名古屋大学 法学部 2013年 小論文 過去問解説

■ 答案構成

問1.

1. ベーシックインカムの定義
2. ベーシックインカムの分類法

について5STEPの議論の整理の「共通の前提」と「それぞれの相違点」を応用して使う。

問2.

 これは、5STEPを使って解く。

1. 議論の整理→既存の公的扶助と雇用と社会保障を結びつけることの定義
2. 問題発見→既存の公的扶助の問題点と雇用と社会保障を結びつけないことの問題点
3. 原因分析→既存の公的扶助の問題点の原因と、雇用と社会保障を切り離すことの問題点の原因
4. 結果→ ベーシックインカム導入の賛否と、雇用と社会保障を結びつけることの当否
5. 結果の吟味→ 既存の公的扶助と、雇用と社会保障を結びつけない場合との比較

■ 答案例

1. ベーシックインカムの定義

ベーシックインカムは、基本的にはすべての市民に無条件に定期的に給付されるお金のことであるが、様々なバリエーションがある。

2. ベーシックインカムの分類法

ベーシックインカムの分類の仕方としては、すべての市民か一部の市民かという給付する対象別、生活維持が可能な金額かそれ未満かという給付金額別、一括か定期的かという給付する方法別、期間限定や所得制限や社会参加を条件にするという給付の条件別、給付の財源別がある。

ベーシックインカムは、基本的にはすべての市民に無条件に定期的に給付されるお金のことであるが、様々なバリエーションがある。ベーシックインカムの分類の仕方としては、すべての市民か一部の市民かという給付する対象別、生活維持が可能な金額かそれ未満かという給付金額別、一括か定期的かという給付する方法別、期間限定や所得制限や社会参加を条件にするという給付の条件別、給付の財源別がある。
(187文字)

1. 議論の整理→既存の公的扶助と雇用と社会保障を結びつけることの定義

ベーシックインカムとは、基本的にはすべての市民に、無条件にそして定期的に給付されるという考え方であることに対し、日本に既存の公的扶助は、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補足するという考え方である。また、雇用と社会保障を結びつけることとは、就労や求職活動を条件に所得を保障することに対し、雇用と社会保障を切り離すこととは、無条件に所得を保障することである。

2. 問題発見→既存の公的扶助の問題点と雇用と社会保障を結びつけないことの問題点

ここで日本に既存の公的扶助の問題点としては、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補完することである。

3. 原因分析→既存の公的扶助の問題点の原因と、雇用と社会保障を切り離すことの問題点の原因

たとえば、日本に既存の公的扶助は、生活保護制度のように、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補足することで、場合によっては、ある水準までは自分で所得を得ようが得まいが同じことになる。

4. 結果→ ベーシックインカム導入の賛否と、雇用と社会保障を結びつけることの当否

このように、日本の既存の公的扶助では、雇用と社会保障を切り離すことになり、経済的自立への意欲を奪ってしまう危険性がある。

5. 結果の吟味→ 既存の公的扶助と、雇用と社会保障を結びつけない場合との比較

一方、ベーシックインカムにも問題点は2つある。1つめの問題は、ベーシックインカムは、基本的には雇用と社会保障を切り離すという考え方だからだ。だが、アメリカの勤労所得税控除のような所得制限や、無償労働を活性化させようとする社会参加といった、アクティベーションの性格を持つ給付の条件があれば、雇用と社会保障を結びつけることが可能になる。2つめの問題は財源をどうするかということである。日本では、行政不信のゆえに税金の負担増への合意ができない。また、マレイの提唱のように、社会保障や福祉の制度を全廃して財源を調達するとなると、社会保障や福祉は個人任せになってしまうため、生活の維持が困難になる人が出てきて、雇用と社会保障を切り離すことが必要になる。よって、所得制限や社会参加の給付条件付きのベーシックインカムで、さらにベーシックインカムの財源の問題が解決されればベーシックインカムに賛成で、雇用と社会保障を結びつけることは妥当であると考える。

ベーシックインカムとは、基本的にはすべての市民に、無条件にそして定期的に給付されるという考え方であることに対し、日本に既存の公的扶助は、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補足するという考え方である。また、雇用と社会保障を結びつけることとは、就労や求職活動を条件に所得を保障することに対し、雇用と社会保障を切り離すこととは、無条件に所得を保障することである。
ここで日本に既存の公的扶助の問題点としては、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補完することである。
たとえば、日本に既存の公的扶助は、生活保護制度のように、所得の如何を問わずにある水準以下の所得を補足することで、場合によっては、ある水準までは自分で所得を得ようが得まいが同じことになる。
一方、ベーシックインカムにも問題点は2つある。1つめの問題は、ベーシックインカムは、基本的には雇用と社会保障を切り離すという考え方だからだ。だが、アメリカの勤労所得税控除のような所得制限や、無償労働を活性化させようとする社会参加といった、アクティベーションの性格を持つ給付の条件があれば、雇用と社会保障を結びつけることが可能になる。2つめの問題は財源をどうするかということである。日本では、行政不信のゆえに税金の負担増への合意ができない。また、マレイの提唱のように、社会保障や福祉の制度を全廃して財源を調達するとなると、社会保障や福祉は個人任せになってしまうため、生活の維持が困難になる人が出てきて、雇用と社会保障を切り離すことが必要になる。よって、所得制限や社会参加の給付条件付きのベーシックインカムで、さらにベーシックインカムの財源の問題が解決されればベーシックインカムに賛成で、雇用と社会保障を結びつけることは妥当であると考える。
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