、1を選ぶと「人権侵害が絶対的な悪でなくなって〔相対化され〕、いいように扱われる」という内容になり、本文の文脈にふさわしい。

>[46]設問部分は「独裁制諸国が新たな、曖味で抽象的な権利を(    )に支援していることによって、互いに振りまきあう称賛は、単なる空疎な美辞麗句ではなく現実の政治的な利得を生みうる」という意味。「新たな、曖昧で抽象的な権利を支援している」という表現は、それ自体「善」であるが、「独裁諸国の行為は実は、そのような内実をもっているわけではない」というのが筆者の主張である。そうすると,ここには「見かけ上,~を支援していること」といった意味になる語句が入るはずだと読み取れる。選択肢はそれぞれ,1.negatively「否定的に」,2.conversely「逆に」,3.supposedly「建て前上,推定では」という意味だから,上記の検討に合致するのは3である。

■ 第11段落
11:1 不幸にも,人権社会の多くは権利の急増に懸念を表明するのに尻込みしてきたばかりでなく,しばしばその事態を主導してきた。
11:1 Unfortunately, much of the human rights community has not only shied away from expressing qualms about rights proliferation, it has often led the process.
11:2 しかしこの取り組みは,自由主義国と反自由主義国とを分け隔てる核心的自由を前進させるのに役立たなかった。
11:2 But this approach has not helped advance the core freedoms that make the difference between liberal and non-literal states.
11:3 フリーダムハウスによれば,基本的な市民権自由権の尊重が地球全体で減少するのは連続7年目である。
11:3 According to Freedom House, global respect for basic civil and political rights is in decline for the seventh consecutive year.
11:4 もちろん,反自由諸国が去勢したいと思っているのは,まさにそうした基本権なのである。
11:4 Of course, it is exactly those basic rights that non-free states want to neuter.
11:5 あらゆるものが人権であると定義することができると,そうした権利を侵すことにかかる割増金は低くなる。
11:5 [47](1. Unless 2. When 3. Though) everything can be defined as a human right, the premium on violating such rights is cheap.
11:6 株を上げて,人権の有効性を確保するためには,人権を擁護する者は,しばしば少ない方が得なのだということを知る必要がある。
11:6 To raise the stock and ensure the effectiveness of human rights, their defenders need to acknowledge that less is often more.
>[47]設問部分は「あらゆるものが人権であると定義することができる(    ),そうした権利を侵すことにかかる割増金は低くなる」という意味。「あらゆるものが人権であると定義することができる」ならいたるところに人権がある,ということであり,「たくさんあるものには価値がなく,わずかしかないものには価値がある」というのがこの世界の原則なのだから,「たくさんあるものを侵害したときの罰則は軽くなる」と予想できる。この予想は,本文の主節と同じである。よって,ここに入るのは「〜するならば」という意味の接続詞になる。選択肢はそれぞれ,1.unless「〜のでない限り」,2.when「〜ときに」,3.though「〜にもかかわらず」という意味だから,正解は2である。

■ 第12段落
12:1 世界の人権尊重は,人権法規がより狭くより明瞭に定義された一連の権利に絞り込まれていたなら,多分より力を増していくことだろう。
12:1 Respect for human rights around the world would likely be stronger if human rights law had stuck to a narrower and more clearly defined group of rights.
12:2 人権運動家や国際機関の努力と力量は大いに注目の的となっていたことだろう。
12:2 The efforts and resources of human rights advocates and international institutions [48](1. must 2. would 3. Shouldn’t) have been much more targeted.
12:3 より大きな関心が集まることで,よりよい監視と強力な実施もまたなされていたかもしれない。
12:3 Greater focus might have also resulted in better monitoring and more robust enforcement.
12:4 反自由主義的な国家は,人権を主張することはおろか,人権に訴えて自由主義諸国を非合法だと言うこともできなかっただろう。
12:4 Illiberal states would not have been able to lay any claim to human rights―let alone invoke them to delegitimize liberal states.
12:5 自由主義諸国はまた,HRCとは違って,実際に改革を通じた改善の見込みを提供してくれる人権機関に力を集中してもよかったのだ。
12:5 Liberal states might have also concentrated their efforts on human rights institutions that, unlike the HRC, actually offer prospects of improvement through reform.
12:6 例えばストラスブールに本拠を置く欧州人権裁判所は,一つにはその解釈論的な逸脱によって,既存の権利の拡大と,新権利の創設を見てきたのだが,同裁判所は英国といった重要加盟国の信頼を失いつつある。
12:6 The Strasbourg-based European Court of Human Rights, for example, partly through its own interpretive overreach, which has seen it [49](1. legalize 2. expand 3. denounce) existing rights and invent new ones, is losing credibility in some important member states such as the United Kingdom.
12:7 欧州諸国はこれまで十分に欧州最古の人権機関の危機に対処してこなかったのだ。
12:7 European states have not done enough to address the crisis of Europe’s oldest human rights institution.
>[48]設問部分は「人権運動家や国際機関の努力と力量は大いに注目の的となっていた(    )」という意味。前文にある先行するif節の2つ目の帰結節であり,「人権法規がより狭くより明瞭に定義された一連の権利に絞り込まれていたなら」という条件から導き出される結論であることから,「…努力と力量は,大いに注目の的となっていただろう」となるべきである。選択肢はそれぞれ,1.must「〜にちがいない」,2.would「〜ことだろう」,3.shouldn’t「〜べきでなかった」という意味だから,前述の検討にふさわしいのは仮定法の2だと判断できる。

>[49] 設問部分は「ストラスブールに本拠を置く欧州人権裁判所は,一つにはその解釈論的な逸脱によって,既存の権利を(    )し,新権利を創設するのを見てきた」という意味。「解釈論的な逸脱」が起きれば「権利」の解釈の幅が広がって「それまで権利でなかったものまで権利になる」という事態が生じるはずである。選択肢はそれぞれ,1.legalize「合法化する」,2.expamd「拡大する」,3.denounce「非難する,告発する」という意味だから前述の検討に当てはまるのは2だと判断できる。

■ 第13段落
13:1 あわてて今はやりの人権――高齢者の保護であれ,農民の保護であれ――に反応するのではなく,自由主義的民主主義国は,まず最初に人権運動を鼓舞してきた理想を体現する機関や条約を保護しなければならない。
13:1 Instead of rushing to respond to the human rights flavor of the month― [50](1. have 2. get 3. be) it protecting the elderly or defending the peasants―liberal democracies should support institutions and treaties that embody the ideals that inspired the human rights movement in the first place.
>[50]設問部分が「あわてて今はやりの人権一高齢者の保護であれ農民の保護であれ一に反応するのではなく…」という意味。この設問は,「譲歩」の定型表現の知識を試すもの。be(V=仮定法現在)it(S)protecting(C)〜という倒置表現は,「たとえそれが~を保護することであれ」という「譲歩」の意味となる。そして,これがwhether it may be protecting … とほぼ同意だということも含めて,必修知識の一つである。




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