早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(高橋良行ゼミ向け)

■議論の整理

「ちょっと一杯」といったとき、この一杯が引き起こす語幹はどのようなものだろうか。一杯は酒を表す表現であり、酒を酌み交わす相手としておそらくひごろから親しい間柄であることが想像できる。もしくは、この二人は、ひと時の余裕を味わっているようなにやけた顔をしているかもしれない。このように「一杯」という表現にはいろいろなイメージを呼び起こす機能がある。

 

■問題発見

ではこの「一杯」はいつできた表象か。一杯はあくまでも盃に一回分注ぎ込まれた量を表すただの数量表現である。しかしこれが今では、「酒を少し飲むこと」という表象として機能するのは当然であり、日常的にそのような状態を表す用語として定着している。

 

■論証

唐の時代の詩人たちがこの酒を数量で表す表現を使用し始めたと言われており、詩の大家である李白は多くの数量名詞を用いた酒量表現をしている。「一杯」であったり「百杯」であったりする。春のまどろみを表現したり、勢いを表現したり、悲しみや再会が、酒量表現とともに演出されるのが彼の詩の特徴だと言ってもよい。

 

■結論

一方で、李白の詩を受け継いだといわれる白居易は「一盃」にこだわった詩人だと言える。あくまでも「一盃」飲むこと。これが引き起こすイメージを巧みに呼び寄せること。ある研究者によれば、「白居易はどの飲酒人よりも「一盃」のなかに飲酒の愉悦と心身の至福を見いだし、心より味わうことができた詩人であった」※1とされている。

 

■結論の吟味

大勢ではなく、「一」。この数字を巧みに操ることによって、詩は繊細さをまとうことができるようになったのではないかと思わせる、この表現技法。言葉の表象がいまだに定まらない時に、そのイメージを先取りして定着させようとした「詩人」がいたのではないかと私は考えている。表象体系を説明するために、言説布置を持ち出すというのではなく、詩人が発明したのだ、と高らかに言ってみたい。詩人の言葉について研究したいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1高橋良行「白居易の飲酒詩――「一盃」への偏愛――」『中国詩文論叢』36 2017

 

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