千葉大学 教育学部 2001年 小論文3 解答例

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  • 設問

次の表は、総務庁の『第5回世界青年意識調査』の中の「年老いた親の扶養についての意識」を表しています。この表をみて、他の国と比較した日本の特徴を明らかにするとともに、この結果の社会的背景及びわが国の高齢者福祉の方向について論じなさい。(1000字以内)

 

  • 答案構成

はじめに、表からわかる日本の特徴を総論・結論として述べて、その根拠および具体例として表から見て取ることができる具体的な理由を述べると良い。次に、ここで述べた日本の特徴を議論の整理、問題発見と位置付けて、社会的背景を考察しながらその原因分析を行う。そして、分析した結果明らかになった原因に対して解決策として高齢者福祉のありかたについて述べる。最後にそれを吟味する。つまり、結論・根拠・具体例という図式と5STEPを組み合わせて答案を書くと良い。図式的に表せば、

[結論→根拠・具体例]=議論の整理・問題発見→原因分析→解決策→吟味

となる。

 

 

  • 答案例
  1. 結論・総論

表によると日本では年老いた親の扶養に関して、自身ですべて負担するという意識が他国に比べ薄く、自身のできる範囲で負担を負うという考えがかなり強いことがわかる。

 

  1. 根拠・具体例

なぜなら、日本において「どんなことをしてでも親を養う」と答えた青年の割合は表中の11か国で最も低く、「自分の生活力に応じて親を養う」と答えた割合は最も高いのである。

 

  1. 原因分析

このような日本の特徴をふまえて表中の結果を概観すれば、「どんなことをしてでも親を養う」と答えた人の割合が比較的少ないのは日本、スウェーデン、ドイツ、イギリスであり、これらの国々は「自分の生活力に応じて親を養う」と答えた人の割合が比較的多い。これと逆の傾向を示した国は、フィリピン、韓国、ロシア、アメリカである。

以上の事実から、高齢になった親の扶養意識をめぐる社会的背景を考える。まず、日本、スウェーデン、ドイツ、イギリスも諸国に先んじて高齢化が進んでおり、同時に社会保障制度が整備されている。次に、フィリピン、韓国、ロシアは1993年時点においては経済的に必ずしも豊かとはいえない発展途上国であり、社会保障制度も未整備である、また、アメリカも社会格差が大きく、社会保障制度に関しては充実しているとはいえない。

 

  1. 解決策

すなわち、社会保障制度が整備された高齢化社会では、高齢者の扶養責任を子供が全て負わなければならないという意識は薄くなり、公的制度への依存が増加する。反対に、社会保障制度が未整備であれば、公的制度に頼ることができず、子供が高齢の親を絶対に扶養しなければならないという強い責任感が生まれる。

しかし、日本のような社会で高齢化がさらに進展すると生産年齢人口は相対的に減少し、現行の社会保障制度の維持が困難になり、高齢者福祉のありかたも変質する。とりわけ、財政的に制度運用が困難になるため、社会保険料の値上げや各種税金の増税など国民の負担増加が予想される。そのため、制度運用を支える財源を含めた社会保障制度の抜本的な見直しも必要である。さらに、中央政府による制度設計によって共助を担保するほかにも、行政が担う公助、高齢者を地域社会で支えるといった互助、そして自助という主体ごとの取り組みが求められる。

 

  1. 吟味

その中で、公助・共助に関しては財政的な限界もあるため、自助・互助へより重点を置くべきである。そして、薄れがちな自助・互助に対する国民への意識づけを行政がしっかりと行う必要がある。

 

 

表によると日本では年老いた親の扶養に関して、自身ですべて負担するという意識が他国に比べ薄く、自身のできる範囲で負担を負うという考えがかなり強いことがわかる。

なぜなら、日本において「どんなことをしてでも親を養う」と答えた青年の割合は表中の11か国で最も低く、「自分の生活力に応じて親を養う」と答えた割合は最も高いのである。

このような日本の特徴をふまえて表中の結果を概観すれば、「どんなことをしてでも親を養う」と答えた人の割合が比較的少ないのは日本、スウェーデン、ドイツ、イギリスであり、これらの国々は「自分の生活力に応じて親を養う」と答えた人の割合が比較的多い。これと逆の傾向を示した国は、フィリピン、韓国、ロシア、アメリカである。

以上の事実から、高齢になった親の扶養意識をめぐる社会的背景を考える。まず、日本、スウェーデン、ドイツ、イギリスも諸国に先んじて高齢化が進んでおり、同時に社会保障制度が整備されている。次に、フィリピン、韓国、ロシアは1993年時点においては経済的に必ずしも豊かとはいえない発展途上国であり、社会保障制度も未整備である、また、アメリカも社会格差が大きく、社会保障制度に関しては充実しているとはいえない。

すなわち、社会保障制度が整備された高齢化社会では、高齢者の扶養責任を子供が全て負わなければならないという意識は薄くなり、公的制度への依存が増加する。反対に、社会保障制度が未整備であれば、公的制度に頼ることができず、子供が高齢の親を絶対に扶養しなければならないという強い責任感が生まれる。

しかし、日本のような社会で高齢化がさらに進展すると生産年齢人口は相対的に減少し、現行の社会保障制度の維持が困難になり、高齢者福祉のありかたも変質する。とりわけ、財政的に制度運用が困難になるため、社会保険料の値上げや各種税金の増税など国民の負担増加が予想される。そのため、制度運用を支える財源を含めた社会保障制度の抜本的な見直しも必要である。さらに、中央政府による制度設計によって共助を担保するほかにも、行政が担う公助、高齢者を地域社会で支えるといった互助、そして自助という主体ごとの取り組みが求められる。

その中で、公助・共助に関しては財政的な限界もあるため、自助・互助へより重点を置くべきである。そして、薄れがちな自助・互助に対する国民への意識づけを行政がしっかりと行う必要がある。(994字)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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