慶應義塾大学 経済学部 入学試験 2003年 小論文 解答例

■ 設問

20世紀において家族生活がどのように変化したのかを,80字以上100字以内でまとめなさい。

 

[課題文] の下線部Aに関連して,次の設問に答えなさい。

20世紀後半からの社会状況が家族生活の揺らぎにどのような影響を及ぼしているのかを,高学歴化と性別役割分業という2つの用語を使って180字以上200字以内で説明しなさい。

 

[課題文] の下線部Bに関連して,次の設問に答えなさい。

近未来の家族生活の展開について,2つのシナリオに言及しながら,あなたの見解を460字以上500字以内で述べなさい。

 

設問Ⅰ

20世紀の100年間に,人口が3倍近くに増加し,実質的な個人消費支出が5倍以上になった。さらに,家計におけるエンゲル係数も60%から20%余りに低下し,より高い水準の生活を営むようになったことがわかる。(原稿用紙で95字相当)

 

設問Ⅱ

20世紀後半には,女性の高学歴化が進み,結婚しても仕事を辞めず男性と対等に仕事をしたいという女性が増えた。つまり外での仕事を対等にするならば,子育てなどの家事も分業するべきだと考える女性が増えた。そのため,これまでの「仕事は夫」「家事は妻」という性別役割分業という概念には収まらなくなった。また結婚,出産を望まない女性も増えたことから,これまでの家族生活に大きな変化を及ぼしている。(原稿用紙で190字相当)

 

設問Ⅲ

■ 答案構成

議論の整理→ 女性の社会進出

問題発見→ これからの家族生活はどうなるか

論証→ 女性を取り巻く環境

解決策or結論→ 働く女性への環境の整備

解決策or結論の吟味→ シナリオ1になる

■ 答案

議論の整理→ 女性の社会進出

19世紀末から20世紀後半にかけて家族生活が大きく変化した。それは専業主婦として家事と子育てに終始してきた女性たちが,高学歴化し,男性と同等の社会進出を果たすようになったからである。

問題発見→ これからの家族生活はどうなるか

ではこれからの家族生活が,再び人々の共通の目標として構築されることがある(シナリオ1)のか,それとも個々人を基盤とした,家族に代わる社会関係が新たに構築される(シナリオ2)のか。

論証→ 女性を取り巻く環境

家族生活の変化は,女性が男性と肩を並べて仕事をするようになり,対等に評価されるようになってきたことがその要因の1つではあるものの,それだけではない。保育所の数の問題や子どもの教育費の高騰により妻も働かざるを得ないなど,子育てに厳しい社会環境が,女性の結婚,出産を妨げている。また,いまだに根強く残る「家事,子育ては妻の仕事」という性別役割分業の考えが,働く女性の負担を増している。

解決策or結論→ 働く女性への環境の整備

これはすなわち,女性の就業意識が強まるにつれて,子育てに対する社会的サポートの環境整備や家庭内における男性の性別役割分業に対する考えを改める必要があることを示唆している。

解決策or結論の吟味→ シナリオ1になる

以上の考察から,今後はシナリオ1が示すような家族生活が主流になると考える。

 

 

19世紀末から20世紀後半にかけて家族生活が大きく変化した。それは専業主婦として家事と子育てに終始してきた女性たちが,高学歴化し,男性と同等の社会進出を果たすようになったからである。

ではこれからの家族生活が,再び人々の共通の目標として構築されることがある(シナリオ1)のか,それとも個々人を基盤とした,家族に代わる社会関係が新たに構築される(シナリオ2)のか。

家族生活の変化は,女性が男性と肩を並べて仕事をするようになり,対等に評価されるようになってきたことがその要因の1つではあるものの,それだけではない。保育所の数の問題や子どもの教育費の高騰により妻も働かざるを得ないなど,子育てに厳しい社会環境が,女性の結婚,出産を妨げている。また,いまだに根強く残る「家事,子育ては妻の仕事」という性別役割分業の考えが,働く女性の負担を増している。

これはすなわち,女性の就業意識が強まるにつれて,子育てに対する社会的サポートの環境整備や家庭内における男性の性別役割分業に対する考えを改める必要があることを示唆している。

以上の考察から,今後はシナリオ1が示すような家族生活が主流になると考える。(原稿用紙で490字相当)

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