千葉大学 教育学部 2000年 小論文2 解答例

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  • 設問

日本の女性が生涯に生む子供の数は減少し、「少子化」の傾向がつづいています。次の資料を参考にして、その原因と社会的な背景について、あなたの考えを述べなさい。(1000字以内)

 

 

  • 答案構成

このような場合、まず、資料から読み取れることを議論の整理として述べる。そして、問題発見として資料の示唆するところを読み取り、原因分析として自らの考えを述べると良い。設問の主眼は「少子化」の原因と社会的背景を読み取ることであるため、自らの考える原因について深くまで解決策を吟味する必要はないが、基本的に5STEPに従って書くと良い。

 

  • 答案例

 

  1. 議論の整理

まず、表1における女性一人当たりの出生率は年々低下している。次に、表2を見ると夫婦の理想の子供数と平均出生児は大きな低下は見られない。そして、図1の夫婦の理想の子供数と平均出生児数については2人、3人の子供を望む夫婦が八割以上を占めるが、実際の子供数は3人以上が減少し、2人以下が増加している。

 

  1. 問題発見

さて、資料によると女性一人当たりの出生率の低下は顕著であるが、ここでいう女性は未婚者をも含んでいる。さらに、実際に夫婦の間から生まれる子供の数にはあまり大きな変化は見られない。つまり、既婚女性が出産する子供の数はあまり変化がないのに対して、女性全体が出産するとされる子供の平均数は低下しているのである。また、一般的には婚外子の割合はそう多くはなく、既婚女性に比べると未婚女性から出生する子供の数はかなり少ないと言える。このように考えると、女性一人当たりの出生率のみ低下しているのは未婚女性が増えていると考えられる。さらに、夫婦間の実際の子供数は理想より減っていることにも留意する必要がある。

 

  1. 原因分析

これまでのことをまとめると、「少子化」の背後には、子供を出産することが少ない未婚女性が増えていることが考えられる。さらに、夫婦にも理想通りの数の子供をもうけることができないという問題があり、出生率の上昇に寄与できていない。言い換えれば、未婚女性が増加し、既婚女性も望んだ通りの数の子供を出産できていないことが「少子化」の原因であると考える。まず、未婚女性の増加の原因は女性の社会進出が進展したことが考えられる。例えば、1986年には男女雇用機会均等法が施行され、97年に一部改正された。こういった取り組みにより女性がオフィスワークに従事しやすくなったため、男性に頼ることなく金銭的に自立した女性が増え、結婚の金銭的誘因が減少した。一方で、90年代はバブル景気の崩壊で経済的不況が続く時代である。そのため、非正規雇用として働く男性が増加するなど、所得の上昇はかなり鈍化している。子供をもうけ、成人するまで育てることは、衣食住、教育など莫大な支出を伴う。つまり、女性の社会進出が進み、経済的に自立する女性が増加しても、男性の所得は低迷しておれば、夫婦として多くの子供を育てるまでの経済的余裕はない。そして、経済的に自立した女性自体、自身のキャリアのこと、金銭的誘因の減少により結婚に消極的であると考えれば、夫婦が望んだ通りの数の子供をもうけられないこと及び未婚女性の増加は合理的な帰結である。

 

 

 

 

まず、表1における女性一人当たりの出生率は年々低下している。次に、表2を見ると夫婦の理想の子供数と平均出生児は大きな低下は見られない。そして、図1の夫婦の理想の子供数と平均出生児数については2人、3人の子供を望む夫婦が8割以上を占めるが、実際の子供数は理想より少ない。

さて、資料によると女性一人当たりの出生率の低下は顕著であるが、ここでいう女性は未婚者をも含んでいる。さらに、実際に夫婦の間から生まれる子供の数にはあまり大きな変化は見られない。つまり、既婚女性が出産する子供の数はあまり変化がないのに対して、女性全体が出産するとされる子供の平均数は低下しているのである。また、一般的には婚外子の割合はそう多くはなく、既婚女性に比べると未婚女性から出生する子供の数はかなり少ないと言える。このように考えると、女性一人当たりの出生率のみ低下しているのは未婚女性が増えていると考えられる。さらに、夫婦間の実際の子供数は理想より減っていることにも留意する必要がある。

つまり、「少子化」の原因には、子供を出産することが少ない未婚女性が増えていることが考えられる。さらに、夫婦にも理想通りの数の子供をもうけることができないという問題があり、出生率の上昇に寄与できていない。まず、未婚女性の増加の原因は女性の社会進出が進展したことが考えられる。例えば、1986年には男女雇用機会均等法が施行され、97年に一部改正された。こういった取り組みにより女性が家庭の外で労働に従事しやすくなったため、男性に頼ることなく金銭的に自立した女性が増え、結婚の金銭的誘因が減少した。一方で、90年代はバブル景気の崩壊で経済的不況が続く時代である。そのため、非正規雇用として働く男性が増加するなど、所得の上昇はかなり鈍化している。子供をもうけ、成人するまで育てることは、衣食住、教育など莫大な支出を伴う。つまり、女性の社会進出が進み、経済的に自立する女性が増加しても、男性の所得は低迷しておれば、夫婦として多くの子供を育てるまでの経済的余裕はない。そして、経済的に自立した女性自体、自身のキャリアのこと、金銭的誘因の減少により結婚に消極的であると考えれば、夫婦が望んだ通りの数の子供をもうけられないこと及び未婚女性の増加は合理的な帰結である。(949字)

 

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