慶應義塾大学 経済学部 2017年 小論文 過去問 解説

■ 問題

A.

 ソクラテス的論者とはどのように議論する人なのか。課題文に基づき、200字以内で説明しなさい。

B.

 ソクラテス的なやり方で議論する能力を持つ人材は、組織(企業、行政機関など)において、どのような活躍ができるのか。また、そのためには、組織はどのような条件を備えることが必要か。課題文のみにとらわれず、あなたの考えを400字以内で論じなさい。

■ 構成

A.

 共通の前提→それぞれの相違点の順番で書く。

共通の前提……
ソクラテス的論者とは、リベラル教育を通じて、伝統や権威を盲信することなく、自分自身で考え議論できる人である。
それぞれの相違点……
そのため、既存の権威や仲間の圧力、周囲の集団の意見に安易に同調することがなく、常により妥当な方向を目指して物事を検証する批判的な態度を取る。一方で、相手に敬意を払い、その意見を公平に検証しようとする態度をとることで、各々の立場を明らかにし異なる意見の間で一つの結論を共有しようとする契機をつくることができるという一面もある。

B.

 議論の整理→問題発見→原因分析→解決策→吟味の順番で書く。

議論の整理……ソクラテス的論者の定義
ソクラテス的論者とは、自分自身で考え議論できる人である。こうした人々は組織にも批判的視点をもたらすことができるため、組織の成長には必要不可欠である。
問題の発見……ソクラテス的論者の働きを阻害するもの
しかし、こうした人々の働きを阻害する要因が企業や行政機関には多くある。
原因の分析……意思決定裁量の乏しさ
その一つが意思決定裁量の乏しさである。一人ひとりの意思決定裁量が乏しい故に、変革や改善を可能にするアイディアが乖顧みられなくなり、結果として組織に必要な変革が行われなくなる。
解決策……自由裁量を認める
こうした事態を防ぐためには、広く個々人に意思決定裁量を認めることが必要である。たとえば、コンセプトなどは上層部が判断するにしても、その実装については広く個々人に裁量を与えるなどの取り組みが必要となる。
解決策の吟味……裁量を認めない場合よりスピード感早く、意欲の高い取り組みが期待できる
こうした取り組みを行うと、裁量を認めない場合よりも、スピード感高く、意欲の高い取り組みが期待できるため、組織の成長を促進するものとなる。

■ 解答例

A.

ソクラテス的論者とは、リベラル教育を通じて、伝統や権威を盲信することなく、自分自身で考え議論できる人である。
そのため、既存の権威や仲間の圧力、周囲の集団の意見に安易に同調することがなく、常により妥当な方向を目指して物事を検証する批判的な態度を取る。一方で、相手に敬意を払い、その意見を公平に検証しようとする態度をとるという一面もある。(169文字)

B.

ソクラテス的論者とは、自分自身で考え議論できる人である。こうした人々は組織にも批判的視点をもたらすことができるため、組織の成長には必要不可欠である。
しかし、こうした人々の働きを阻害する要因が企業や行政機関には多くある。
その一つが意思決定裁量の乏しさである。一人ひとりの意思決定裁量が乏しい故に、変革や改善を可能にするアイディアが乖顧みられなくなり、結果として組織に必要な変革が行われなくなる。
こうした事態を防ぐためには、広く個々人に意思決定裁量を認めることが必要である。たとえば、コンセプトなどは上層部が判断するにしても、その実装については広く個々人に裁量を与えるなどの取り組みが必要となる。
こうした取り組みを行うと、裁量を認めない場合よりも、スピード感高く、意欲の高い取り組みが期待できるため、組織の成長を促進するものとなる。(369文字)

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