慶應義塾大学 経済学部 2016年 小論文 過去問 解説

■ 問題

A.

 共和主義的政治理論の自由とはなにか。リベラルな自由と対比しながら、300字以内で説明しなさい。

B.

 たとえば、地球温暖化防止対策のように、次世代のために現在のわれわれがこうすを払うことは、われわれの自由と矛盾しないのだろうか。課題文の考え方を参考にして、自己統治、道徳などに触れながら、あなたの考えを300字以内で論じなさい。

■ 構成

A.

 そもそもこの課題文が何について触れているかをまとめながら、その共通点と相違点をそれぞれ書く構成になる。

共通の前提……
共和主義的政治理論の自由観は、自由は自己統治の分かち合いに支えられているというものである。また、リベラルな自由観は、自らの目的を自ら選ぶ能力として自由に考えた上で、中立的な権利の枠組みを定め、その内部で人々が自身の価値観や目的を選べるようにすべきというものである。これらの考え方は必ずしも矛盾するものではない。
それぞれの相違点……
しかし、共和主義的政治理論においては、共通善についての議論や政治共同体の運命へのコミットが自己統治を分かち合うことの意味なので、そのためには国民には一定の市民道徳が求められる。

B.

 5STEPで論じることのできる問題。

議論の整理……
次世代のために現在の私達がコストを払うことは、それが自ら望んだことであれば自分の自由と矛盾しない。
問題の発見……
ではここで、個人の希望の範囲を越えてコストを払うことは、個人の自由と矛盾するのかが問題となる。
原因の分析……
ここで、自分の子供以外にも、次世代の人々は自らの将来の生活を支えるという側面がある。こうした次世代の人々が何らかの善を共同体から得ることは、そのまま自分自身が何かしらの善を享受することにもつながりうる。個々人の希望の範囲外でこうしたコストを負担させるべきではないという議論もあるが、本来人間はこうした因果について十分理解し適切な行動を取ることができるものではないから、将来のためにコストを負担するなにがしかの仕組みは認めるべきである。
解決策・解決策の吟味……
よって、次世代のためにコストを払うこともまた、共同体の構成員と自己統治を分かち合うことの一部であり、個人の自由とは矛盾し得ない。

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