早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(大津雄一ゼミ向け)

■議論の整理

人は闘いが好きだ。戦って勝つと英雄としてたたえられる。また闘いの場面は手に汗握るものだし、人々に高揚感をあたえることもできる。人々は闘いが好きだし、戦いが描かれたフィクションを受容することを好んでいる。それは現代も昔も変わらない。

 

■問題発見

日本の軍記物語の中に「平家物語」がある。平家物語は琵琶法師によって伝えられたとされており、文学作品でありつつも、吟じられる声の物語でもある。平家物語は、平家の繁栄と滅亡までを描く戦の表象として読める物語だが、一方で戦さの表象にグロテスクさがないことが指摘されている。なぜ平家物語には凄惨なシーンが描かれなかったのか。

 

■論証

研究者によれば、このような観点で平家物語を論じることが少ないとされており、それは日本文化論研究者にそのようなアプローチの方法意識が希薄だからだと述べられている。ホメロスの叙事詩には、脳みそや内臓が飛び散り、目玉が飛び出るシーンが臆面もなく描かれたりするが、平家物語にはそれがない。また日本の物語でも十二世紀前半院成立したとされる『後三年合戦絵詞』の戦さは、ホメロス同様グロテスクな表象で満ち溢れている。とすれば平家物語の端麗な戦場表象はどのように説明することができるだろうか。

 

■結論

研究者は、クリステヴァのアブジェクシオンや、カイヨワの祝祭の理論を援用して述べており、母性原理もしくは共同体の原理を援用してこの状態を説明しようとしている。おぞましくグロテスクなものは母性の象徴で、母性を棄却すること(オブジェクトすること)で象徴界に参入し、大人になることができる。しかし父性原理が強い場合、棄却された後なので、グロテスクなものが出ないのだという理屈だ。また、戦争が一種の祝祭として機能する事実を述べたうえで、共同体はその祝祭の高揚を利用して共同体の紐帯を強めることにも触れている※1。

 

■結論の吟味

日本の古典文学を現代の精神分析やナショナリズムの理論、もしくは広い意味での物語理論と接合しようとする試みは非常に有意義に感じる。古典文学が現代のエクリチュールとは異なる異同に満ち溢れた豊饒でかつ危ういテクストだとしても、その声たちが紡ぎだす物語がどのように展開され、どのような理論と結びつき、怪しい魅力を発揮するのか、より深く研究してみたい。以上のような見取り図で研究してみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1大津雄一「端麗なる戦場――軍記物語のいくさの表象とその来由についての試論――」『第42回国債日本文学研究集会会議録』42 2019

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