早稲田大学 スポーツ科学部 2016年 小論文 過去問解説

1. 議論の整理→「高等学校における運動部の活動の現状」が指し示す事態の設定(最初の段落)
2. 問題発見→ 運動部の活動が教育機関で果たす役割の欠如(2段落目冒頭の問題提起)
3. 原因分析→ 心身育成の機会を提供することと教育課程がリンクしない、学校教育の一環として運動部が存在する理由の不在(2段落目全般)
4. 結果→ 心身育成以外の役割提示が必要(現状改善の必要性)(3段落目全般)
5. 結果の吟味→ 提示されない場合に与えられる役割候補への否定的言及(3段落目、最後の文章)

高等学校における運動部の活動の現状について改革すべきであると私は考える。とはいえ「運動部の活動の現状」という言葉が指し示すものはどのような高等学校を対象として考えるかに応じて変わってこざるをえない点をまず指摘しておく。甲子園常連校である私立高校とあくまで野球を運動の一環として放課後に楽しんでいる公立高校において運動部の活動が高校生活の中で果たす位置づけが異なるように共学の高校、男子校、女子校などにおいてもそれぞれ異なる。ゆえにここで改善すべきと私が考えることは個別具体的な現状や状況ではなくいかなる学校を対象にしてもにも当てはまる一般的な問題である。
その上で考えるべきは運動部の活動が教育機関において果たす役割の積極的な提示が現状欠けている点だ。運動部の活動において想定されていることは高校生の心身の健康な育成であろう。こうした機会を部活動が与えていることは事実だ。しかし高等学校が教育機関である以上、運動部の活動と教育課程の関連が積極的に示されなければならない。たとえば文化部の活動の場合、他の教育科目における興味関心の深化といった観点から関連を示せる。しかし運動部の場合、保健体育との関連を示すか、あるいは教育課程を含む高校生活を営むに足る心身の育成との関連を示す必要がある。前者は確かに模索できるが、後者については、すでにある程度の心身が前提とされていることこそ運動部での活動を行う必要条件である以上、運動部の活動がなければ育成されないようなものとは言い難い。
ゆえに前者を積極的に模索するか、別の役割を提示する必要がある。それがなされない限り、運動部の活動は学校の存在を対外的に知らしめるためにあるといった類の教育過程とは無縁な宣伝や広報の役割を担わされてしまう恐れがある。こうした役割が与えられてしまう時点で、教育機関内において果たすべき運動部の役割の不在が暗に立証されていると言えよう。(800文字)

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