2019年 上智大学編入学試験 文学部・哲学科 小論文 解答例

問1(200字)

議論の整理(要約)

ジョン・ステュアート・ミルは、社会に危害が与えられたとき、自己防衛が目的である場合は、その行為をする自由を防止できると考えた。

問題発見

私たちの生活のなかでミルが考える自己防衛の必要性はあるのだろうか。

論証

私の家は昔から治安があまり良くなく、周囲ではひったくりが多発している。自己防衛することで余計に危険な状態になることもある。

結論

そのため、自己防衛が必ずしも危害が与えられたときの対応ではなく、未然にそれを防ぐ対策を立てることも必要だ。

吟味

実際に危害を加えていないが、治安の悪化の一因となっている要素を、排除する基準を検討する必要もあるだろう。(281文字)

 

問2(600字)

議論の整理(要約)

基本的に個人は自由であるというのが、ジョン・ステュアート・ミルの考え方である。個人のみで、正しくないとされる行為をしたとしても、それが他人に危害を加えない場合は、いさめる必要も罰する必要もないとしている。他人や社会に危害を与えたときにはじめて、その行為をする自由を自己防衛として防止できるとミルは考えた。

問題発見

他人や社会に危害を与えない場合、その行為をする自由を防止する権利はないとしているが、それは本当に正しいのだろうか。

論証

ミルの自己防衛は、他人や社会に危害を与えたあとの対応のことを指す。つまり、個人ではれば、暴力をふるわれた、暴言を繰り返された、何かを盗まれそうになったなど、何らかの被害を受けそうになったときに自己防衛できるということになる。そのため、ギリギリのところで自己防衛したとしても、被害を受けてしまうこともある。

他人に危害を加えていない段階で、個人の範囲内でその予兆があったとき、それを防止することは許されないのだろうか。日本でも、大きな被害が出る前に、小動物を虐待した、ネットで危険な書き込みをしていたなど、予兆があったと報じられることも多い。その段階で、他人に危害を加えていないが、将来的に危害を加える可能性があるとして、対処することも必要である。

結論

このような理由から私は、自己防衛の前段階として予防という観点を加えるべきだと思う。

吟味

予防として、他人に危害を加える可能性を閉ざす場合、どのタイミングで予防するのかは、議論の必要性があるだろう。(645文字)

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