早稲田大学 文学部 AO入試 志望理由書 提出例(児玉竜一ゼミ向け)

■議論の整理

文学研究には、本文研究という分野がある。たとえば、『源氏物語』の文章の正しいものは何かを探求する学問だ。活版印刷という複製技術が発達する以前の文章の伝達は書写に限られており、写本をする間に文章は誤字脱字が混じりこみ、もしくは捜索が紛れ込み、文章は変質してしまう。

 

■問題の発見

近世期の写本の網羅的な研究として、中野三敏の『和本のすすめ』がある※1。目次には、「貴族文化の所産としての名家の自筆写本」「雑記雑考など」「手控えの記録・日記・紀行」「出版物の原稿」「実録と称する読物」「板本の写し」などがあり、多くの写本研究の原点として参照されるが、この中に抜け落ちているものは、「演劇」だ。

 

■論証

近世演劇の写本を研究することには次のような可能性がある。「浄瑠璃」ないし「歌舞伎」の写本は、物語の筋を書写するだけではなく、演出方法までも転記される。どのタイミングでどのような音の演奏をするか。どのような声色で、調子を出すか。演劇は、エクリチュールとしての作品であるというよりも、身体や音声を通じて上演される総合芸術だ。演劇の写本を研究することは、当時の空気を研究する都市研究にも近い分野になるだろう※2。

 

■結論

文学作品の本文研究は、一つの聖典を確定しようとする起源への素行を夢見る学問として有意義なものだ。一方で、上演される演劇は、そのたびごとに一つの空気を作り上げる偶然性に開かれた芸術だ。その芸術が、この本文研究によって明らかになる。俳優身体、演奏主体、演出家の方法などのドラマトゥルクを紐解く一つのテクスト研究になる。

 

■結論の吟味

演劇は大衆とともにある。今でこそ、浄瑠璃や演劇は伝統芸能として定着しているが、古くは日本伝統の貴族文化というよりも、大衆に根差した見世物だった。演劇の本文研究を通して見えてくる、時代の空気を視覚化してくれる、演劇の本文研究を進めることで、近世という時代の新たな側面を解明してみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1中野三敏『和本のすすめ 江戸を読み解くために』岩波書店 2011

※2児玉竜一「近世演劇の写本と上演」『日本文学』日本文学協会 63(10) 2014

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