横浜国立大学 教育人間科学部 2001年 小論文 過去問 解説

人口の減少と高齢化が進展するわが国において、少子化(あるいは出生率の低下)は、21世紀の日本の経済・社会に多様かつ深刻な影響をおよぼすことが懸念されている。そこで、次の図表を参考にして、少子化の主要な要因として指摘されている晩婚化と、その経済的・社会的背景に関わる以下の問いに答えなさい。

問1 図1を参考に、晩婚化の進行状況を説明しなさい。(120字以内)

男子は25歳以降の未婚率が30%程度上昇している。女子は20代での未婚率が30%上昇しているのに対して、30代では10%程度である。このことから、男女ともに結婚年齢のピークが5歳ほど遅れており、男性だと30歳代前半、女性だと20代後半に結婚する層が最も多い。

(118)

問2 問1で指摘した晩婚化がどのような経済的・社会的要因(高等教育機関への進学率、居住・就業形態、家庭内環境など)から生みだされていると考えられるか、図2・図3と表1を参考に述べなさい。(700字以内)

  1. 議論の整理→ 問1で完了

2. 問題発見→ 表からの読み取り
3. 原因分析→ 問題の掘り下げ、具体例の提示
4. 結果→ 結論
5. 結果の吟味→ 不要

 

 

 

 

 

 

  • 議論の整理

ここ40年の晩婚化の進行状況として、男女ともに結婚年齢のピークが5歳ほど遅れており、男性だと30歳代前半、女性だと20代後半に結婚する層が最も多いと考えられる。男性、女性に分けてその理由を考察する。(96)


(2)
 問題発見(問題の特定)

図表の内容を整理すると、この40年間で、家業を営む世帯よりも会社員として企業に属しながら都会で働く層が増加したと言える。また義務教育終了後すぐ家業に就くのではなく、進学し会社員として職に就く層が増加している。

 

(103)
(3)
 原因分析

これらの背景から男性、女性それぞれにおける晩婚化の原因を考察する。

男性の晩婚化については、雇用形態の変化と経済成長率が大きく影響していると考える。実家での家業に就くならば、結婚に際して家に迎え入れるという感覚になるため、個人の収入額は問題にならない。しかし、会社員だと、自分で一世帯分の収入を確保できるようになるまでに時間を要するため、結婚年齢が上昇するのではないか。

女性の場合は、進学率の上昇による影響が大きい。高等教育機関に進学したからこそ就業先の幅が広がり、家業よりも社会に出て仕事をしたいと考える層が増加したのではないか。しかし、働き方が変わっても、家庭内環境に目を向けると「家事は女の仕事」という価値観が蔓延している。学問を修めたのだから、家庭に入るより教養を生かしたい、と考える層が増えると、結婚年齢の増加につながるだろう。

 

(368)


(4)
 まとめ

晩婚化が進行する背景には、従来の家業を営む層が減り、会社員として企業に属する層が増えた影響があると考えられる。男性の場合は経済成長率の低下、女性の場合は会社員としての働き方と結婚後の家庭内における役割のギャップによって結婚年齢が上昇しているのではないか。

(127)

計694字

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