慶應義塾大学 総合政策学部 小論文 2020年

【2020年総合政策学部小論文】

全体として、400字の問題は5STEPs、200字の問題はPREP法を用いて執筆した。また可能な限り、特に2.については多種多様な答案が想定されるため2案の解説を執筆した。

いずれの問題も意見要約問題ではなく意見論述であるため、すべての問題を5STEPsで書いてもPREP法で書いても良い。構成を作り、下書きをした上で字数調整するという書き方で書いた。総じて設問の要求が多く難しい問題。例年であれば15分程度で模範解答を書き終えることができるが、書き上げるのにぴったり2時間程度掛かった。なお、解答がこれと異なっていても間違いというわけではないので念の為。(文責・代表林)

問題1.(400字)

議論の整理……資料1〜5の要約
資料1・2は、2016年までは民主主義が後退しているというのは神話でしかなかったが、トランプ政権以後はその危惧が現実化したとしている。資料3は日本の大量移民防止政策を西欧と対比して評価している。資料4はテクノロジーと民主主義が水と油の関係にあることを指摘する。資料5では、政治に関する話題は、特に誤情報である場合にリツイートされる可能性が高く、その一助となるのが同質性の高い情報にばかり触れる環境であることを指摘している。
問題発見……なぜ「民主主義の後退」と呼ばれるような事態が、いま世界的に起きているのか
さて、ここでなぜ「民主主義の後退」と呼ばれるような事態が、いま世界的に起きているのかについて考えたい。
論証……「民主主義の後退」の原因分析
「民主主義の後退」は、そもそも多くの人が「民主主義の価値」を信じることができなくなることから生まれる。人々が「民主主義の価値」を信じられなくなる要因としては、資料3にもあるように国民の最大関心事である移民政策についてでさえ、国民の意見が十分反映されていないと国民が考えた場合に、国民が「民主主義の価値」に対し懐疑的になるためである。特に、デジタル化した社会においてはこうした疑念は資料4にもあるように丁寧な議論を経ることなく急速に広がり、資料5にあるようにSNSやその他ネット上のコミュニティにおける誤情報の拡散や同質性の高い情報にばかり触れる環境がそうした流れに拍車を掛ける。
結論……結論
そのため資料1・2にあるような「民主主義の後退」と呼ばれているような事態が世界的に起こるのである。
吟味……吟味
(省略)

さて、ここでなぜ「民主主義の後退」と呼ばれるような事態が、いま世界的に起きているのかについて考えたい。
「民主主義の後退」は、そもそも多くの人が「民主主義の価値」を信じることができなくなることから生まれる。人々が「民主主義の価値」を信じられなくなる要因としては、資料3にもあるような国民の最大関心事である移民政策についてでさえ、国民の意見が十分反映されていないと国民が考えた場合に、国民が「民主主義の価値」に対し懐疑的になるためである。特に、デジタル化した社会においてはこうした疑念は資料4にもあるように丁寧な議論を経ることなく急速に広がり、資料5にあるようにSNSやその他ネット上のコミュニティにおける誤情報の拡散や同質性の高い情報にばかり触れる環境がそうした流れに拍車を掛ける。
そのため資料1・2にあるような「民主主義の後退」と呼ばれているような事態が世界的に起こるのである。(389文字)

問題2.(200字)

(可能派)

結論……これから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができる
私は、日本はこれから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができると考える。
根拠……なぜなら〜
具体例……資料3、図表2・3・4のデーターの要約
なぜなら、図表2にあるように少子高齢化で日本人の数が減少する中で、図表3にあるような様々な外国人を受け入れることによってしか、年金や医療保険などの仕組みを通じて国民の生命・安全・財産を守るという国家の基本的な役割を果たすことができないためである。事実、図表4にもあるように、日本の移民受け入れ数はOECDで世界4位にまでなっている。
結論……よって、これから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができる
よって、日本はこれから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができると考える。

私は、日本はこれから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができると考える。
なぜなら、図表2にあるように日本人人口が減少する中で、図表3にあるような様々な外国人を受け入れることによってしか、図表2の総人口を維持し、国家の基本的な福祉機能を果たすことができないためである。事実、図表4にもあるように、日本の移民受け入れ数はOECDで世界4位にまでなっている。(194文字)

(不可能派)

結論……日本はこれから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができないと考える。
根拠……
具体例……図表2・3・4
なぜなら、図表2にあるように少子高齢化で日本人の数が減少しているにも関わらず、図表3にあるように伸びが見られるのは技能実習生や留学生などの一時的な人口流入だけで、図表4にあるようにOECD諸国で移民流入数が世界4位であるにも関わらず長期に渡る移住者の定着施策には乏しいためである。
結論……

