慶應義塾大学 法学部 小論文 2004年 解説

・ 問題文
〔問題〕以下の文章を読み、著者の論議を踏まえて、あなたが考える「世界」についての未来像を自由に論じなさい。
・ 問題の解き方
 5STEPsで書いていく。
・ 模範解答
議論の整理……
筆者は、平和論について、勢力均衡に基づく平和、地政学的な平和、経済交流を通じた平和、国際法や国際機構の充実と浸透、といったように様々な種類の考え方があると整理している。その上で、国家間の利害対立を背景とした対立や、宗派間の信条の違いを背景とした対立は防ぎようもない以上、自発的意志による国際交流や、NGO・INGOの活躍が世界に平和をもたらすと筆者は主張している。
問題発見……
ここで、平和論について考える上で、私達は過去どのような平和論が破綻し、一方でどのような平和論が現実的説得力を持ってきたかについて整理する必要がある。
原因分析……
たとえば、筆者が主張するような国際法や国際機構の充実による平和は、実際のところ長続きしないことを第二次世界大戦の勃発は証明している。
その理由としては、国家というものは国民の生命・安全・財産を守る暴力装置であり、一部の国家の動きに足枷をはめる形での国際法や国際機構の整備は、いたずらにそうした国家の国民感情を刺激し、より強い(さらにいえば、そうした国際法や国際機構の意向に沿わない)指導者の誕生をそうした国の国民に期待させ、結局のところ新たな世界大戦をもたらすためである。
また、文化交流による平和の無力さも課題文中で紹介されているように無力であったし、勢力均衡に基づく平和や、地政学的な平和などについても状況の変化によりあえなく潰える可能性がある。
こうした平和論の最も大きな欠点は、性善説に立つことにある。こうした状況下ではあの国は自国に攻撃をしないだろうという、相手国の善意に期待することが結果として戦禍を招き続けている。
解決策……
こうした性善説に沿った平和論が、現実の平和になんら貢献しないことが判明した以上、我々は性悪説に立った平和論を構築すべきである。そもそも国家とは、国民の生命安全財産を守るためにも、自国の領土・領海・領空を始めとした国家の財産をなるべく広げようとする暴力装置である。そのような成り立ちである以上、戦争を抑止するには戦争になったら自国の財産が目減りするという危機感がなければならない。
たとえば、ゴールデンアーチ理論といわれる第二次世界大戦後の平和論は、そうした考えの一つである。これは、マクドナルドが進出している国家同士は、それぞれの国籍の企業が、お互いの領土内に財産を持っているため、それが政治家への圧力となり、まず戦争が起きないという考え方である。
解決策の吟味……
このような経済合理性を背景とした平和論は、現実に他の平和論よりも強い妥当性を持っている。なぜなら、利害関係者の利害得失を考えた時に、必ず不戦の方向へとかじを切ることになるためである。

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