早稲田大学 文学部 AO入試 志望理由書 提出例(冬木ひろみゼミ向け)

■議論の整理

演劇は現在無形文化財としての地位を確立しつつある。日本でも、歌舞伎や能をはじめ、公共の財としてどのように保全していくかがようやく議論の俎上に乗りつつある。しかし、絵画や映画などの芸術と比べて、無形文化的な性格を持つ演劇はどのような要素を持つだろうか。多くの諸芸術に、その芸術ジャンルが持つ特有の個性があるとして、演劇にはどのようなものが特性として挙げられるか。

 

■問題発見

古典演劇の代表的な作家にシェイクスピアがいる。シェイクスピアは西洋の古典とも言え、いまだに多くの演劇団体がシェイクスピアの題目を演じ続けている。有名なところでは『ロミオとジュリエット』などがあげられるが、一種貴族社会に内包された純愛ものや階級闘争を描くその物語に分析が多く集中しているが、シェイクスピアにはそれだけにとどまらない演劇性がある。それは何か。

 

■論証

シェイクスピア晩年の作品である『テンペスト』では、チェスの場面が出てくる。チェスはここでは西欧が第三世界に新着していく様や多くの戦争の寓意的なゲームとして登場する。キングが自分たちで、歩兵が軍隊である。また相手は、戦争している他者であり、西洋世界は一種のチェスのゲームのように世界を征服していく。だが自体はこれだけにとどまらず、演劇を演じている俳優身体も一種のチェスの駒と化し、仮面劇としての要素が繰り広げられる構造を持つ、実際俳優は役を演じているだけであり、自己言及的に演劇と演劇身体に言及するこの作品は、演劇とは何かを自己暴露していく※1。

 

■結論

優れた諸芸術は、諸芸術を成り立たせている要素に言及した作品が多く、小説であれば、小説の物語をなぞりながら小説を書くとはどういうことかに言及してしまうし、映画であれば、映画を撮ることとはどういう行為かに知らず知らずのうち触れてしまう。ある種のフィクション性に自己言及するメタフィクションが発動し、それをどう解釈するか。作者はもはや作品をつくる主体ではなく、一連の連鎖の中に組む込まれた一種のチェスの駒にさえなるだろう。

 

■結論の吟味

近年演劇を公共財としてみようとする姿勢が強いが、一方でその演劇は物語についての言説につきまとわれている。青少年にみせるべき物語かどうか、感動を呼び起こす俳優身体を持っているかなど、あくまでも物語に依存した解釈に終始しがちだ。しかしそれでは演劇というメディアが持つ特性を十分にとらえて、演劇芸術を理解・保全していくことにはならない。演劇が持つ演劇性の解釈フレームと、それを公共につなぐ回路を自分なりに模索、研究してみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1冬木ひろみ「『テンペスト』の構造――チェスの場面をめぐって」『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第二分冊55 2009

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