日本はこれから多様性が提起する問題に向き合いながら、開かれた共同体を形づくることができないと考える。
なぜなら、図表2にあるように少子高齢化で日本人の数が減少しているにも関わらず、図表3にあるように伸びが見られるのは技能実習生や留学生などの一時的な人口流入だけで、図表4にあるようにOECD諸国で移民流入数が世界4位であるにも関わらず長期に渡る移住者の定着施策には乏しいためである。(190字)

問題3.(200字)

結論……資料4「民主主義はテクノロジーに合わせて設計はされていない。これは誰の落ち度でもない」は正しくない
私は、資料4にある「民主主義はテクノロジーに合わせて設計はされていない。これは誰の落ち度でもない」は正しいと考える。
根拠……なぜなら、(ソーシャルメディアが公共空間をどのように変容させたか)(情報伝播の特性)
なぜなら、ソーシャルメディアの持つマイナス感情を刺激する誤情報の拡散が、本来であれば丁寧に政治的合意を形成していくべき場である公共空間を相互協力の場から相互分断の場へと変えていった要因の一端には、ソーシャルメディア運営側の配慮不足が考えられるからだ。
具体例……具体例
結論……少なくとも、その要因は民主主義側にはないのだから、民主主義の問題については誰の落ち度でもないと言える。

私は、資料4にある「民主主義はテクノロジーに合わせて設計はされていない。これは誰の落ち度でもない」は正しいと考える。
なぜなら、ソーシャルメディアの持つマイナス感情を刺激する誤情報の拡散が、本来であれば丁寧に政治的合意を形成していくべき場である公共空間を相互協力の場から相互分断の場へと変えていった要因の一端には、民主主義そのものの問題ではなく、ソーシャルメディア運営側の配慮不足が考えられるからだ。(199文字)

問題4.(400字)

議論の整理……資料1〜5の要約
資料1・2は、2016年までは民主主義が後退しているというのは神話でしかなかったが、トランプ政権以後はその危惧が現実化したとしている。資料3は日本の大量移民防止政策を西欧と対比して評価している。資料4はテクノロジーと民主主義が水と油の関係にあることを指摘する。資料5では、政治に関する話題は、特に誤情報である場合にリツイートされる可能性が高く、その一助となるのが同質性の高い情報にばかり触れる環境であることを指摘している。
問題発見……日本の民主主義の問題点
ここで日本の民主主義の問題点は、資料5にあるように同質性の高いユーザーをあえて選ぶことがなくとも、日本人のあいだで交わされる政治的議論は極めて同質性が高いということにあると私は考える。
論証……論証
なぜなら、学校教育の現場でも、自らの意見を持つことよりも周囲の意見を推し量って行動することが求められる日本社会においては、政治的議論の際に最も重要なのは、自らの意見を持つことでも、意見の異なる他者と合意を形成することでもなく、周囲の政治的意見を推し量って、周囲の意見と同じ意見を述べることとなるためである。
結論……日本の民主主義の状況をどう判断できるか
このような日本の民主主義の状況は、人々が主権者として自ら政治的意思決定に関与することを回避し、自ら政治的意思決定の責任を政治家などの他者に押し付けることに繋がる。
吟味……吟味
その結果、日本人の多くは、自らの意思決定の齟齬を自己の責任下のものとして反省しないため、極端から極端に触れる稚拙な政治的意思決定を繰り返し、そのことがより日本人が抱く日本の民主主義への不信感を増幅させることになる。

ここで日本の民主主義の問題点は、資料5にあるように同質性の高いコミュニティを選ぶことがなくとも、資料3でも触れられているように同質性の高い日本人のあいだで交わされる政治的議論は極めて同質性が高いということにある。
なぜなら、学校教育の現場でも、自らの意見を持つことよりも周囲の意見を推し量って行動することが求められる日本社会においては、そもそも資料1・2で紹介されているような政治的自由の価値が尊重されることが少ないためだ。
このような日本の民主主義の状況は、人々が主権者として自ら政治的意思決定に関与することを回避し、自らの政治的意思決定の責任を政治家や「世間」などの他者に押し付けることに繋がる。
その結果、日本人の多くは、自らの意思決定の齟齬を自己の責任下のものとして反省しないため、周囲の大勢によって決める稚拙な政治的意思決定を繰り返し、日本人が抱く日本の民主主義への不信感を増幅させることになる。(400字)

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